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■≪インヴェンション・アナリーゼ講座≫全15回が終了しました■
09.12.4 中村洋子
★昨年6月から、カワイ表参道で続けていました、
バッハの≪インヴェンション・アナリーゼ講座≫が、
本日、終了しました。
インヴェンションとシンフォニア全30曲を、1年半かけて、
皆さまと、じっくり学びました。
★本日の朝も、電車の不通という困った事態が起きました。
にもかかわらず、汗をふきふき、駆けつけてくださった方や、
“最終回ですから、なんとしてでも聴きたい”という熱心な方、
“当ブログの愛読者です”と、お声を掛けてくださった方など、
いつもにもまして、たくさんの方々が、ご出席されました。
このような皆さまに支えられて、全15回を完走できました。
お礼申し上げますとともに、大変、感動しております。
★きょうは、インヴェンションとシンフォニアの15番を、
詳しく見ると同時に、インヴェンション全曲の、
曲の関連性についても、お話しました。
インヴェンション1番を、全曲の「前奏曲」と見るならば、
シンフォニア15番は、「コーダ(結尾部)」と位置づけられます。
インヴェンション15番の、テーマを基に、
シンフォニア15番のテーマが、紡ぎだされています。
インヴェンション15番とシンフォニア15番は、
一つの楽曲と、みなすことも可能です。
★インヴェンション15番は、「2声」ですが、
3回の主題の提示があり、あたかも、
「3声のフーガ」の、第一提示部のようです。
シンフォニア15番は、「3声」ですが、曲の開始の6小節間は、
2声部しか現れず、休止している3声部目の全休符を、
バッハは、あえて、手稿譜に記譜していません。
2回提示されるテーマの関係は、同度(正確には1オクターブ)で、
フーガの主題と応答の関係である「5度」では、ありません。
まるで、インヴェンション1番のようです。
★最後の15番で、「2声のインヴェンション」を、
「3声楽曲」のように、
「3声のシンフォニア」を、「2声楽曲」のように、
とても、ユーモアに満ちた作曲をしたバッハ。
その作曲技法の凄さに、感服しました。
★お弟子さんや、息子たちのびっくりした顔を、
にこやかに、満足気に見守るバッハの横顔が、
目に浮かぶようで、
彼の暖かい家庭の団欒が、彷彿とされます。
★また、本日は、バッハと、
ドメニコ・スカルラッティとの関係について、
少し、お話いたしました。
バッハ、ヘンデル、スカルラッティの3人とも、
同じ、「1685年生まれ」です。
伝えられるところによりますと、20代の初めの、1708年、
ヘンデルとスカルラッティは、コンテストに参加し、
ヘンデルがオルガンで、スカルラッティは、
チェンバロで、優勝したそうです。
二人は、お互いを、認め合った間柄でした。
★ヘンデルを、尊敬していたバッハですから、
スカルラッティについても、若い頃から、その作品を注視し、
研究していたことは、想像に難くありません。
★本日は、さらに、バッハが息子のフリーデマンの教育用に、
「平均律クラヴィーア曲集」1巻の、前半12の「前奏曲」を、
難しい箇所を省略して、インヴェンションやシンフォニアと、
同時に並行して、教えていた、ということもお話しました。
★このバッハの教育方法を、是非、皆さまがバッハに親しむ際や、
生徒さんに教える際に、お使いいただきたいと、思います。
ただし、楽譜は、編曲されたり、簡易版ではなく、
必ず、原典版(Urtext)を、ご使用ください。
★この方法は、作曲者本人であるバッハが、
自ら、採用していたのですから、
自信を持って、皆さまにお薦めできます。
★来年から、始まります「平均律クラヴィーア曲集」講座では、
いつも、≪インヴェンションとの関係≫を、念頭に置き、
だれもが親しめる「平均律クラヴィーア曲集」を、
目指して、講座を進めたいと思います。
(野草の花)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
09.12.4 中村洋子
★昨年6月から、カワイ表参道で続けていました、
バッハの≪インヴェンション・アナリーゼ講座≫が、
本日、終了しました。
インヴェンションとシンフォニア全30曲を、1年半かけて、
皆さまと、じっくり学びました。
★本日の朝も、電車の不通という困った事態が起きました。
にもかかわらず、汗をふきふき、駆けつけてくださった方や、
“最終回ですから、なんとしてでも聴きたい”という熱心な方、
“当ブログの愛読者です”と、お声を掛けてくださった方など、
いつもにもまして、たくさんの方々が、ご出席されました。
このような皆さまに支えられて、全15回を完走できました。
お礼申し上げますとともに、大変、感動しております。
★きょうは、インヴェンションとシンフォニアの15番を、
詳しく見ると同時に、インヴェンション全曲の、
曲の関連性についても、お話しました。
インヴェンション1番を、全曲の「前奏曲」と見るならば、
シンフォニア15番は、「コーダ(結尾部)」と位置づけられます。
インヴェンション15番の、テーマを基に、
シンフォニア15番のテーマが、紡ぎだされています。
インヴェンション15番とシンフォニア15番は、
一つの楽曲と、みなすことも可能です。
★インヴェンション15番は、「2声」ですが、
3回の主題の提示があり、あたかも、
「3声のフーガ」の、第一提示部のようです。
シンフォニア15番は、「3声」ですが、曲の開始の6小節間は、
2声部しか現れず、休止している3声部目の全休符を、
バッハは、あえて、手稿譜に記譜していません。
2回提示されるテーマの関係は、同度(正確には1オクターブ)で、
フーガの主題と応答の関係である「5度」では、ありません。
まるで、インヴェンション1番のようです。
★最後の15番で、「2声のインヴェンション」を、
「3声楽曲」のように、
「3声のシンフォニア」を、「2声楽曲」のように、
とても、ユーモアに満ちた作曲をしたバッハ。
その作曲技法の凄さに、感服しました。
★お弟子さんや、息子たちのびっくりした顔を、
にこやかに、満足気に見守るバッハの横顔が、
目に浮かぶようで、
彼の暖かい家庭の団欒が、彷彿とされます。
★また、本日は、バッハと、
ドメニコ・スカルラッティとの関係について、
少し、お話いたしました。
バッハ、ヘンデル、スカルラッティの3人とも、
同じ、「1685年生まれ」です。
伝えられるところによりますと、20代の初めの、1708年、
ヘンデルとスカルラッティは、コンテストに参加し、
ヘンデルがオルガンで、スカルラッティは、
チェンバロで、優勝したそうです。
二人は、お互いを、認め合った間柄でした。
★ヘンデルを、尊敬していたバッハですから、
スカルラッティについても、若い頃から、その作品を注視し、
研究していたことは、想像に難くありません。
★本日は、さらに、バッハが息子のフリーデマンの教育用に、
「平均律クラヴィーア曲集」1巻の、前半12の「前奏曲」を、
難しい箇所を省略して、インヴェンションやシンフォニアと、
同時に並行して、教えていた、ということもお話しました。
★このバッハの教育方法を、是非、皆さまがバッハに親しむ際や、
生徒さんに教える際に、お使いいただきたいと、思います。
ただし、楽譜は、編曲されたり、簡易版ではなく、
必ず、原典版(Urtext)を、ご使用ください。
★この方法は、作曲者本人であるバッハが、
自ら、採用していたのですから、
自信を持って、皆さまにお薦めできます。
★来年から、始まります「平均律クラヴィーア曲集」講座では、
いつも、≪インヴェンションとの関係≫を、念頭に置き、
だれもが親しめる「平均律クラヴィーア曲集」を、
目指して、講座を進めたいと思います。
(野草の花)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