僕は酒井順子さんのエッセイが好きなのですが、先日「泡沫(ほうまつ)日記」という本を読みました。その中に書いてあったことですが、これまで女性の専門分野だった職業に男性が進出してきた…という話がありました。
それを読んで「な~るほどなぁ」と思った次第。
まず、昔は看護婦さんとか保母さんとか、女性だけの仕事だったものが、男性も加わり、それに伴い「看護婦」が「看護師」に、「保母」が「保育士」に呼び方が変わったのがその代表的な例です。ついでの話として「なぜ看護師は『師』で保育士は『士』なんだろう?」とその本に書かれていましたが、言われてみればそうですね。どう違うんだろ? ま、いいけど。
また、化粧品売り場にも男性店員がいて、女性客にメイクをする、という光景も見られるようになったという(ほとんどオネエ系の男性らしいですが)。
そして「某ヨーロッパ系航空会社では男性CAが多い」とも書かれていました。 ここを読んで、この夏に行ったパリ・ローマへの旅行を思い出しました。
あの旅行では、まず関西空港からエールフランス機でパリへ飛んだのですが、その飛行機のCAは全員が男性でした。あ、1人女性がいたっけ。でもチラっと見えただけで、ほとんど通路には出て来なかった。とにかく、男のCAさんたちが乗客のお世話をしてくれるのです。これには少しビックリ。
過去の海外旅行の飛行機の中で、男性のCAに出くわすということはほぼゼロに近かった。機内に男性がいても、その人は、いわゆる昔で言うスチュワーデスの上位職のパーサーで、彼らが食事や飲み物を運んだりすることはなかった。今ではスチュワーデスとは言わず、CA(キャビン・アテンダント)と呼ばれていますけどね。
それが今回のパリ行きの機内のCAは男ばかりで、そういう雰囲気に慣れていない僕としては、何となく殺風景な印象も受けた(まぁ、気分の問題ですけど)。CAの仕事は体力勝負といったところも多いので、むしろ男性のほうが職務を遂行しやすいかも知れない。だから考えてみたら、ちっとも不思議ではないんですけどね。でも、何か違和感を覚えるんだなぁ。
その後、パリからローマへ、そして帰途のローマからパリ、パリから関西空港へと乗った飛行機には、男性CAは全くいませんでした。繰り返しますが「気分の問題」として、やはりCAさんは女性がいいな、という感想は変わりません。
あの最初の飛行機だけが「男だらけ」で、妙に印象に残っていたので、酒井順子さんの文章を読んで「そうそう」と共鳴したんですよね。
酒井さんはその章の最後に、これまでの女性の職業分野へ、どんどん男性が進出するようになってくると、 「そのうち女性下着売り場でも男性店員が応対するようになるのかも」 と書かれていましたが、さすがにそれはないでしょうねぇ。いや、化粧品売り場と同じようなオネエ系の男性だったらOKかも。…か、なぁ?
逆に、これまで「男性の仕事」とされていた分野へ、多くの女性が進出していることもまた事実です。つまり今は「これは男の仕事で、これは女の仕事」と分ける時代ではなくなってきているってことね。
それはそれで理解できるんだけれど。
でも、どこまでそれが広がって行くのか?
ちょっと気になるところです。
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