僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

パリ地下鉄のスリ集団に 危機一髪

2019年08月26日 | 旅行

海外への旅行では、日本のやり方が通じなかったり、いろんな不便や不快なこと、そして怖い思いをしたとしても、それこそが旅の醍醐味というものです。

という文章を何かで読んだとき、そうだなぁ、と全く同感でした。しかし、それも無事に帰国してから感じるものであって、その旅をしている間は、やはり不便や不快感、さらに怖い思いというものに「醍醐味」を感じる余裕は、なかなかありません。

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前回に書いたように、エッフェル塔から一番近いRER(近郊電車)に乗ろうと思ったらストで止まっており、その近くの地下鉄駅もシャッターが閉まっていた。仕方なく、長い距離を歩いて別の地下鉄駅を見つけたら、そこは運行していました。やれやれ。

このとき、今から思えば僕はかなり神経が疲れていました。歩いている間、いつ地下鉄にたどり着けるのか? ここは地図ではどのあたりなのか? 

自分一人ならどうということはないのですが、妻と義姉、モミィの3人を連れているだけに、そちらが心配で、心の中で負担を感じ始めたのも事実でした。

駅構内に入り、やって来た地下鉄に乗り、ドアのすぐそばにポールがあるのでそこに両手でつかまったのですが、これがいけなかった。パリの地下鉄はスリが多いので、出入り口に立つのは避けなければならなかったのに、何も考えずにそのポールにしがみついた。頭の中はもうボケボケという感じでした。


 
パリ地下鉄の車内の画像(ネットから)。
真ん中にあるのがドア近くのポール。

僕はここにつかまった。

すると、しばらくして

誰かが僕の手を引っ張った。少し冷たくて女性の手のように感じられた。目の前には金髪の若い女性がいて、目が合った。まさか彼女が僕の手をと思ったら、同時に左右から男たち数人が僕の体を挟むように強く押し付けてきた。

僕は頭が半ボケ状態で「何や? どうしたんや?」と、意味が分からなかったが、僕の手を引っ張る力がグイグイと強くなったので、その力に引かれるまま、男たちから抜け出した。

見ると、僕の手を引っ張っていたのは、ほかでもない、妻と義姉の2人だった。

手を引かれながらポールから離れ、車両の真ん中まで移動したとき、初めて事情が飲み込めた。「スリよ。バッグを狙っていたわよ」と妻が興奮気味に言ったので、見ると、バッグのチャックが4分の1ほど開いていた。が、パスポートなど中に入れていた大事なものは全部無事だった。地下鉄は次の駅で止まり、スリ集団は降りて行ったようだった。

近くの座席に座っていた女性が、僕の顏を見て少し笑った。「無事でよかったわね」という表情だった(見ていたんだ。でも、他人事なんだよね)。

「パリの地下鉄では、子ども連れや若い女性なども交じったスリ集団がいるので十分気をつけるように」と常に意識していた。そして、これまでの4度のパリ旅行では、地下鉄ではまったく問題はなかった。そういうこともあって「自分はパリの地下鉄に慣れているから」という油断と、その時は疲れから集中力を欠いていたこともあり、とんだ災難に遭うところだった。まさに油断大敵だ。

それにしても、自分が守らなければならないはずの妻や義姉に、逆に守ってもらうことになるとはねぇ。ぐすん。

帰国までまだ2日あるのに、しっかりしなければ!

そう自分に言い聞かせながら、地下鉄を降り、ホテルに向かった僕でした。

 

モミィが、帰ってから友達や塾の先生や習い事の先生たちにお土産を配ったとき、旅の様子を聞かれていろいろと話したけれど、僕がスリ集団に襲われそうになった話をした時が「一番みんなが盛り上がったわ~」と言っていました。

まあ確かに話題としては興味をそそります。で、みんな元気に帰国できたので、これも冒頭で紹介した「旅の醍醐味」だった、ということなのでしょうね。

 

  

教訓。
地下鉄でも何でも「慣れ」が「油断」につながります。

(ホテルの最寄り駅「グラン・ブルヴァール」の構内で)

 

 

 

 

 

コメント (2)
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