マラソンをしていた頃、大阪府の南にある河内長野市の奥の奥、和歌山県との県境も近い滝畑ダムへよく行った。河内長野の市街地から山間道路を約10キロ行くとそのダムがあり、周りの景色もよく、キャンプ場も整備されて、なかなかの人気スポットだ。僕にとっても、数々の思い出が詰まった場所である。
今は廃止されたようだが、以前、滝畑ダムを周回するコースで駅伝大会が開催されていた。1周約5キロのコースで、僕たち「松原ランナーズ」のチームも、毎年これに参加していた時期があった。
この駅伝は、高校生から一般まで、すべて一緒に走る。ある時は「〇〇高校野球部」のユニフォームを着た高校生と競り合ったこともあった。中年の身で高校生と競り合うというのが、とても痛快であった。
次男が高校の陸上部に所属していて、その学校も出場した大会があった。その時、僕も出場していたので「親子対決!」と、はしゃいだものだった。
100キロマラソンにチャレンジしていた頃は自宅から、河内長野を経由して、約30キロ先となる滝畑ダムまで走った。河内長野から滝畑ダムまでは登り道だったが、これが特に脚力を鍛えてくれた。そして、駅伝の時には人で埋まっているダム周回コースもその時は人影もなく、そこを一人でトコトコ走り、また同じ道を家まで走って帰った。
その自宅から滝畑ダムへの往復約60キロランが、練習の総仕上げだった。これを完走したら準備はOK。あとは本番の100キロマラソンのスタートラインに立つだけだった。
そんな思い出深い滝畑ダムで、昨日、信じられない事故が起きた。
今朝の朝日新聞の1面です。
男性6人乗りのワンボックス車が、ダム湖に落ちて、乗っていた男性6人のうち5人が死亡したというニュースが報じられたのである。
なんということだろうか。
あの辺は、そういうことが起きないよう、十分に安全にできている。車が車道から外れて、あのフェンスを破ってダムへ落ちるなど、およそ考えられないことだった。よほど異常な運転をしたとしか思えない。バーベキューをした帰りというのだから、運転手はお酒でも飲んでいたのだろうか…?
ゴールデンウィークから、ずっと車の大きな事故のニュースが続いている。車の運転には十分過ぎるほどの注意を払わなければならないことは、みんなわかっているはずなのに、毎日のように悲惨な事故が起きる。
同時に、かつてその滝畑に住んでいた〇北君という友人のことを思い出した。
彼は滝畑ダム近くのキャンプ場で、子どもさんと一緒にローラースケートを楽しんでいた時、足を滑らせて転倒し、頭を強く打った。そして、まだ30代の若さで亡くなったのである。今から30年ほど前のことだけれど、その知らせを受けた時のショックを、昨日の事故のニュースを見て、また思い出した。
本当に、世の中、一寸先は闇である。