僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

村上春樹と脳減る賞

2012年10月22日 | 読書

「村上春樹は不滅です」という10月12日のブログに、
「青豆さん」という方からコメントをいただきました。

「青豆」という名前は、そのブログにも書きましたが、村上春樹の長編小説、
「1Q84」に登場してくる女主人公で、陰の姿は 「女必殺仕置人」 です。

読むものを魅了せずにはいられない30歳の女性…青豆。
珍しい苗字なのでそれが彼女の悩みの種だったりします。

コメントをくださった「青豆さん」は、女性か男性か存じませんが、
村上春樹を検索してこのブログにたどり着いた、とのことでした。

「全くの初心者です。最初に読む村上作品は何が良いでしょうか?
 お勧めがあったら教えて下さい」

そう、コメントに書いてこられました。

先ほど、一応の返事はしましたが、 どうも自分でも物足りないと思ったので、
続きを、今日のこのブログで書くことにしました。

そんなことで、村上春樹の何から読み始めるか…? ということですが、
原則的には、言わずと知れたことで、何から読んでもいいわけですよね。

読書に 「こうあるべきだ」 というものはありません。
あくまでも自分流に、融通無碍に読めばいいと思っています。

それでも、村上春樹の何から読めば良いでしょうか…?
…と質問されたら、やはり黙っているわけにはいきませんよね。

貧弱な読書遍歴ですけれど、何かのきっかけになることが書けたら…
と思って、頭に浮かぶまま、少し書いてみることにしました。

何度も言いますが、村上さんと僕は、誕生日が3日違いで同い年。

生まれた場所が彼も僕も、京都市内で、これも同じ。

兄弟姉妹が全くいない一人っ子…というのも同じ。

血液型がA型で、またこれも同じ。
村上さんは 「山羊座・A型の呪われた血…」
な~んてどこかで書いていましたけれど、
そんなことはない…と思いたいですよね。

村上さんは早稲田大学在学中に学生結婚をした。
僕も同じく学生結婚だけど、今の妻と知り合ったのは、
早稲田大学ではないが、ワセダ速記学校というところだった。
(ワセダという名前だけは一緒なんだよ~ん)

村上さんも僕もマラソン大会を走る市民ランナーだったけど、
村上さんが初の海外マラソンを走ったのが34歳の時で、
僕が初めて海外のマラソンを走ったのも34歳の時だった。

…とまあ、僕と村上さんは類似点がとても多いのだけれど、
肝心の 「才能」 だけが、天と地ほどの大きな差がある。 

これが致命的なんですよね。 ぐすん

さて、僕は村上春樹を早い時期から読んでいたわけではありません。

その当時、すでに「ノルウェイの森」なども刊行されていましたが、
初めて読んだのは、「風の歌を聴け」という小説でした。

とりあえず僕は村上さんのこのデビュー作から読もうと思ったわけです。

まあ、わりに一般的な入り方ですよね。

続いて「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」
と読み進めるのが、村上春樹に無駄なく接触するための常套手段ではないかと、
まあ、僕は思っているのですが、この4つの作品はいろいろな形でつながり合い、
その作品群を通過すれば、村上作品とより深く付き合えるコツがつかめそうですね。

その次に「ノルウェイの森」などへ行かれると、味わいもいっそう良くなるかと…

いちおうそういう遍歴を経てから、
「国境の南、太陽の西」(僕は特にこの小説が大好きですが…)や、
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」 「ねじまき鳥クロニクル」
「海辺のカフカ」 などを読まれるのも、ひとつの方法ですよね。

しかし、やはりなんといっても 「1Q84」 は、すごい迫力です。
読むのにかなりの体力と気力を要しますが、一番のお勧めです。

いきなりこういう作品から入って衝撃を受けるのもいいかも知れません。

それと、僕は村上さんのエッセイも大好きです。

「村上朝日堂」 シリーズや 「村上ラヂオ」 など数多くのエッセイ、
それと読者とのネットでのやりとりを載せた「そうだ村上さんに聞いてみよう」
…などは、心をウキウキさせ、ついのめり込んでしまいます。
もちろん、笑いのエッセンスも満載です。

また 「走ることについて語るときに僕の語ること」 は、
ランニングをする僕などには、とても楽しく読めました。
(これはdoiron クンに借りて読んだ本だっけ)

また、「回文」を駆使した 「またたび浴びたタマ」 を読むと、
ほんと、村上さん言葉を扱う天才だなぁ…と感心しますね~

いろんな分野で楽しませてくれ、僕の人生に役立ってくれています。

…と、書けばキリがありませんが、以上、簡単にまとめてみました。

最後に、例のノーベル文学賞についてですけれど、
先日の僕のブログで、小説「1Q84」の中にあった、

「精神の鋭利さが心地よい環境から生まれることはない」

という文章を引用して、村上さんがもしノーベル賞を受けたら、
万が一…ひょっとして…心ならずも 「心地よく」 なってしまい、
それこそ「精神の鋭利さ」が磨り減ってしまったら、困りますよね…
と、書きました。 

それから後、何の本だったか忘れましたが、以前、村上さんが、
ノーベル賞のことを 「脳減る賞」 と書かれていたのを思い出しました。

やっぱりねぇ。
村上さんもよくわかっていらっしゃる。

ノーベル賞の受賞は、ある意味で「脳減る賞」になっちゃったりするんだ。

青豆さん。
そ~ゆ~ことで、「私流村上春樹の読み方」 でした。 
少しでもご参考にしていただければ嬉しいのですが… 

今週は、まだ読んでいなかった 「スプートニクの恋人」 を読もうと思っています。

ではね~

 

 

 


 

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