今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

マラソン 5

2005-07-15 01:08:43 | タイムリーヒット
すごく悪口言いにくい映画だよなぁ・・・。

韓国で500万人が涙したというコピー。自閉症の主人公がマラソンを見事に完走したという実話がベース。「これで心動かないヤツには良心があるのか?」「泣かなきゃ人でない」みたいな「感動の完全包囲網」でずんずん攻め込んでくる作品だったが、正直イマイチだった。

障害者の扱いというのは特にエンターテインメントにおいて、とても難しいと思う。もちろん差別しろとは言わないが、障害を持っている=純粋みたいな単純な図式には大いに疑問を感じる。障害を持っている人達だって健常者と同じ人間だ。酒飲んで暴れもするし、恋もするし、卑怯な悪だくみだってするだろう。それを「自分たちより欠けているところがあるから、心は汚れてないに違いない」みたいな設定で決め付けるのは、彼らを明らかに自分たちとは別世界に置いた逆差別でしかない。社会を啓蒙しなくてはいけない映画で暗に「これは私たちと違う人達ですよ。ちゃんと逆差別しましょう」って呼びかけ、それを見て感動しているお客さんがいる。でも同時に障害者との実際の心の距離は広がるばかり。何かおかしくないか?

そんなわけで最後まで映画には入り込めなかったのだが、一つだけとても気になったセリフがあった。自閉症の主人公を20年育ててきた母親が飲酒運転の罪を償っているコーチにはき捨てた「あなたに20年罪を背負ってる気持ちがわかりますか?」だ。子供を産み、育てるというすばらしいことが罪としか感じられない過酷な状況。想像すればするほど、親として何ともいたたまれない気分になった。
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スターウォーズ エピソード3 7

2005-07-14 00:09:19 | 逆転サヨナラHR
基本的にオチのわかってる物語はあまり好きではない。水戸黄門しかり、インファナル・アフェアの2以降しかり。絶対死なない主人公のピンチは見ててドキドキしないからだ。
だからこの作品も、どう辻褄あわせるかだけに注目していただけだったけど、見てビックリした。あとづけ大王もここまでやれば立派なものだ。

28年前、半ば自主映画のような形で作られたというエピソード4。映像は全世界のSFファンの度肝を抜いたがシナリオは浅くファミコン時代のRPGレベル。ルーカスだってまさかホントに6作作ることになるとは思ってなかったに違いない。それが序盤3作、そしてインディージョーンズシリーズのヒットで儲けたおっちゃんが16年も経ってから前代未聞の「時間戻し」を実現。当然技術は目覚しい進歩を遂げているから映像的にもすごく説得力のある後付けキャラ設定が可能になったわけだ。

今作のカギはあのアナキンぼうやがどうやって「シューッのおじさん」になるかと言うところだったわけだが、なるほど俺でもダークサイドに堕ちるわ(初めから堕ちてるというウワサもあるが)と思う理由が用意され、納得いった。

ただ、その約束を破られた彼が何も怒らないのと、緑の小爺が強すぎることについては疑問を感じた。でももう一回エピソード4見たいなと思ったのは事実だから、よく出来た予告編だと思う。

余談の部屋)夏の高校野球予選の時期だが、雑誌を見ていて岡山の関西(かんぜい)高校にダースくんというインド人とのハーフの選手を発見した。黒いヘルメット被って、赤い金属バット持って出てほしいなぁ(禁止されてるけど・・・)
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ダニー・ザ・ドッグ 7

2005-07-11 01:19:08 | 逆転サヨナラHR
頑張れ!ウォン・フェイフォン

年のせいもあって、目がチカチカするカット割のアクションしかできないジャッキーと違い、ジェット・リーは常人では考えられない身のこなしができる本物のアクションスターだと思う。

しかし、皮肉にも彼らがハリウッドに持ち込んだワイヤーアクションによって、ポッと出の俳優やムキムキだけがとりえのオッサンでもある程度のアクションはこなせるようになってしまい、本来の実力とはかけ離れた不当な扱いを受けている。ジャッキーは大抵「ちょっと強いうっかり八兵衛」だし、この作品のジェット・リーなんてついにイヌだ!脚本を書いたフランス野郎の黄色人種蔑視がとてもよく現れた設定だと思う。

確かに動きは素早いけど、男前でもないしちっこくて英語はヘタ。でもこの映画でリーは輝いていた。しかも得意のアクションでなくその演技でだ。

子供のときに誘拐され、殺人犬としてのトレーニングしか受けていないためダニーは最初、言葉もほとんど知らないし、感情も理解できない。それが親切な人達に出会い、だんだん人間らしくなっていくという話なのだが、とにかくセリフは少ない。主役なのに始まってから10分くらいセリフないし、やっと喋ったら「Yes」だけ。でもその分何で演技していたか?眼だ。

殺人マシンの時の怒りを帯びた眼、戦い以外の時の生気のない眼、新たな世界への興味を示し始めた眼、新しい家族に向けた愛情たっぷりの眼、そして一人ぼっちの時の捨てられた子犬のような眼。調べてみたら今年で42歳。あの年であんな純粋な眼を持ってる俳優は毛唐にはいるわけがない。

確かに欧米に実質支配された映画界で勝ち上がっていくのは並大抵のことではないと思う。でも彼には「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」で演じたウォン・フェイフォンのように西洋支配の世界から立ち上がり、人々の希望になってほしい。

追記)モーガン・フリーマン、最近出すぎ。お前はハリウッドの岸部一徳か!
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シンデレラマン 9

