つい昨日のこと。
図書館で借りた本をそろそろ返さなければならないので、
本棚の隅に並べてあったそれら5冊の本を確認すると…
4冊しかない。借りたのは間違いなく5冊である。
おかしい。いつも一緒にまとめて置いておくのに。
あちらを探しこちらを探し…してみたが、見当たらない。
わが家のどこかにあるはずなのだが、どうしたんだろう?
落ち着いて考えてみると、思い当たることがあった。
先週の火曜日に、2か月に一度の検査で病院へ行った。
その待ち時間に読むため、1冊をリュックに入れたのだ。
「あ、そうか」と思い出し、さて、どのリュックかと迷う。
お出かけ用、コスパ用、ウオーキング用、買い物用、その他、
僕はリュックが好きなので、いろんなリュックが家にあるが、
病院にはどのリュックを持って行ったのか、忘れた。
で、そこらじゅうのリュックを探したら、やれやれ…
ようやく一つのリュックの中からその本が出てきた。
こんなことが、最近、頻繁に起きる。
いわゆる、物忘れである。年々ひどくなってきている。
図書館の本のことも、思い出すまでかなりの時間がかかった。
まだ思い出しただけ、マシですけどね。
何かをしようと階段を上がってその部屋に行ったら、
何しにここへ来たのか忘れて、部屋に立ち尽くして茫然となる。
新聞を取りに行くのに外に出ようとしたけれど、
玄関に財布を置きっぱなしにしていたのを見て、
「あ、片づけなくっちゃ」と、それを持って引き返す。
すでに、新聞を取りに玄関まで行ったことを忘れてる。
あれ? 何しに行ったんやろ? としばらく考え、
あ、そうそう、新聞やんか、と思い出してまた玄関へ。
もう、こういう事例は上げればキリがない。
毎日、何度かこんなことがある。
どんなことかと、今ここで書きたいのだが、
それも、おおかた忘れてしまいました(笑)
物忘れだけではなく、「人忘れ」もある。
前回のブログで、新しい知り合いが増えると、
昔の知り合いの顔を忘れてしまう、と書きました。
元々、人の顔を覚えるのは得意でない僕である。
先日、コスパも休みだし、いい天気だったので、
長距離ウオーキングに出た。その時のことである。
傍らで信号待ちをしていた軽自動車のクラクションが鳴った。
見ると、運転席から僕に手を振る男の人がいた。
近づくとその男の人は、
「やぁ、久しぶりぃ。歩いてるんやね」と言った。
助手席には奥さんらしい女性が座っている。
しかし、僕にはそれが誰かわからなかった。
「はぁ? 失礼ですが…」と恐る恐る切り出すと相手は驚き、
「えっ? わからんの? 僕やがな、〇松やがな」と言われ、
よ~く見ると、市役所に勤めていたころの職場仲間であった。
年齢も僕と同じで、退職した時も同じ。約7年ぶりに会った。
「あぁ、〇松さんか。いやあ、久しぶり。元気?」
と、僕がそこまで言ったところで信号が青に変わり、
「あ、そしたら、どうも」と軽自動車は発進して行った。
ふ~む。それにしても、〇松さん、あんな顔、してたかなぁ。
もうひとつ、書いておきます。
モミィをマック体操教室に連れて行ったときのこと。
普段は妻が連れていくのだが、その日は久しぶりに僕が連れて行った。
体操教室は午後5時から6時まで、広い体育館で行われている。
みんな小学生なので、お母さんたちが連れてきて、見学している。
僕も、隅のほうの見学用スペースに座って子供たちを眺めている。
さて6時になり、体操が終わり、帰る準備をしていたら、
近くにいた30代後半ぐらいのお母さんが僕を見て、
「あらぁ、こんにちは~」とニッコリ。
「お元気そうで何よりですネ」と言われたけれど…
だれ…?
懸命に記憶をたどるが、見当がつかない。
最初は「あ、こんにちは」と反射的に返答したけれど、
その人が近づいてきて、さらに話しかけてきたので、
「え~っと、え~っと」と僕が戸惑っていると、
「あ、覚えておられませんか?」と意外そうな表情をされた。
「はぁ…」と、僕は何だか申し訳ない気持で、うなずいた。
「菊〇ですよ。お久しぶりです」
と、聞いて、「あっ」と思い出した。
もう10年以上も前のことになるけれど、
僕が市役所の議会事務局で仕事をしていた時、
20代の若くて可愛い系の女性議員がおられた。
1期(4年)だけで議員は辞めてしまわれたが、
なにせ若い女性議員なので印象には残っている。
体育館で声をかけてこられたのは、そのご本人だったのだ。
子供さんもおられるので、たぶん苗字は変わったと思うけれど、
僕にはもちろん旧姓で名乗られた。
でも、僕はその元女性議員の顔をすっかり忘れてしまい、
菊〇です、と言われても、名前でその人を思い出すだけで、
改めてお顔を見ても、あぁこの人だった、という記憶が湧いてこない。
物忘れもどんどんひどくなってくるけれど、
これから「人忘れ」もひどくなっていくのかも知れない。トホホ。