僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

ナイアガラ

2009年03月01日 | 旅行

1月にカナダのナイアガラとトロントへ旅行したときの写真をご紹介します。

ナイアガラの滝と言えば、カナダとアメリカ合衆国にまたがる有名な滝ですが 、本来は5月以降に行くべきでした。1月のナイアガラなんて寒過ぎるし、もちろん観光シーズンからも大きくズレており、滝を船から眺める名物の「霧の乙女号」も出ていない。しかしこの旅行を計画したときは、3月末に定年退職した以降も再雇用で仕事に行くつもりだったので、行ける時に行っておこう…ということで、休暇の取りやすいこの季節を選んだのでした。再雇用を取りやめ、4月からフリーになることとなった今に思えば、もっといい季節になってから行けたのに。わざわざこんな雪と氷ばかりの季節に出かけるな~んて、失敗だったなぁ、と思ったりしました。

しかし他方、ふだんは観光客でごった返すと言われているナイアガラの滝を人影のない中で静かに見ることができたのは、これはこれで貴重な経験でした。

ナイアガラ滝を案内してくれた、ヨン様そっくりの韓国人のガイドさんが、
「夏などは大混雑で、1時間も2時間もここで並ぶのですよ」と何度も言っていました 。大自然の勇壮さを、ゆったりと肌で味わうことができたのは 、むしろこの季節ならではの恩恵を受けた…と言えるかも知れません。

ナイアガラもトロントも、氷点下のさむ~い白銀の世界でしたが、それなりの深い印象を受けて戻ってきました。下手な写真ですが、旅の雰囲気のひとかけらでもお伝えすることができればな、と思います。

 

   
   
ナイアガラの滝 (この写真は、公式HPから転載したものです)

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1月8日。関空から12時間飛行機に揺られ、デトロイト空港に着く。
ここで、トロント行きの飛行機に乗り換える。
デトロイトはアメリカ合衆国だから、入国審査がある。
乗り換えするだけなのに、この審査がまた厳しいのだ。
僕はいっしょに行った義姉に
「何を聞かれても『トランジット・トロント』とだけ繰り返すのですよ」
と、何度も念を押す。僕たち夫婦は2人いっしょに審査を受けられるが、義姉は別世帯なので、一人で審査を受けなければならない。
幸いにしてトラブルもなく、米国に入国した。…といっても同じ空港内だ。いったん受け取った荷物を再び預けて、トロント行きの便が何番ゲートから出るかを探す。だだっ広い空港である。頭の上を、赤いモノレールが走っていた。


 
   
デトロイト空港。 右上に赤いモノレールが走っている。


デトロイトからは飛行機で1時間半足らずでトロントに着いた。
ここで旅行社の現地案内人が迎えに来てくれた車でホテルへ行く。
トロント空港からナイアガラ滝までは、車で1時間半程度かかる。
ホテルに着いたときは、とっぷりと日が暮れていた。

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ちなみに、ナイアガラやトロントの位置はこんなふうになっている。


 


アメリカ合衆国とカナダとの国境に連なる五大湖のひとつエリー湖から、ナイアガラ川という大きな川が流れ出している。川はその先ある同じく五大湖のひとつオンタリオ湖に注ぐのであるが、その途中にナイアガラの滝がある。

滝は、幅広く広がったナイアガラ川が、せまい峡谷に入る入口にあり、真ん中にあるゴート島という島で二分され、西に馬蹄形のカナダ滝、北東にアメリカ滝がある。

カナダ滝は幅約800メートル、高さが54メートル。
アメリカ滝は幅300メートル、高さ56メートル、と物の本には書いてある。
この2つの滝をナイアガラの滝、と呼んでいる。
カナダ滝のほうが圧倒的に人気があり、先の公式HPから転載した写真も、カナダ滝である。

さて、ホテルの部屋の窓から2つの滝がしっかり見えるはずだが、僕たちが到着したのは夜だったので、よく見えない。滝は夜にはライトアップされている、とガイドブックには書かれていたが、窓の外の滝の方向を凝視しても、かすかに色がかかっているくらい…しかわからなかった。

参考までに、ガイドブックに出ているライトアップの写真を掲げる。
僕らの部屋の窓からとほとんど同じ位置から撮っている写真だけど…。
実際はこんなはっきりとは見えなかった。


 
   左がアメリカ滝、右がカナダ滝 (資料写真)。


そして翌朝目覚め、急いで窓の外を見ると、滝がはっきり見えた。


 

 
   
これはアメリカ滝。


 
  
 左がアメリカ滝。右端にしぶきが上がっているのがカナダ滝。


部屋からは、アメリカ滝はよく見えたが、カナダ滝は少し遠いうえ、しぶきが空中高く舞い上がっているので、煙のようにしか見えない。だが、ものすごい水の勢いであることだけは、遠目からもわかる。

