僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

村木厚子さんの強さ

2010年09月25日 | ニュース・時事

大阪地検特捜部検事のフロッピーディスクのデータ改ざん容疑事件にまで発展した「郵便不正事件」で、被告となった厚労省の元局長、村木厚子さんが、無罪判決のあとに記者会見に応じていた様子を見て、「この人は本当に立派だなぁ」と感心した。日本中のほとんどの人たちが、そう思ったに違いない。

やっていないことを、「やった」と決めつけられ、逮捕、勾留される。
その結果、無罪の判決が下される。
しかも、検事の証拠データの改ざんが発覚した。

こんなことって、ちょっとやそっとで許せることではないだろ。

僕なら激怒して、会見の席では検察に対して、憤懣をぶちまけるだろう。
しかし村木さんは怒りの表情を見せることもなく、淡々と、時には飄々として、感想を述べておられた。この人は、本当の意味で強い人なんだなぁ、と思う。

僕が好きな村上春樹の小説「海辺のカフカ」の一節が思い浮かぶ。

主人公のカフカ少年は、15歳の誕生日に家を出る。
世界で一番タフな15歳になるために旅に出たカフカ少年は、こう言う。

「僕が求めている強さというのは、勝ったり負けたりする強さじゃないんです」

そして…

「不公平さや不運や悲しみや誤解や無理解、…そういうものに静かに耐えていくための強さです」

本当の強さとは、そういうことなのだろう。

村木さんの会見をテレビで見ながら、そんなことを思った。

 

 

 

 

 

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2 コメント

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同じくです。 (のこたん)
2010-10-04 09:19:26
 「村木厚子さん」ほんとうに素晴らしい方ですよね。
 不謹慎かもしれませんが、【かっこよさ】を感じてしまいました。

 「海辺のカフカ」、以前読みかけて、途中で止めてしまいましたので、改めて読んでみようと思います。
返信する
かっこいいですね (のこたんさんへ)
2010-10-08 05:43:35
村木さんの、はにかんだような笑顔を見ながら、ほんと「かっこいい」と思いました。

「海辺のカフカ」は、ぜひまたお読みになってくださいね。
これが世に出たあと、村上春樹は「海辺のカフカ」専用のホームページを作り、読者から感想や質問を募って、それに春樹さんが返事を書いたものをまとめた本も翌年に刊行されました。この「少年カフカ」という500ページに及ぶ雑誌仕立ての本も、なかなか面白いですよ。
ぜひ、お奨めします。

それにしても検察の権威も地に落ちましたね。
村木さんの事件がなければ、実態は闇のまま…と思うと怖いですね。
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