2021年5月23日。今日のニュースです。良いニュースはアイスホッケーワールドカップで、ベラルーシチームが強豪国スウェーデンチームに勝ったことです。
さらには会場がミンスクと予定されていたのに、中止になったことについて、国際ホッケー連盟から弁償金を受け取りました。
次に大きいニュースについて。ギリシャのアテネからリトアニアのビリニュスに向かっていたライアンエアーの旅客機が、ベラルーシ領空を飛行中、爆発物が仕掛けられている可能性があるという連絡を受けて、ベラルーシのミンスク空港に緊急着陸しました。
その後、機内や乗客など爆発物の有無が調べられましたが、危険物は何も見つかりませんでした。
見つかったのは危険人物でした。
123人の乗客の中に反ベラルーシ政府派のテレグラムチャンネラー(ベラルーシ人)がいたのですが、ミンスク空港で身柄拘束されました。
真相ははっきりしませんが・・・ベラルーシ政府は前からこのテレグラムチャンネラー(過激派テロリストとして政府は指名手配中)を逮捕しようと思っていた。しかしベラルーシ国内にはいない(リトアニアで反政府活動をしていたそうです。)ので、逮捕できない。一歩でもベラルーシ国内に入ってきたら逮捕しようと思っていた。すると飛行機に乗ってベラルーシ領空内に入ってくることを知った。逮捕するため飛行機を着陸させなければいけない。それで爆発物がしかけられていたことにする。・・・という作戦があって、それが計画どおりになったということではないでしょうか。
一方で、爆発物が仕掛けられているという情報はベラルーシ政府側が出したものではありません。ミンスク空港に着陸するかどうかの判断は乗務員に任せられたのでそのままビリニュスに飛行を続ける選択もあったと言えばあった。(ただ、爆発物がしかけられているかもしれないという情報がパイロットに入ったら、すぐさま最寄りの空港に着陸するように、というマニュアルに従っただけの可能性が高いですね。)
爆発物を探していたら乗客名簿の中に反政府派人物を偶然見つけて、身柄拘束した、というのが真相かもしれません。
しかし、ライアンエアー側は、ミンスク空港の管制塔から連絡があり、爆発物が仕掛けられている可能性があるため、最寄り空港であるミンスク空港に着陸するよう指示を受けた、と発表しました。
ベラルーシ政府側は着陸するかどうかは乗務員が決定したとしているので話が食い違っています。
また、旅客機の安全のためと称してベラルーシ政府からミグ戦闘機が、発進しこの旅客機のすぐそばを飛行していたそうです。
しかし、旅客機に爆発物が仕掛けられていたとして、その安全を守るために戦闘機が寄り添うように飛行したところで、空中で爆発したら、助けようも防ぎようもないですよ。
また緊急着陸に対して、ベラルーシ大統領が関与していたという情報もありますが。
ミンスク空港に着陸して5時間後(ライアンエアーによると7時間)、飛行機はビリニュス空港へ。目的地に到着すると、空港にはマスコミ、リトアニアの首相など政府官僚などが集まっていました。
ベラルーシ野党リーダーのチハノフスカヤ氏はベラルーシを国際民間航空機関から除名するよう求めました。
リトアニア政府はEU諸国に対して、ベラルーシ領空に飛行機を飛ばさないよう訴えるようです。
ライアンエアーは公式サイトで、到着の遅れについて謝罪の言葉を述べました。
爆発物が仕掛けられているという情報を誰が出したのか。これから捜査が始まるようです。状況によっては訴訟問題に発展するかもしれません。