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ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ミンスク動物園 その4 「コウノトリの巣」

2009-07-22 | ベラルーシ生活
 このように動物園内に巣を作っているコウノトリもいます。
 そして飛び回っています。さらには園内をのんびり歩いています。すぐそばに人がいても平気。カメラを向けられても平気。動物園を完全に自分の家だと思っています。
 
 画像に写っている黒い鳥はコウノトリではなく、よそから飛んできた鳥です。
 カラスやらスズメやらハトやらがいっぱい頭上を飛んでいました。
 それで、動物園の餌を横取りしていました。(^^;)

 巣を作っているゲージですが、中には大型のワシのような鳥がいました。(名前忘れた。)(^^;)
 
 

ミンスク動物園 その3 「コウノトリ」

2009-07-22 | ベラルーシ生活
 動物園内は動物の写真撮り放題でした。(追加料金なし。)
 ベラルーシつれづれ写真ネタになるような動物作品は撮れないかと、写真をとりまくったら、最後のほうで電池が切れてしまった。(とほほ。)
 このとき撮った写真のうち、いくつかはそのうちつれづれ写真でご紹介します。
 
 ここではミンスク動物園をご紹介できるような写真だけ先に更新しますね。
 はい、ではこの動物園のシンボルマークにもなっているコウノトリです。
 園内にはたくさんのコウノトリがいます。羽を切ってあって、柵の中を歩き回っているのもいるし・・・

ミンスク動物園 その2 「歴史とアドバイス」

2009-07-19 | ベラルーシ生活
 ミンスク動物園の歴史もご紹介しましょう。
 開園は1984年で今年25周年を迎えます。
 この動物園はもともと、ミンスク自動車工場がつくったものです。
 工場内に社員を対象にした自然愛好クラブがあり、その顧問を30年間務めていた人が動物園の設立を提唱しました。
 そもそもはこの工場で働いていた人が、けがをしていたコウノトリを見つけて保護したのがきっかけでした。
 このコウノトリ(名前はジューリカ。ベラルーシでは犬につける名前に似ています。)がミンスク動物園で飼育された最初の動物になりました。
 だから、ミンスク動物園のシンボルマークはコウノトリなんですね。
 
 このようないきさつがあったため、動物園はミンスク自動車工場所有の敷地に開業40周年記念の年につくられました。(場所はミンスク市内南東部に当たります。)運営なども工場が請け負っており、植物園も併設されていたため、「ミンスク自動車工場・動植物園」という名称でした。
 しかし1997年に国立の動物園となり、「ミンスク動物園」と改称しました。
 1998年から施設の改装と増設が3段階に分けて行われ、現在第1段階が終了したところです。
 第2段階(巨大鳥かごだそうです。)(^^;)が建設中で、来年に完成する予定なので、できたらまた見に行かなくては。

 現在は260種類の動物、1650匹が42ヘクタールの広さの敷地で飼育されています。
 でもまだまだ広がりそうです。イルカの水槽や遊園地も将来できるそうなので、楽しみです。
  
 この動物園のいいところは市内を流れるスビスロチ川の岸辺にあるところです。
 人工ではなく、本物の池や川を利用してそのまま動物園の外観に取り入れています。そしてその池でいろいろな水鳥を飼育しています。
 14年ぶりに行った動物園ですが、すっかり変っていました。でもこの池と橋だけは全く変わっていませんでした。なつかしい。

 昔行ったときは、この池のそばの水鳥のコーナーにごくふつうのアヒルがいて、ガーガーないていましたが、その餌をねずみが横取りしていました。(^^;)
 ねずみ(もちろん野生)は何度も往復して、自分のねぐらにアヒルの餌を運んでいました。
 コウノトリはいたはずなんだけど、記憶にない・・・。そのほかはクマとイノシシと真っ白なラマがいました。これ以外まるで記憶が残らないほどの動物園だったのです。
 しかし、今はすっかり変わっていました。

 動物園のゲートをくぐると右手にアトラクションゾーンがあります。
 が、乗り物に乗るたびに別料金を払わないといけないのと、動物を見にここへ来たわけなので、Y子の手を引き、左手の道へ進みます。
(動物のゲージの前より、アトラクションゾーンのブランコやトランポリンのほうが子どもの数が多かったです。)(^^;)

