音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■「無伴奏チェロ組曲 第3番 Suite Nr.3 für Violoncello」楽譜が、到着■

2014-01-07 23:59:21 | ■私の作品について■

■「無伴奏チェロ組曲 第3番 Suite Nr.3 für Violoncello」楽譜が、到着■
               2014.1.7   中村洋子

 

 


★新しい年が、始まりました。

2011年の東北大震災から、3年目のお正月です。

冬枯れの木立を見ながらの初詣は、清々しいものです。


★私の作品 「  Suite Nr.3 für Violoncello

無伴奏チェロ組曲 第 3番 」が、昨年、ドイツで出版されましたが、

やっと、日本に入荷しました。

ベルリンの出版社 ≪ Ries&Erler リース&エアラー社 ≫

http://shop.rieserler.de/ からは、既に、

「 Suite Nr.1 für Violoncello,  無伴奏チェロ組曲 1番 」、

「 10 Duette für 2 Violoncell,  チェロ二重奏のための 10の曲集 」 が、

出版されており、これで、 3冊目となります。

http://shop.rieserler.de/product_info.php?info=2840

 

 


★この 「  Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 3番 」

 の楽譜は、

アカデミアミュージックで、購入することができます。

https://www.academia-music.com/academia/search.php?mode=detail&id=1501720283


★≪ Ries&Erler リース&エアラー社 ≫ は、

Franz Ries フランツ・リース ( 1846 Berlin-1932 Naumburg )  と、

Hermann Erler ヘルマン・エアラー (1844 Radeberg - 1918 Berlin ) の

二人が、1881年に設立した出版社です。


★Humpedinch フンパーディンク、 Pfitzner プフィッツナー、

ヴァイオリン教則本の作曲家として著名な、Carl Flesch(1873 - 1944)

カール・フレッシュなどの、出版権をもち、

Franz Ries ( 設立者の祖父で、設立者と同じ名前 ) と、

Ferdinand Ries ( 設立者の叔父 ) の作品など、

多くの作品を、出版しています。 

最近は、指揮者 Wilhelm Furtwängler 

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー (1886 - 1954)の交響曲、歌曲や、

このところ演奏される機会が増えてきました、オーストラリアの

Hans Rott ハンス・ロット (1858 - 1884)の、

交響曲などを、精力的に出版しています。

https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&kubun=1&word=Furtwangler
https://www.academia-music.com/academia/r_rott.php

 


★小学校のころ、何度も読み返しました 「 Beethoven の伝記 」 の中で、

この 「 Ries 」 の名前が、私の記憶に、刻み込まれています。


★設立者の祖父 Franz・Anton・Ries  (1755-1846) は、

Bonnボンで、Beethoven ベートーヴェン (1770~ 1827)の先生だった

ヴァイオリン奏者、指揮者です。

Beethoven が、16歳で最愛の母を亡くし、暴力を振るう酒乱の父と、

苦しい荒んだ日々を送っていたころ、彼を、

自分の家にたびたび招き、暖かい家庭の味を振る舞うなどして、

心身から支えたのが、 Franz・Anton・Ries でした。

愛情に満ちた人でした。


★私が読みました伝記には、 「 Riesリース先生 」 という言葉で、

何度も現れます。

Riesは、五男五女の子宝に恵まれました。


★その長男が、Ferdinand Ries です。

現在、作曲家としての評価が高まってきており、

盛んに、作品が出版されつつあります。

https://www.academia-music.com/academia/m.php/20130703-1

彼は、ウィーンViennaで、Beethoven の下で学び、

後に、Beethoven の秘書も務めます。

私の伝記では、彼は  「 Ries リース君 」  として登場します。


★Beethoven は、リース君にピアノは教えましたが、

作曲は、Albrechtsberger アルブレヒツベルガー を、

紹介します。

Albrechtsberger は、当時、最高の音楽理論家で、

Beethoven も、彼から、対位法を学んでいます。

 

 


★私は、 Beethoven の気持ちがよく分かります。

恩師の長男に、心を込めてピアノを教えました。

しかし、 「 作曲は教えるものではない。自分で獲得するものである 」

と、思っていたのでしょう。

そして、当時の最高の先生を紹介し、基礎的な理論を学ばせました。

後に、 「 リース君 」 は、イギリスに渡り、晩年の Beethoven を、

経済的に支えていきます。


★「 Musikverlag  Ries & Erler  Berlin  リース&エアラー社 」 の、

設立者である Franz Ries は、 「 祖父 Franz Ries 」  の五男の息子です。

Ferdinand Riesは 、 「 祖父 Franz Ries 」  の長男ですから、

叔父にあたります。


★二代目社長の Robert Ries (1889-1942) は、1930から1933年まで、

Verband Deutscher Musikverleger

ドイツ音楽出版社連盟の会長を、務めています。

日本の岩波書店のような老舗です。

 

 


★お話しは変わりますが、岩波の 「 図書 」 2014年 1月号に、

瀬戸内寂聴さんの講演が、掲載されていました。

とても興味を引かれる指摘が、ありました。

≪ いま売れている本は、あてにならない。いま売れに売れている人も

いますし、私もいくらか売れていますけれども、

売れる本がいい本じゃないんです ≫

≪ 100年後なんて、すぐ来ますよ。自分が生きて、

もうすぐ100年ですからね。振り返ってみたら、「ああ、短いな」と、

思います ≫

 

★≪ 生々流転、仏教では全てが変わることが根本思想です。

全ては変わるんですよ。

だから、いまの状態は全て変わると覚悟してください。

変わらないのは、本当に立派な本ですね。

それから、いい音楽、いい絵画、
いいお芝居、

そういうものは変わらないで、

そのまま伝えていかなくてはなりません。

それが文化です。

古典です。

文化が死んでいくなら、その国は滅びます。

皆さん、どうか日本の文化を守ってください ≫


★私の作品は、幸い、捨てられることはなく、

「 Musikverlag  Ries & Erler  Berlin  リース & エアラー社 」 が、

出版してくださったのですから、

これから、 「 楽譜 」 として残ることでしょう。

 「 時 」 の判断を、仰ぐことになります。


 

 




 

 

 

  ★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 4、 5、 6番 」

 

Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、

 

全国の主要CDショップや amazon でも、ご注文できます



 

 

 

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             All Rights Reserved
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