ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2021年1月23日。ベラルーシ政府とロシア政府に対するデモ

2021-01-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 2021年1月23日。気温が上がったのもあるでしょう。また反政府デモ活動が活発化しています。しかし気温だけではなく、ロシア情勢も関係しています。今日はロシアでも大規模デモが呼びかけられました。

 ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏は、8月毒殺されそうになり、ドイツで治療を受けていましたが、回復。今月17日にロシアに帰国しましたが、そのまま空港で身柄拘束されました。ロシアの領地内に一歩でも足をつけたらすぐ拘束されることが分かっていたと思います。しかしあえての帰国です。

 ベラルーシ野党のチハノフスカヤ氏もベラルーシに帰国したい希望を持っていますが、今ベラルーシに一歩でも入るとすぐさま拘束、逮捕、起訴、有罪判決・・・になるのが分かりきっているので、野党の活動を続けることを最優先にして考えると、帰国できないのです。

 以前、日本のメディアがチハノフスカヤ氏について報道したら、そのニュースのコメント欄で、日本人が「母国を離れて、外国にいる人が外部から、意見を言ったり、指示したりするものではない。」つまり政治的指導者として説得力がない、遠いところにいる、つまり安全なところから吠えても無駄・・・といった趣旨のことを書き込んでいるのを読んだことがあります。

 チハノフスカヤ氏は子どもの命が危険にさらされたため、国外に出国しましたが、要するに強制退去させられたのですよ。ここで黙ってしまったら、ベラルーシの独裁政権の思う壺です。このあたりの事情を上記の日本人は知らないのでしょう。

 また、遠くに住んでいる人の意見は聞かなくていいが、国内に住んでいる人の意見は傾聴に値するというのだったら、意見を言う前に絶対帰国しないといけませんね。しかし、チハノフスカヤ氏が帰国したら、あっという間に刑務所に閉じ込められます。意見そのものが言えなくなるのです。それなのに、ベラルーシ野党は絶対に帰国しろ、それから意見を言って指示を出せと、日本人の中には言っている人もいます。

 チハノフスカヤ氏など多くの野党メンバーがベラルーシ国外で懸命に努力しているわけですが、(ベラルーシ国内にいたら、先日の国連会議にも参加できません。)そういう人たちについて、国外にいる人は内政について口出しするな、とコメントする日本人の存在が私には恐ろしいです。この日本人の考え方は、政敵を国外に追放する独裁者の考えに共通するからです。これは国内にいる政敵は刑務所に入れてしまう独裁者の考えにも通じます。

 

 ナワリヌイ氏は勇気がある人だと思います。自分が一歩ロシア(祖国)に入っただけですぐ身柄拘束されることが分かっていたのに帰国しましたから。

 しかし、ちゃんとナワリヌイ氏は作戦を考えていました。のこのこ帰国しておとなしく身柄拘束されるわけがありませんよ、あんな頭のいい人が。ナワリヌイ氏は、プーチン大統領を批判する動画を作成しており、その中で17691平方メートルの敷地内に1400億円を投じて建てられたプーチン大統領の邸宅、通称「プーチン宮殿」の存在なその内部の詳細について暴露する新しい動画を今月19日、自分の支援者に頼んでユーチューブに投稿しました。

 3日間で7000万回近くの再生数です。まだ建設は完了していない(周囲にスポーツ施設を作ろうとしています。)のですが、内部には劇場(2階席あり)、カジノ、バー(椅子の脚は金でできているように見えましたが。)スロットマシーン、ソファ一つの値段がマンション価格並みのぜいたくなもの。プール、サウナ、マッサージ室、ワインセラー、ジム、そして畳の部屋(ここで柔道の練習をするのでしょう。)ピアノ室、読書室、ワイン試飲室。キッチンの中は、肉料理室、野菜料理室、卵料理室などに細かく分かれています。アクアディスコという聞きなれない施設まであります。平民の私には映像を見てもよく分からなかったのですが、部屋の中央に丸い噴水があり、その周りでディスコができ、もちろんバーも併設されているという部屋でした。