 日本人の皆さんもせっかくなので動物のほうを見ましょう。
 園内には道しるべが立っていますが、こうすれば効率よく早く見られます、という順路はありません。
 けっこう敷地が広いので、右往左往してしまいます。

 私から日本人の皆さんへのアドバイスと言えば・・・
 時間もあるし、動物全部を見逃さないようにしたい場合、左手の道を進み、園内を時計回りに歩いていきましょう。
 時間があまりなくて、ベラルーシならではの動物を優先してみたい場合は、真ん中の道をまっすぐ進んでコウノトリとズーブルをとにかく見ましょう。その後、左手の水辺のほうに行って黒コウノトリを見るのを忘れずに。

 トイレが古くて暗くて汚いです。(今のところね。早く改装してくれないものか。)覚悟して入ってください。トイレットペーパーも持参することをおすすめします。

 お腹がすいたときに食べるものに困る可能性あり。(これも今のところ。)園内にレストランなどはありません。一応屋台のようなものが園内に数箇所あります。でも、子ども向けのポップコーンや綿菓子、アイスクリームや甘いお菓子類がほとんどです。ハムがのったオープンサンドなども売っていますが、種類が少なく、ちゃんとした食事にはなりません。
 しっかり腹ごしらえして行くか、お弁当の持参をおすすめします。ただ、夕方の時間帯になると、シャシリク(串し焼き肉)を焼く屋台が出ていました。(昼から焼いてほしい。)
 飲み物は屋台でいろいろ売られています。値段は安いですが、心配だったら飲み物も持って行くほうがいいでしょう。(ミネラルウオーターはガスが入っているのしか売ってないかもしれません。) 

ミンスク動物園 その1

2009-07-19 | ベラルーシ生活
 うちのY子ちゃんは動物が大好きです。(ただし自分の身長より大きい犬はきらい。でも馬は好き。)
 ベラルーシでは集合住宅でもペットを飼っていいことになっています。しかし我が家ではミドリガメ1匹が飼われているだけです。
 さて、夏休みお約束の動物園に連れて行くことにしました。
 ミンスクには国立の動物園が市内にあります。(他にも移動動物園がやってくることがあります。)
 
 私はこのミンスク動物園に留学中だった95年(14年前・・・)に寮のルームメイトに誘われて行ったことがあるのですが、はっきり言って日本の動物園と比べると、愕然とするぐらいしょぼいものでした。
 しかし
「孫を連れて行ったけど、今は見違えるほど立派になっているわよ。」
と同僚に教えてもらい、Y子を連れて行くことにしたのです。

 行って見ると確かに大変な変りようでした。
 とは言うものの、日本人の観光客があの旭山動物園のようなものを期待して見に行ってはいけません。
 ただ、以前はいなかったズーブルがいて、わざわざポーランド国境近くの白い塔の森の動物園やグロドノ動物園まで行かなくても、ミンスクで見られるようになっていました。
 日本では動物園で見ることもできない希少動物、ズーブルを見たい! ミンスクに来たけれど、ズーブルの生息地である白い塔の森までは時間がなくて見に行けない、という方はこのミンスク動物園へ行きましょう。
 予算的にも安いです。

 大人(14歳以上)は日本円にして約100円。
 子ども(5歳以上14歳まで)は約70円。
 5歳以下の子どもは無料です。

 ただし爬虫類館は別料金を5歳以上は年齢に関係なく、1人約70円払わないと入場できません。
 馬の乗馬も別料金約70円はいります。お座りできる子どもならポニーに乗ることができます。
 そのほか、併設しているアトラクションゾーンでは、乗り物によって有料と無料のものがあり、値段も細かく設定されていますので注意。

 ただし、上記の値段は2009年7月時点のものであり、将来変更になる可能性が(多いに)ありますので、注意してください。

 住所はミンスク市タシケンツカヤ通り40番地。ということですが、敷地が広く、いろいろなアクセスの方法があります。
 ミンスク市中心部から一番一般的な行きかたは・・・地下鉄アフトザボツカヤ駅で下車。そこで、バス(16番、21番、22番、92番)かトロリーバス(16番、17番、26番)に乗り換え、停留所「動物園」で下車します。
 するとこの画像のような動物園のゲートがすぐ見えます。 
 ゲートの右手にある売り場で入場券を購入してください。 
 
