確かに松雪のなまめかしさは際立っていた。ただ最後まで誰にも感情移入できないまま終わってしまった。柄本さんの息子の演技を誉める声もあったけど、おれには？？？だった。人懐っこいふりして実は心開いていないって、演技じゃなくて見た目そのものだから。唯一よかったのは最近のイチオシ女優、余貴美子くらい。今回はジャガー横田みたいだった。ホンマよう化けるわ。
町の事業として、となり町と戦争します。シチュエーションコントのような設定には驚かされた。役所仕事だから偵察の燃料代に領収書が必要だったり、報告書に訂正印がないと認められないのは面白かったけど、観客にも戦闘の気配を全く見せずにあそこまで引っ張るのはしんどいと思う。だけど、それでもこの映画全体をもたせていたのは、原田知世の存在だ。現実と設定のゆがみを一人で背負い、感情を押し殺して業務に徹する。みていて、ほのおかしい気分になれたのは彼女の頑張りのおかげだと思う。次回は町の中の癒着とか勢力争いなんかもからめると面白いかも。
かなり前に公開されていたこの映画を今までみなかった理由はその邦題だ。C級AVのようなダメダメタイトルだが、見てみて納得した。結構合ってるやん！史上最高にパワフルなのに、全く人間のできてないスーパーウーマンの引き起こす桁ちがいの痴話ゲンカ。あそこまで振りきっちゃえば、くだらなすぎて面白いわ。考えたらスーパーマンもスパイダーマンもバットマンも基本的にいいヤツだもの。バカに刃物じゃないけど、超能力も与える人選ばんと大変なことになるという例。浮気したらあんなモノ投げ込まれるなんて！
予告を見た時は期待してたのになぁ。10万の敵に1人で立ち向かうって、指揮するだけだったら凡人でもできるわ。それでもあっと驚く智略を見せてくれたら納得もできたけど、作戦も結構普通だし。蒼き狼との差はアンディと反町の演技、あと弓隊の隊長がソフトバンク川崎選手に似てた分のポイントかな。
最近ブロードウェイのミュージカルのいい映画化が続いている。シカゴ、オペラ座、プロデューサーズ・・・それらに比べれば歌手が主役のこの作品は画的にはどうしても寂しくなってしまう。ストーリーにだって真新しさはない。でもそれを凌駕する歌のチカラには圧倒された。バンドやゴスペルものの一体感やグルーヴ感でなく、ひとりが体全体を使って産み出す空気のうねり。ちょっと高くなるとすぐ裏声になる日本の自称アーチストはあれ聞いたらどう思うんだろう？あれでオーディション番組上がりの映画デビュー作だってんだからアメリカは層が厚いわ。ただ顔はまんまジャイ子だから、アニキのリサイタルは勘弁してほしいけど。
それほど期待はないが年に1度くらいくるのを待ち望んでいる、安心して楽しめる映画。それがここ数年のジャッキー作品だ。CG全盛の時代、いまさらアクションには驚きはないけど、あれを50過ぎのおっさんがスタントなしでやっていることを考えたら本当にすごい。あともっと驚くのは20年以上全く変わらない軽妙なジャッキーのキャラクター。普通もう少し貫禄とかでるやろ。そんな彼が引き起こすちょっと暖かい人情アクション。フラれこそしないけど、やっぱり寅さんだわ。
ハリウッドにしては地味なタイトルだなあと思ってたら、内容も地味というかヒネリひとつなく、逆にビックリした。もうひとつビックリしたのは毛貧いや、ケビン・コスナー。ウォーターワールドの時は濡れると岩海苔みたいだったのが、今回はちゃんとしていた。さすが稼いでるだけ、いいヤツ載せてるわ。え、もしかしてCG？
