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■私の室内楽作品が、3月、チューリッヒで初演されます■
10.2.11 中村洋子
★スイスのチューリッチで活躍中の
≪ ensemble für neue musik zürich ≫という団体が、
創設25周年を、記念し、
3月 19日~ 21日にかけ、音楽祭を開催します。
★そこで、私の作品 「 Zürich チューリッヒ 」 が、初演されます。
≪ ensemble für neue musik zürich ≫ は、この音楽祭のために、
世界 23カ国の作曲家に、「 演奏時間 1分間 」 の曲を、
新たに作曲してくれるよう、委嘱しました。
★私のもとへも、作曲依頼が昨年夏、参りました。
作品は、6重奏曲 sextet (+ conductor)が条件です。
instrumentation:
flute/pic/alto fl/bass fl
clarinet B flat/A/E flat/basset horn/bass cl/contrabass cl
drums/percussion
piano/keyboard
violin
violoncello
★私の編成は次のとおりです。
flute / clarinet B / percussion / piano / violin / violoncello
★題名は、アンサンブルの所在地に因み 「 Zürich 」 としました。
テーマ(旋律)は、 ≪ ソジェットカバート ≫
Soggetto cavato ( carved out of the words ) を使い、
Zurich の、 「 z を ミ 」、 「 u を ソ 」、 「 r を レ 」、
「 i を シ 」、 「 c を ド 」、 「 h を ラ 」 と
当て嵌めました。
★モーリス・ラヴェルが、1909年に、
ハイドン(1732~1809)の、没後百年を記念して作曲した
「 Menuet sur le nom d'HAYDN
ハイドンの名によるメヌエット 」 のテーマは、
≪ ソジェットカバート ≫ により、「 H A Y D N 」 を、
「 シ ラ レ レ ソ 」 に置き換えて、作られています。
★同じテーマで、クロード・ドビュッシーも
「 Hommage a Haydn ハイドンを讃えて」を、
作曲しています。
★≪ ソジェットカバート ≫ は、 16世紀イタリアの
作曲家、理論家であったツァルリーノ
Zarlino (1517~1590)が、創作した用語で、
特定のアルファベットを、音階のドレミファソラシドに、
当て嵌め、それにより、
ある言葉、例えば、今回の「 Zürich 」 が、
「 ミ ソ レ シ ド ラ 」 という旋律に、なります。
★ここで、誤解していただきたくないのは、次のことです。
ラヴェルが、ハイドンの名前を使って作曲しても、
ハイドンの音楽とは、全く関連がなく、
ラヴェル独自の音楽を展開した、ということです。
★私が「 Zürich 」で、ソジェットカバートを使いましたのは、
テーマを作るための、単なる 「 きっかけ 」 でしかありません。
それに特別の意味が、あるわけではありません。
★しかし、≪ バッハ ≫ になりますと、そうではなくなります。
バッハの音楽のなかの、一部分の形などをとらえ、
特別な暗喩が、込められている、
あるいは、何かが象徴されている、
さらに、数字や図形に、特殊な意味が、隠されているなど、
薀蓄の世界が、繰り広げられているようです。
★しかし、それは、音楽の本質とは、
関わりのないことであると、私は思います。
★「 演奏時間 1分間 」 という制約が、私にとって、
とても面白く、1分間に 72拍ある曲を書く場合、
「4分音符= 72」と、すればいいのです。
6拍子にしましたので、72÷6=12、
つまり、12小節の曲になります。
★ 12小節とはいえ、ゆったりと、優雅な舞曲が出来ました。
また、6人による「 旋律のカノン 」、
「 リズムのカノン 」 が、織り成されています。
演奏日は、3月21日。
「バッハの誕生日」です。
この演奏は、「CD」に記録されるそうです。
それを聴くのが、いまから、楽しみです。
(白梅の蕾)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
10.2.11 中村洋子
★スイスのチューリッチで活躍中の
≪ ensemble für neue musik zürich ≫という団体が、
創設25周年を、記念し、
3月 19日~ 21日にかけ、音楽祭を開催します。
★そこで、私の作品 「 Zürich チューリッヒ 」 が、初演されます。
≪ ensemble für neue musik zürich ≫ は、この音楽祭のために、
世界 23カ国の作曲家に、「 演奏時間 1分間 」 の曲を、
新たに作曲してくれるよう、委嘱しました。
★私のもとへも、作曲依頼が昨年夏、参りました。
作品は、6重奏曲 sextet (+ conductor)が条件です。
instrumentation:
flute/pic/alto fl/bass fl
clarinet B flat/A/E flat/basset horn/bass cl/contrabass cl
drums/percussion
piano/keyboard
violin
violoncello
★私の編成は次のとおりです。
flute / clarinet B / percussion / piano / violin / violoncello
★題名は、アンサンブルの所在地に因み 「 Zürich 」 としました。
テーマ(旋律)は、 ≪ ソジェットカバート ≫
Soggetto cavato ( carved out of the words ) を使い、
Zurich の、 「 z を ミ 」、 「 u を ソ 」、 「 r を レ 」、
「 i を シ 」、 「 c を ド 」、 「 h を ラ 」 と
当て嵌めました。
★モーリス・ラヴェルが、1909年に、
ハイドン(1732~1809)の、没後百年を記念して作曲した
「 Menuet sur le nom d'HAYDN
ハイドンの名によるメヌエット 」 のテーマは、
≪ ソジェットカバート ≫ により、「 H A Y D N 」 を、
「 シ ラ レ レ ソ 」 に置き換えて、作られています。
★同じテーマで、クロード・ドビュッシーも
「 Hommage a Haydn ハイドンを讃えて」を、
作曲しています。
★≪ ソジェットカバート ≫ は、 16世紀イタリアの
作曲家、理論家であったツァルリーノ
Zarlino (1517~1590)が、創作した用語で、
特定のアルファベットを、音階のドレミファソラシドに、
当て嵌め、それにより、
ある言葉、例えば、今回の「 Zürich 」 が、
「 ミ ソ レ シ ド ラ 」 という旋律に、なります。
★ここで、誤解していただきたくないのは、次のことです。
ラヴェルが、ハイドンの名前を使って作曲しても、
ハイドンの音楽とは、全く関連がなく、
ラヴェル独自の音楽を展開した、ということです。
★私が「 Zürich 」で、ソジェットカバートを使いましたのは、
テーマを作るための、単なる 「 きっかけ 」 でしかありません。
それに特別の意味が、あるわけではありません。
★しかし、≪ バッハ ≫ になりますと、そうではなくなります。
バッハの音楽のなかの、一部分の形などをとらえ、
特別な暗喩が、込められている、
あるいは、何かが象徴されている、
さらに、数字や図形に、特殊な意味が、隠されているなど、
薀蓄の世界が、繰り広げられているようです。
★しかし、それは、音楽の本質とは、
関わりのないことであると、私は思います。
★「 演奏時間 1分間 」 という制約が、私にとって、
とても面白く、1分間に 72拍ある曲を書く場合、
「4分音符= 72」と、すればいいのです。
6拍子にしましたので、72÷6=12、
つまり、12小節の曲になります。
★ 12小節とはいえ、ゆったりと、優雅な舞曲が出来ました。
また、6人による「 旋律のカノン 」、
「 リズムのカノン 」 が、織り成されています。
演奏日は、3月21日。
「バッハの誕生日」です。
この演奏は、「CD」に記録されるそうです。
それを聴くのが、いまから、楽しみです。
(白梅の蕾)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