■「無伴奏チェロ組曲 第3番 Suite Nr.3 für Violoncello」楽譜が、到着■
2014.1.7 中村洋子
★新しい年が、始まりました。
2011年の東北大震災から、3年目のお正月です。
冬枯れの木立を見ながらの初詣は、清々しいものです。
★私の作品 「 Suite Nr.3 für Violoncello
無伴奏チェロ組曲 第 3番 」が、昨年、ドイツで出版されましたが、
やっと、日本に入荷しました。
ベルリンの出版社 ≪ Ries&Erler リース&エアラー社 ≫
http://shop.rieserler.de/ からは、既に、
「 Suite Nr.1 für Violoncello, 無伴奏チェロ組曲 1番 」、
「 10 Duette für 2 Violoncell, チェロ二重奏のための 10の曲集 」 が、
出版されており、これで、 3冊目となります。
http://shop.rieserler.de/product_info.php?info=2840
★この 「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 3番 」
の楽譜は、
アカデミアミュージックで、購入することができます。
https://www.academia-music.com/academia/search.php?mode=detail&id=1501720283
★≪ Ries&Erler リース&エアラー社 ≫ は、
Franz Ries フランツ・リース ( 1846 Berlin-1932 Naumburg ) と、
Hermann Erler ヘルマン・エアラー (1844 Radeberg - 1918 Berlin ) の
二人が、1881年に設立した出版社です。
★Humpedinch フンパーディンク、 Pfitzner プフィッツナー、
ヴァイオリン教則本の作曲家として著名な、Carl Flesch(1873 - 1944)
カール・フレッシュなどの、出版権をもち、
Franz Ries ( 設立者の祖父で、設立者と同じ名前 ) と、
Ferdinand Ries ( 設立者の叔父 ) の作品など、
多くの作品を、出版しています。
最近は、指揮者 Wilhelm Furtwängler
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー (1886 - 1954)の交響曲、歌曲や、
このところ演奏される機会が増えてきました、オーストラリアの
Hans Rott ハンス・ロット (1858 - 1884)の、
交響曲などを、精力的に出版しています。
https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&kubun=1&word=Furtwangler
https://www.academia-music.com/academia/r_rott.php
★小学校のころ、何度も読み返しました 「 Beethoven の伝記 」 の中で、
この 「 Ries 」 の名前が、私の記憶に、刻み込まれています。
★設立者の祖父 Franz・Anton・Ries (1755-1846) は、
Bonnボンで、Beethoven ベートーヴェン (1770~ 1827)の先生だった
ヴァイオリン奏者、指揮者です。
Beethoven が、16歳で最愛の母を亡くし、暴力を振るう酒乱の父と、
苦しい荒んだ日々を送っていたころ、彼を、
自分の家にたびたび招き、暖かい家庭の味を振る舞うなどして、
心身から支えたのが、 Franz・Anton・Ries でした。
愛情に満ちた人でした。
★私が読みました伝記には、 「 Riesリース先生 」 という言葉で、
何度も現れます。
Riesは、五男五女の子宝に恵まれました。
★その長男が、Ferdinand Ries です。
現在、作曲家としての評価が高まってきており、
盛んに、作品が出版されつつあります。
https://www.academia-music.com/academia/m.php/20130703-1
彼は、ウィーンViennaで、Beethoven の下で学び、
後に、Beethoven の秘書も務めます。
私の伝記では、彼は 「 Ries リース君 」 として登場します。
★Beethoven は、リース君にピアノは教えましたが、
作曲は、Albrechtsberger アルブレヒツベルガー を、
紹介します。
Albrechtsberger は、当時、最高の音楽理論家で、
Beethoven も、彼から、対位法を学んでいます。
★私は、 Beethoven の気持ちがよく分かります。
恩師の長男に、心を込めてピアノを教えました。
しかし、 「 作曲は教えるものではない。自分で獲得するものである 」
と、思っていたのでしょう。
そして、当時の最高の先生を紹介し、基礎的な理論を学ばせました。
後に、 「 リース君 」 は、イギリスに渡り、晩年の Beethoven を、
経済的に支えていきます。
★「 Musikverlag Ries & Erler Berlin リース&エアラー社 」 の、
設立者である Franz Ries は、 「 祖父 Franz Ries 」 の五男の息子です。
Ferdinand Riesは 、 「 祖父 Franz Ries 」 の長男ですから、
叔父にあたります。
★二代目社長の Robert Ries (1889-1942) は、1930から1933年まで、
Verband Deutscher Musikverleger
ドイツ音楽出版社連盟の会長を、務めています。
日本の岩波書店のような老舗です。
★お話しは変わりますが、岩波の 「 図書 」 2014年 1月号に、
瀬戸内寂聴さんの講演が、掲載されていました。
とても興味を引かれる指摘が、ありました。
≪ いま売れている本は、あてにならない。いま売れに売れている人も
いますし、私もいくらか売れていますけれども、
売れる本がいい本じゃないんです ≫
≪ 100年後なんて、すぐ来ますよ。自分が生きて、
もうすぐ100年ですからね。振り返ってみたら、「ああ、短いな」と、
思います ≫
★≪ 生々流転、仏教では全てが変わることが根本思想です。
全ては変わるんですよ。
だから、いまの状態は全て変わると覚悟してください。
変わらないのは、本当に立派な本ですね。
それから、いい音楽、いい絵画、いいお芝居、
そういうものは変わらないで、
そのまま伝えていかなくてはなりません。
それが文化です。
古典です。
文化が死んでいくなら、その国は滅びます。
皆さん、どうか日本の文化を守ってください ≫
★私の作品は、幸い、捨てられることはなく、
「 Musikverlag Ries & Erler Berlin リース & エアラー社 」 が、
出版してくださったのですから、
これから、 「 楽譜 」 として残ることでしょう。
「 時 」 の判断を、仰ぐことになります。
★私の作品の CD 「 無伴奏チェロ組曲 4、 5、 6番 」
Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
全国の主要CDショップや amazon でも、ご注文できます
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