俺は赤肉も白肉も大好きだ。だから見る前の特上カルビ並の期待感が、網から上げるタイミングを失って焦げていくばかりなのを見ているのは寂しい、というか腹立たしかった。うまそうな肉のシズル感はバッチリだし、大笑いした拷問シーンなど光るシーンはある。でもミスター味っ子まんまのストーリー、分かりやすいけど薄っぺらいキャラ。あとで見たら監督はCM屋さんらしい。15秒や30秒ならインパクトで行っちゃえるだろうけど、それだけじゃ2時間はもたないわ。劇中の韓老人がそうだったように焼肉ってもっと深いもんじゃなかったの？みおわって焼肉屋に足が向かなかった、それが全てかもしれない。
かあちゃんって不死身だと俺も思ってた。全編を通じて迫ってくるのは母親の強さと大きさ。井筒監督の弟子筋だけあってテイストはまんまだが、井筒さんには照れて撮れそうもないオカンヘのストレートな感情が剥き出しになってて、若さがいい面にでていたと思う。やはり大竹しのぶはすごい。新宿駅のシーンなんてゾクっとしたわ。
嗚呼、めくるめく「やぐら茶屋CM」の世界！当時は田舎の高校生でなんの恩恵もなかった俺。でもなつかしいものの連発に細かいストーリーのアラとかツメの粗さなんてどうでもよくなり、実体のない楽しさのバブルに浸っていた2時間だった。欲を言えばもっと当時の街とか流行りもんをしっかりみたかったわ。テーマパークがあったら行きたいし、洗濯機でも何でも入るから行けないかなぁ！レッツ飲みニュケイションの時代。
上映中ずっと2画面ワイプのまんまという実験的な作品。試みはすごく面白いと思ったから見にいったのに脚本がつまんなすぎ。はじめは口説く男と口説かれる女のやりあいに見えたのに、全貌が見えてくるにつれてガッカリする展開ってどうよ？こういう駆け引きものの場合、どうせなら3分割して、両ワキでお互い考えていることを見せた方がええんちゃうか？両者の心のパラメーターをデータ放送で見せるドラマなんてのも面白いかも。
プラダを着たなんとかみたいな、都会の自称疲れたOL向け「つかの間妄想」映画。展開はベタベタだし対比ストーリーとのバランスも悪いので、途中から気になるのはキャメロン・ディアスの目尻の皺ばかり。あといい加減、仕事頑張ってる女性像つくるのにカタカナ職業持ち出すのやめたらいいのに。でもああいう嘘臭さ満開のおとぎ話の方が女子にはウケるんだろうなあ？
今話題の関テレが数年前から趣味のようにつくり続けている「大阪」映画。まいどまいど下町の人情とかおばちゃんのパワーとかがテーマだし、スケールやトーンも変わらんし飽きてきた。さらに今回はホリプロがらみで無駄なラブストーリーまでねじこんだから、ワケわからなくなっちゃってるし。大阪が東京に対して誇れるもんてそれしかないんだろうか？捏造しなくてもいいから、もうちょっと考えたい。
夢を持たない人間はキャベツとおんなじさ。普通だったら言い過ぎだろう。だけど髪の毛は真っ白、でも瞳は子供のままのジイさんに言われると説得力がある。こういうロードムービーには珍しく、出会う人全てが協力者になってしまうのはストーリーとしては物足りなかったけど、地球の裏側からやって来るだけで充分な壁になってるもんな。この作品だけじゃないけど、どうも最近元気なのは中高年ばかりだ。若者よ、この熱さは見習うべきところがあるぞ。醒めて見てるのは無難だけど、決してカッコよくはないと思うが。
ロッキー4を見たのは中学の時だったろうか？ソ連の殺人マシン、ドラゴをぶったおしたロッキーに熱くなったのを覚えている。あれから20年弱、まだリングに上がれる体のスタローンは確かにすごい。調べたら還暦、チャンチャンコの年だもの。当たり役を得てその役から逃れられない典型みたいな俳優だが、この作品を年金がわりに是非幸せな老後を過ごしてもらいたい。チャレンジする機会を奪う権利なんて誰にもない、それはそうだ。だけど今の高齢化社会、これに刺激されて村田兆治さんとかアニマル浜口さんはじめ、団塊世代が現役復帰するとか言い出したら、いろいろ話がややこしいだろ。
