今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

カーテンコール 6

2005-11-15 16:45:56 | タイムリーヒット
刺身の方だけ、食べてみたかったな。

映画が娯楽の中心だった時代、満員の映画館の幕間で芸をして笑いをとっていた一人の芸人がいた…。「三丁目の夕日」で大泣きして、ノスタルジーモードに入っていた俺にはど真ん中直球。さらに映画、芸人と好きなジャンルが集まったお子様ランチのような映画だと思って見に行った。

序盤はよかった。藤井隆のキャスティングは最高だったし、彼のお客さんを見つめる暖かい笑顔は客席を幸せな気分にしてくれた。しかし、途中から別の要素が入ってきて大きく映画は進路を変えた。そう、在日の問題だ。

映画を作る上で娯楽性と同時に訴えたいテーマというのは大事な要素だと思う。ただ、バランスが難しい。テーマが薄すぎて気づいてもらえなかったらしょうがないし、逆に強すぎたら説教くさくなってしまう。「半落ち」「チルソクの夏」…どちらかといえばテーマが強すぎるのがこの監督の特徴だけど、今回は「貧しくても夢を持って頑張ってた家族、それに救われていた古きよき日本」と「在日差別」という毛色の全くちがう2つのテーマを一気に見せようとしてしまっていた。「刺身と石焼ビビンバ定食」じゃないけど、欲張りすぎ。どっちかだけで成立するのに無理して同じお盆に乗せちゃったもんだから、何ともバランスの悪い結果になってしまったと思う。

昭和後期は斜陽になってきた映画館だけど最近は結構込み合ってるし、勢いを取り戻しているように思う。だからお笑いブームでデビューしてもなかなか出番のない今、幕間芸人を復活してみたら面白いのに。彼とかいいと思うわ「ちょうど時間になりました…」って
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