共鳴とか、共生。
今年春に92歳で亡くなったピアニスト、フジコ・ヘミングの晩年を撮ったドキュメント。波乱万丈だった人生のあゆみや今の気持ちを語る。撮影はここ数年だから当たり前だけどヨボヨボ。でも歩行器でピアノにたどり着き、座って鍵盤に指をかけた瞬間の変貌に驚かされた。よくうまいジャズピアニストとかの演奏を見たとき、ピアノが幸せそうに歌っているように見えることがある。でもその場合、歌わせているのは演奏者で、そのエネルギーがピアノに伝わっている感じがする。それが彼女の場合違う。一方的なものでなく、双方向。エヴァでいうシンクロがピアノとの間で起こっていた。その秘訣は彼女が最後まで持ち続けていた子どものような好奇心、探求心だったのかも。90歳で宝物集めてるバアさん、あんまおらんで。