僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

深まる謎 …

2009年02月10日 | 日常のいろいろなこと

前回、財布を失ったという記事に寄せてくださった皆さんのコメントを見て、正直ホッとしました。ほとんどの方が財布を失くした経験をお持ちなんだ。
「うっかり」は、自分だけと違うんやな~って(失礼!)。

でも、特に注意しなければならないのは海外旅行のとき。
アナザービートルさんのコメントによれば、香港で財布を失くし、日本に帰ってから香港の警察に電話をしたとのことです(電話するって、すごいな~)。でも、それが、もしパスポートだったりしたら、すご~く面倒なことになりますから、やはり海外では細心の注意が必要ですよね。

僕は、8年前、ハンガリーのブダペストの国会議事堂前で、警察官を装った3人組の男たちに危うくパスポートをだまし取られかけたことがありました。思い出すたびに冷や汗が出ます。

さて、前回の“謎の財布事件”の話には続編があります。

財布を失くした翌日の午前に、警察へ紛失届けを出したことは書きましたね。
その午後、職場で、「ありゃ? 手帳もないぞ」と気付きました。
「家に忘れたのかなぁ」と思いつつ、帰宅して探しても、出てこない。
朝は財布でバタバタしてわからなかったけれど、手帳も失くなっていた。

手帳には、自分の予定や仕事の一覧、簡単な日々の記録、職場の人たちの携帯番号一覧表のほか、覚え書きとして自分の基礎年金番号や通帳カードの暗証番号から、自転車の鍵番号まで、実にいろんなことをメモしてあった。しかし、自分の住所・氏名はどこにも書いていなかったはずだ。身分証明書が入っていた財布と違って、この手帳は、拾った人も誰が持ち主なのかわからんやろ…

あ~あぁ。イヤになる。どうせ、これも手元には戻ってこないだろ。
その手帳を誰かに読まれていると思ったら、財布より、もっと気持ちの悪い話である。困ったことやなぁ、ほんまに。

しかし、なんで手帳までなくなったのだろうか…?
財布と手帳がいっしょになくなるとは…? う~ん。不思議でならん。
あぁ…これやから酔っ払いはイヤや。イヤや。イヤやぁ~~~ん。

想像するに、駅の自動券売機で切符を買うときに、財布を胸のポケットから出して、千円札を1枚抜き、財布は券売機の前に置いて、切符とおつりを受け取って、財布を置き忘れたまま改札へ入ったのだろうか。しらふの時でもすぐに財布を置く癖のある僕なのである。しかし、それにしても…、同じように胸ポケットに入れていたはずの手帳までいっしょになくなっていたとはなあ…。
どうクビをひねっても、記憶がよみがえってこない。

謎は果てしなく広がる一方である。

そして…
財布を失くして4日後、1月30日のことだ。

職場で昼のお弁当を食べ終えたとき。
僕の携帯電話が鳴った。
見知らぬ電話番号からの電話であった。誰からやろな…?

「もしもし」と僕は相手に呼びかけた。
聞こえてきたのは、若い女性の声である。
「もしもし。こちらは阿○野警察署ですが…」
「えっ…? はぁ…? 警察署の方?」
「はい。あの~、実はですね、黒い…」

(うぇ~っ。黒い…黒い財布が出てきたのか!)

…と思う間もなく、
「黒い…手帳をお預かりしているのですが。お心当たりはありませんか?」
と、相手は丁寧な口調で僕に訊いた。

手帳…?
そうか、出てきたのは手帳のほうか。
でも、朗報だ。手帳も、めちゃ気になっていたのだから。

「はい。僕は黒い手帳をなくしました。そちらにあるのですか?」
「ええ。実は手帳のページの中に『僕の携帯番号』と書かれたメモがありましたので、いま、その番号に掛けさせてもらったわけです」
「間違いありません。それは僕の手帳です」
「それじゃぁ、ちょっとお聞きしてもよろしいですか?」

…と、警察の女性は、僕の住所・氏名・年齢・紛失月日などを聞き、最後に、
「受理番号が○○○○ですので、こちらへ来られたら、落し物係の窓口で、その番号をおっしゃってください」

そう言って、電話は切れた。

そうだよね。警察には財布だけしか届けていなかったもんね。手帳もなくしたことはあとから気づいたけど、再び警察へ行くような気力は残っていなかったしね。阿○野警察署の人が、手帳の中身を読んで「僕の携帯番号」というのを見つけ、電話をしてくれなかったら、永遠に戻ってこなかっただろう。

僕は、感謝の念を抱きながら、電車に乗って阿○野警察署に出向き、また改めて紛失届けを書いて提出したあと、4日ぶりに自分の手帳を手にした。

「あの~、ついでに聞かせていただく…と言ってはなんですが、黒い財布ってのは、これといっしょには、なかった…ですよね?」
と、どこまでも未練がましい僕なのであった。
「は…? 手帳だけですけど」と、まあ、当然の答えしか返ってこなかったことは、言うまでもない。

手帳を受け取ってから、僕は係の女性に、
「ところで、この手帳は、どこで、誰に発見されたのですか?」
と、ず~っと気になっていたことを、聞いた。
阿○野というと、僕の自宅方向とは反対側に10キロも離れた都会方面なのだ。

「夜10時ごろ、この手帳が電車の中に落ちていたそうです」
「電車の中…? 電車の中なんですか…?」
「そうです。拾われたのは、車掌さんです」
「電車の中で…ねぇ。ふ~ん、そうですかぁ。でも、なんで阿○野署へ届けられたんでしょう? 僕は、阿○野とは反対方向へ行く電車に乗ったのに」
「あ、それはね、その車掌さんが、阿○野駅に勤務する方だったので、電車のどこで拾ったかに関わらず、阿○野署に届け出られた、ということなのです」
「…そうですか。わかりました。どうもありがとうございました」

まあ、手帳だけでも出てきて、本当によかった。

警察署からの帰り道、僕はもう一度、しつこく考えてみた。
手帳は、電車の中に落ちていたという。
なぜ、胸のポケットに入っていたはずの手帳を、落としたのか?
そのとき、たぶん…だろうけど、財布もいっしょに落としたのか?

手帳も財布も、背広の胸のポケットに入れていたが、切符を買うとき両方出して、切符を買い終えたら、コートの浅いポケットに両方を突っ込んだのか?

そして、電車の座席にダラ~ッと寝そべるように座って、ポケットから財布と手帳の両方とも落ちた…? それに気づかず、僕は自分の駅で下車し、そのあと財布は誰かが拾い、手帳はそのまま車内に残されていた…。

…ちゅうことかいな。
何しろ、酔っていて、記憶がないんだから、始末に負えない。

自業自得が招いた謎は、深まるばかりである。


 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする