僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

一人だけの授業参観

2016年02月14日 | 日常のいろいろなこと

12日の金曜日にモミィの小学校でフリー参観があった。
フリー参観とは授業参観のひとつで、この日の場合は、
3時間目(10:45~11:30)の図工の授業、
4時間目(11:40~12:25)の図書の授業、
そして5時間目(13:55~14:40)の「二分の一成人式」。
この3つの授業の全部あるいは一部をフリーで参観できるというもの。

午前中に所要があった妻は、午後の「二分の一成人式」だけを参観。
一方、僕は、午前・午後の全部の授業を参観することにした。


教室に着くと、3時間目の図工の授業が始まったばかりだった。
教室の廊下に、お母さんたち7、8人が立っていた。
教室内には、後ろで参観している保護者が一人もいなかった。
お母さんたちは、廊下に立っておしゃべりなどをしている。
その中の一人のお母さんに、
「どなたも教室に入られないんですか?」と声をかけると、
「えぇ、どうぞ、どうぞ、入ってください」とおっしゃった。

教室に入って行くと、児童たちがいっせいに僕のほうを見た。
小さく手を振る女の子もいた。わが家によく遊びに来る子だ。
他にも、幼稚園時代から知っている子供たちも、かなりいる。
子供たちも僕の顔を知っているので、チラチラとこちらを見る。

…ということで、図工の授業が始まって10分ぐらいは僕一人だった。
授業参観なのに、お母さんたちは廊下で私語をしている。
教室の前には、「廊下で話さず、教室へお入りください」
との意味のことが書かれた貼り紙がされているというのに。

しばらくしてから、やっと皆さん、ゾロゾロと入ってこられた。

図工の授業では、みんな版画を作っていた。
真剣な表情で、彫刻刀に力を込めていろんな絵を彫っている。
モミィは一番前の席だったので、僕の所からは見えにくかった。
ただ、一般の教科のように、先生の質問に児童が手を挙げて答える…
というやり取りがないのが、少し寂しい。ただ作業するだけだから。
で、その時間中に版画が完成するわけでもなく、あとは次回へ続く。
図工の授業は、どちらかと言うと、参観には向いていないようだ。


次の4時間目は「図書」の時間という。これも、参観では初めてだ。
どんな授業なのか、興味を抱いて2階の教室から1階の図書室に移った。
そこには、僕以外、誰一人として参観者の姿が見えなかった。
どうやら午後の参観もあるので、皆さん、帰られたようだ。

図書室の前で、中の様子をうかがっていたら、担任の先生が、
「〇〇さん、どうぞ中へ」と僕の名を呼び、僕が入ると、
椅子を置いて「ここへ、どうぞ」と勧めてくださった。
僕は個人懇談会でも先生と何度か会っているので、
名前と顔を覚えてもらっていたようである。
そこに座って、今度こそ最後まで僕一人だけの参観になった。

広いスペースに沢山の本が棚に並んでいる部屋で、児童たちは、
室内の前のカーペットが敷かれた場所にひしめいて座り込んだ。

図書の先生という女性がおられ、児童の前で1冊の絵本を出し、
それを児童に読んで聞かせる。本は「茂吉と猫」という題だった。
先生の読み方が上手なのと、物語が面白いので、僕も引き込まれた。
さっきの図工より、ずっとこちらのほうが面白い…
…と「番外児童」だった僕は、思ったのであります。

そのあと、「物の数え方」という本の紹介があった。
先生は、「たとえば、動物の呼び方はどんなのがある?」
と質問すると、「は~い、ひき(匹)です」と児童。
「そうよね。ほかにも、あるかなぁ?」と先生が言うと、
別の児童が手を挙げて「頭です~。一頭、二頭」
「そうね。原則的には、人間より大きい動物を頭と数えるのよ」
と、先生が捕捉説明をする。すると、また別の子が、
「先生、まだあるで」と手を挙げ、「はい〇〇さん」と指名されたら、
「え~っとね、『ぴき』で~す」とその児童が答えた。
「あのなぁ、それは『ひき』とおんなじやろ」と先生が笑う。
僕もつられて「観客席」で笑ってしまった。

「は~い。わ(羽)もあります」と、また別の児童。
「そうね。鳥なんかは『わ(羽)』と数えますよね」と先生。
「ところで、ウサギはいちわ、にわと数えるのはなんでかなぁ?」
と、児童たちに質問する。誰も答えられない。僕も知らない。
先生は、
「昔、お坊さんはお肉を食べられなかったの」と話し始める。
「へぇ~、お肉、食べられへんかったの?」と驚く児童たち。
「それでも食べたいから、ウサギのお肉を食べたのよ」
「ふむふむふむ…」という顔で、話を聞き入る児童たち。
「でもお肉はダメだから、これは二本足だから鳥だ、と言ってね」
「ふむふむふむ…」
「つまり、ウサギを鳥だと言ったので、一羽二羽と数えるようになった」
「ふむふむふむ…」
「…というのがひとつの説です。いろんな説があるそうですけどね」

な~るほど…と、僕も感心した。知らなかったなぁ。

まあ、そんな話がいろいろあって、
「では、皆さん、これから読みたい本を探して、借りてください」
との先生の言葉があって、児童たちは散らばって本を探し始めた。
本好きのモミィが、仲良し友達と一緒に本棚を回っているとき、
僕が近づいて「では、帰るよ」と伝え「バイバ~イ」と手を振った。

モミィも手を振ったが、その振り方はそっけなく、
「早く帰ってよ」みたいに見えたのであります(笑)。
やはり、みんなの前で照れ臭かったのかも知れません。


これで午前の部は終わり、いったん帰宅し、昼食をとってから、
今度は妻と2人で、5時間目の「二分の一成人式」の参観に出かけました。

 

  

 

 

 

 

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