 このプーチン宮殿は黒海に面したところに建っているのですが、すぐ近くにはプーチン大統領のプライベートビーチもあります。三箇所も。さらに近くの葡萄畑も所有しており、その広さは530ヘクタール。そこで栽培されたぶどうから作られたワインの販売権でも収入を上げています。ちなみにプーチン大統領ブランドとも言えるワインを飲んだことのある有名人(友達)は中国の習近平とベラルーシのルカシェンコ大統領が当然入っています。

  さらにこのプーチン宮殿のトイレのトイレブラシの値段が700ユーロすることも判明。備品やインテリアの注文リストが流出しているのです。

 トイレブラシが日本円で88000円ですよ。何でできているのか謎です。もしかしたら、この宮殿の中にはトイレがたーくさんあって、各個室に置いてあるトイレブラシの価格の合計が8万8千円なのか? 毎回使い捨てにしてるのか?とも思いましたが、トイレが全部でいくつあるのか・・・。

 ともかく1400億円の邸宅建設費用について、ナワリヌイ氏はロシアの側近たちが渡したプーチン大統領への賄賂によるものとし、その証拠(からくり)を動画の中でその中で説明しています。非常に複雑なのですが、簡単に言うと、大統領と側近など賄賂をあげたい人たちは、マンションや葡萄畑のような不動産を購入して、大統領にあげる、それを大統領は他の側近の親戚にあげる・・・といったことをぐるぐる繰り返しているのです。

 ナワリヌイ氏によるとプーチン大統領には「妻」が三人いて、その母や祖母などに高級マンションや別荘を頻繁に買ってあげています。もらった側もまた頻繁に売っています。三人のうちの一人、元新体操チャンピオンのアリーナ・カバエワのおばあちゃん名義のマンションがどうしてこんなにたくさんあるのでしょう。 

 

 この暴露動画を見たロシア人の多くが憤慨。ナワリヌイ氏はプーチン政権への抗議デモをこの23日に呼びかけました。するとロシア各地でデモが発生。プーチン大統領への抗議のほか、ナワリヌイ氏の身柄の解放を訴えました。

 モスクワでは4万人が参加しましたが、約400人が身柄拘束されました。ロシア全土では約1300人が拘束されたそうです。欧米諸国も次々とナワリヌイ氏の解放をロシア政府に求め、非難しています。

(先述の日本人の考え方で言うと、ロシアの政治にロシア人でもない欧米諸国政府が意見を言ったり、指示したりするな、ということになりますね。)

 

 このロシアのデモに呼応(独裁政治反対)・ナワリヌイ氏を支持する形でベラルーシでも各地でデモ、人間の鎖が作られました。そしてミンスクだけで100人が身柄拘束されました。我が家のある町内でも。

 ミンスク中心部のミハイロフスキー広場で、ホームレスに人たちに医療支援のボランティアをしていた、ベラルーシ医大の女学生と元救急隊員だった女性看護師が、身柄拘束され、警察に連行されました。取り調べ中です。

 ヨーロッパの都市でもナワリヌイ氏の解放とベラルーシに自由を求めるデモ活動が行われています。南アフリカ共和国でも。(こういった各都市の画像を見るとコロナウイルスは大丈夫なのかと心配になります。)

 

 ベラルーシでは子ども用のおもちゃのピストルの販売が禁止されました。

 

 明日は気温がプラス6度まで上がるので、また反政府デモ活動が起こるでしょう。ロシアでも続くと思います。 

 

 

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者数23万5859人。死者数1639人

2021-01-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 2021年1月23日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は235859人になりました。1日の新規感染者数は1748人です。1700人台に減りました。

 死者数は1639人です。1日の新規死者数は11人で、今までの最多記録です・・・。

 ただこの死者数については、正しくカウントされているかどうかはっきりしません。

 220912人が回復しました。

 434万件の検査数となりました。