2005-07-09 00:02:18 | ノーヒットノーラン
今、この時期にこの映画に出会えてよかった。

すごく簡単にいうと「家族のために戦うオッさんボクサーの話」。多分、独身時代に見ていたらこんなに評価は高くなかっただろう。でも結婚し小さな怪獣が毎日家で暴れまわる現在、とても他人事とは思えない物語だった。

不況のため一時は生活保護を受けた中年ボクサーがのし上がり、チャンピオンになっていく姿に人々は夢を託し、シンデレラマンと呼んだ。この実話のすごいところは、彼がしたのが「ただ大切な家族を守るためにしたこと」だったというところだ。

父の帰りに小躍りして喜ぶ子供たちの笑顔、貧困のあまり子供たちと引き離されそうになった時のなんともいえない表情、そして彼が妻に言ったセリフ「リングの中での痛みなら耐えられるんだ」。母は強しなんてよく言うし、確かに強いけど父だって負けたもんじゃない。無責任に子供を作って、自分より弱いものに手を上げ虐待するバカオヤジども、見とけ!これが本当の強さだ。

強く、正しいオヤジの背中を息子に見せてやろうと意気込んで家に帰ってきたら、後ろから嫁さんに怒鳴られた。「靴が脱ぎっぱなし!ちゃんと揃えてっていったでしょ!」・・・オヤジへの道、ちょっと険しそうだ。
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イン・ザ・プール 8

2005-07-05 01:01:42 | 逆転サヨナラHR
青島だぁ!

人は大概、それぞれヘンな癖や、他人には話せない秘密をもってるくせに、自分では普通だと思ってる。それが進行してしまうと社会生活に支障をきたす「病気」になってしまうわけだが、それを今までのように深刻に考えたり、同情したりせず笑い飛ばしちまえ!ってのがこの作品だ。

観客は勃起が止まらない2枚目や、強迫神経症の編集者を見て「アホや!」と思いつつ、頭のどこかで自分の近い部分を思い出しながら笑う。それに油を注ぐのが主人公の精神科医、伊良部一郎だ。この男、「苦しむというよりはちょっと困ったことになっちゃってる」レベルの患者だとはいえ治療する気ゼロ。それどころか患者の弱みにつけこんで遊び倒す、現実にいたら最悪の医者なのだ。

実際病気で苦しんでいる人にとっては「ふざけるな!」だろうが、このむさくるしい40男の無邪気さと、それを本当にイキイキ演じている松尾スズキに気づいてしまうと、もうダメ。「もっとやれ!もっと追い込め」見る側のココロをダークサイドに引きずり込んでいく。

・・・ここまで書いていて気づいた。そうや!「意地悪ばあさん」や。昔懐かしい「月曜ドラマランド」で、後に都知事にまでなったおっさんが、三波春夫の息子やイッセー尾形のおまわりさんをいじめ倒してた。あの名作もシリーズ化されたけど、このシリーズもヘンな患者には困らないだろうから是非次回作を期待したい。

ヒネたことばかり書いてるお前こそ、ヘンな趣味とかあるんちゃうんかって?確かにプールではないけど、スクリーン依存ではあるような気がする。ダメな映画こそ見に行ってしまう・・・助けて!
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逆境ナイン 6

2005-07-03 02:02:32 | タイムリーヒット
内容?ゼロ。感動?もちろんゼロ。ただ「少林サッカー」みたいな事やりたかったんやろうなぁという気持ちがよくわかる映画。

オシャレさんが笑いのセンスもあるフリをして褒める「おバカ映画」とは全然レベルの違う「くだらなさ(褒め言葉)」をまっとうし、映像化した点はすばらしいと思う。ただマンガが原作のせいか、わかりやすすぎる表現が多かったのが玉にキズだ。(「手抜き学園」はないやろ。それこそ手抜きだ)

MVPは主人公でもヒロインでもなく校長役の「藤岡弘、(なんで『、』が付くのか誰か教えて!)」。無意味に岩の上に立ってるだけで笑えてしょうがなかった。やっぱり校長じゃなくて仮面ライダーだったわ。

でも、公開初日の初回を見に行ったのに観客は10人くらいだった。・・・これももしかして「逆境」なのか?
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宇宙戦争 4

2005-07-02 01:34:28 | デッドボール
奇面組ちゃうねんから!

スピルバーグが久しぶりに作った超大規模「鬼ごっこ」。138億円もかけて作ってるから映像はすごいわ、確かに。

でも、見終わって「リリーフ登板して牽制球1球で勝ち投手になったピッチャー」みたいな微妙な気持ちにさせられたのは何故?

予算が大きくなって風呂敷広げるのはかまわないけど、自分で持てる大きさにしといたほうがいいわ。ありゃずるい、夢オチなみだわ。
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サハラ 死の砂漠を脱出せよ 4

2005-07-01 01:03:07 | デッドボール
ウチの息子(6ヶ月)にはピッタリ?

全米で大ヒットしている冒険シリーズ小説が初の映画化っていうから見に行ったのに、場面の派手さとわかりやすさ以外には全く取柄のないペラペラ映画だった。
ひたすらどこかで見たようなアクションシーンが続き、どこかで聞いたような悪者がわかりやすくやられる。それでもアフリカへのわかりやすい不安感と蔑視、地球を守るために我々は行動しているという自意識過剰な世界の警察意識、世界最強の国アメリカの持つアホな気持ちが出てるなぁと思ってたら、140億円もかけたわりには本国でもコケて原作者にも訴えられたそうだ。

民族も宗教も知識レベルも多種多様なアメリカ人、ハンバーガーは喜んで食っても、それを柔らかくしすぎて味を抜いた豪華離乳食には、さすがに興味がないらしい。
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