音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■第19回平均律・アナリーゼ講座、平均律は旧約聖書であり新約聖書である■

2011-11-29 22:37:28 | ■私のアナリーゼ講座■

■  第 19回 平均律・アナリーゼ講座のご案内  ■

 ~ Beethoven・Klaviersonate  Op.101 A-Dur の構造は、平均律 19番~                   

                                               2011.11.29     中村洋子

 

 

2012年 1月 17日 ( 火 )の 第 19回平均律・アナリーゼ講座は、

平均律 第 1巻  「 第 19番 A-Dur イ長調 」 です。

19番の prelude プレリュードは、三つの主題をもつ

「 triple counterpoint 三重対位法 」 ですが、

見方を変えますと、

半音階と四度跳躍音程から成る 「 対主題 Ⅰ 」 と、

掛留音 suspention を特徴とする 「 対主題 Ⅱ 」 を従えた、

「 Fugue フーガ 」 と、みることもできます。


★Johann Sebastian Bach  バッハ  ( 1685~1750 ) は、

「 Wohltemperirte Clavier 平均律クラヴィーア曲集 」 第 1巻 の、

「 7番 Es-Dur 変ホ長調 」 でも、重厚なフーガを展開しましたが、

この19番は、高度な技法を用いながら、

なんとも軽やかで、優美。

無垢な子供が口ずさむ、歌のようです。

 

 

この素晴らしい技法を、自家薬籠のものとしたのが、

Beethoven  ベートーヴェン (1770~ 1827) です。

講座では、「 Klaviersonate  Op. 101  A-Dur 」  を、

自筆譜を参照しながら、

彼が、 Bach  から学びとったものを、お話いたします。


★19番フーガ fugue の主題は、4度音程での

 zigzgging subject ジグザグ進行です。

Beethoven は、この 「 四度音程 」 の意味を、

「 Klaviersonate Nr. 31 Op. 110  ピアノソナタ  31番 」 で、

解明しています。

 
★「 四度音程 」 の意味、とは ?

≪ 四度が調性のなかで、どのような役割を果たしているか ≫

ということです。

 

 

 

★「  Wohltemperirte Clavier 平均律クラヴィーア曲集は、

Old Testament 旧約聖書、

Beethoven Klaviersonaten ピアノソナタは、New Testament 新約聖書 」 と、

Hans  von Bülow ハンス・フォン・ビューロー (1830~1894)が、言いました。

 

★ Pablo Casals パブロ・カザルス(1876~1973) は、

≪ Wohltemperirte Clavier 平均律クラヴィーア曲集は、

 旧約聖書でもあり、 新約聖書でもある。

平均律は、すべての音楽の基礎なのだ ≫ と、語っています。


★ 「  Wohltemperirte Clavier 平均律クラヴィーア曲集に、

由来しない音楽は、名曲には、成りえない 」 と、私は思います。

 

 

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■ 第 19回   平均律クラヴィーア・アナリーゼ講座  のお知らせ
                       第 19番 A-Dur  prelude & fugue

●講師 : 中村洋子

●日時 : 2012年 1月 17日 ( 火 ) 午前10:00 ~ 12:30

●会場 : カワイ表参道 2F コンサートサロン・パウゼ

●会費 : 3000円  ( 要予約 )  ℡ 03- 3409- 1958 

 

 


                                      ※copyright © Yoko Nakamura
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

 

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