韓国人の李さんという日本語の上手な現地ガイドさんが車で迎えに来てくれた。さっきも書いたが、この人、ヨン様にそっくりの美男子である。そのヨン様に、さっそくカナダ滝のそばまで連れて行ってもらった。

テーブルロックという展望場所で降りる。
ここはナイアガラ一の見学ポイントで、夏は人でごった返すと言う。
その話がにわかに信じられないほど、いまはほとんど人影がない。

ここはカナダ滝を「かぶりつき」で見る…みたいな場所である。
周囲一面が雪で覆われているが、滝は轟々と水しぶきを上げている。 


 
  
テーブルロックから、滝を覗き込む。

 

 
  背伸びをして撮影するが、これが精一杯だ。


 
   位置を変えて滝の下を写す。 水しぶきやら水蒸気やらでよく見えない。


近くに建物があったので、その2階へ上がって撮影する。
これで、少し滝のイメージが少しわかりやすくなったと思う。

 
 
 関係ありませんけど、この日は僕の60歳の誕生日でした。
   滝の前でぶるぶる震えながら、還暦を迎えました。


その後ヨン様の案内で、建物のエレベーターで地下へ降りて行った。
降りたところは、滝の裏側へつながる洞窟の入口であった。

僕たち4人の他には誰もいない洞窟の中を、歩いていく。


  


やがて、滝の裏側に出た。

 
 

 
  こういうところが、何ヶ所かある。水しぶきだけしか見えない。

  

 
  最後に行った洞窟からは、滝がはっきりと見えた。


圧巻である。水の量と勢いがすごい。

ふう~っとため息をつきながら、元の通路を引き返し、エレベーターで上に上がる。
「では、次に映画に案内します」とヨン様。

連れて行ってもらった映画館は、500席はあろうかという館内だったが、お客は、僕たち3人だけであった。
それでも、僕たち3人だけのために、日本語版を上映してくれた。


   
     ひっそりとした映画館。観客は3人。


ナイアガラ滝に伝わる伝説や、四季の様々な滝の表情などが、大きな画面に映し出されると、この目で見た実物の滝だけではわからないスケールの大きな滝の全容を知ることができた。樽の中に入って滝つぼに突入した勇ましい女性の話や、上流でボート遊びをしていた家族3人が急流に呑まれ、一人は滝に落ちる寸前に見物客に引き上げられ、もう一人の子どもは滝から落ちたが奇跡的に一命を取りとめたという逸話などがスクリーンで再現される。約30分間、ナイアガラ滝の壮大な光景に目を奪われっぱなしであった。

そのあと、川の下流の景色のいいところへ行き、ヨン様は最後にカナダの土産物屋さんへ僕らを案内した。

妻と義姉はビーバーの毛皮の帽子などを勧められていたが、安いものでも3万円以上した。軽くて手触りが良く、暖かかったが、年に数回しか雪が降らない大阪では必要ないだろう。それに高すぎるよね。妻は1800円で買った耳まである毛糸のとんがり帽子を機嫌よく被っている。もちろんビーバー帽子はパス。

僕は職場の人たちのお土産にメープルシロップを10個買った。

「カナダで唯一のブランドは『ROOTS』というのですが、腕時計などはいかがですか…?」
…と、日本人の店員さんが僕のはめている腕時計を見ながら勧めた。僕がこれまで使っていたセイコーの自動巻き腕時計はとても丈夫で20年以上持ったが、最近すぐに止まるようになった。腕をぶるぶる振ったら動き出すが、10分ほどしたら止まる。仕方なく、旅行には、ジョギング用に百均で買ったストップウオッチ付の300円の腕時計をして行ったのだ。その腕時計を、店員はするどく見つめていた。僕は思わず300円の時計を見られまい…と手を隠したが、すでに遅かった。

「いかがですか、 ROOTSの腕時計は…?」
と、店員は僕の足元を見て…いや、手元を見て言ってくる。
「でも、高そうだから…。いくらですか?」
「90ドルです」
「へっ? 90ドル…。じゃ、日本円で8千円ぐらい…?」
「そうです。安いでしょう」と店員はニコニコ。
ヨン様まで横に来て「これ、いいですよ。ROOTSですからね」
とニコニコ勧めるので、値段とニコニコにつられて買ってしまった。

包装してもらいながら、気になったことがあったので尋ねた。
「あのぉ~、電池の交換とか、故障した場合はどうしたらいいの?」

「あ、大丈夫です。中身は全部日本製ですから。日本中OKです」

 …ということだそうです。
       

 

 * 次回は、アメリカとカナダをつなぐレインボーブリッジを
   ご紹介します。橋から見たナイアガラ滝も綺麗でしたよ。 

 

 


 

 

コメント (6)
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