 ちなみに電話番号は(017) 340-23-97、 (017) 340-21-75です。
 公式サイトは http://www.minskzoo.by/
 ですが、なぜか現在開くことができません。

 年中無休で開園しています。(え、本当?お正月も?!)
 開園時間は夏場は午前10時から午後9時まで。
 冬場は午前10時から午後6時までです。
 休日、祝祭日は午前9時から開園しています。

 この夏場、冬場というのが何月何日から何月何日までのことなのかはっきりしませんが(^^;)日中に行けば開園している、ということです。

 ちなみにズーブルが生息する白い塔の森について詳しくはこちら。(HP「ベラルーシの部屋」内「世界遺産」ベラヴェシュスカヤ・プーシャ撮影裏話。)
 ズーブルの画像も見られます。

http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/tbs0415/menu.xhtm

 

ビデオ作品「おもしろい人生」に出演しました

2009-07-10 | ベラルーシ生活
 ビデオ作品「おもしろい人生」(監督:タチヤーナ・モストィキナ。2009年ベラルーシ作品)に出演しました。
 出演したのは、私だけではなく、S夫、Y子、日本文化情報センターがある児童図書館の館長、トーダル、SOS子ども村の皆さん、センターの日本語教室の生徒の皆さんです。

 監督のタチヤーナ・モストィキナさんは国立ベラルーシ芸術アカデミーで、ドキュメント番組プロデューサーになることを目指して学んでいる学生さんです。
 課題として毎年2本ビデオ作品を制作しないといけないのですが、昨年どこからか、私のことを聞きつけ(変った日本人が住んでいる・・・?)(^^;)取材の申し込みがありました。
 去年の年末に2ヶ月ぐらいかけて撮影し、今年ようやく長さ約20分の作品が完成しました。

 タイトルの「おもしろい人生」(Интересная жизнь)ですが、これって私のベラルーシ人生のこと・・・?(^^;)
 この作品は今年4月に開催されたビデオ作品コンクール「キノグラン 2009」に出品され、ミンスク市内にある映画館で上映されました。
 しかし、コンクールでの入賞は果たせませんでした。
(でも、いいの、いいの。参加することに意義があり。)

 一般のテレビ番組として放映されるかもしれない、という話もあったのですが、その予定は今のところありません。
 でもDVDがちゃんとありますので、9月9日の日本文化情報センター10周年記念式典で、上映する予定です。(^^)
 
・・・・・・・・

 さてここまでは5月の時点での投稿内容です。その後この作品を見ることができました。
 作品は私の人生を「仕事」「企画」「家族」「二つの国」の4つのテーマに分けて紹介していました。
 日本文化情報センターでの仕事のほか、SOS子ども村でのビタペクト2配布活動、「月と日」音楽プロジェクトのことが紹介されました。
 私のインタビューのほか、S夫や図書館長、SOS子ども村職員さんや、トーダル、日本語教室の生徒2名にもインタビューしていました。私から見れば
「ここんとこ、カットして・・・恥ずかしい・・・。」
といった内容などがありましたが、日本の某テレビ局とは違い、とてもまじめな番組でした。
 監督さんの人柄がしのばれます。(と同時に自分を客観的に見られて、よかったというか、恥ずかしいというか。)(^^;)
 あと、「ベラルーシで生活している私ってベラルーシ人にこういうふうに見られているんだ。」というのも改めて分かりました。(よくも悪くも・・・。)

 監督さんから言わせると
「(チロ基金の活動をいろいろしているので)他にも撮影したいことがあったけれど、テーマを人生にしぼって編集しました。」
だそうです。
 いえ、こんな立派な作品にしていただいて、大変ありがたいです。はい。
 これからももっといろんな活動をしていきたいと思っています。

 監督のタチヤーナさんは今回の作品製作がきっかけで、知ったというSOS子ども村のことを次の作品にするため、現在撮影をしています。もっともテーマはもっと広くて、ベラルーシにおける子どもをめぐる問題だそうです。
 今後の活躍に期待したいですね。

 この作品は9月9日以降、日本文化情報センターでベラルーシ人希望者向けに貸し出しする予定です。出演した人に見てもらいたいのはもちろん、多くのベラルーシ人にチロ基金の活動を紹介するのに、とても便利です。
 日本語ではないので、日本人の皆さんには見ても分からない部分が多少ある作品だとは思いますが、チロ基金協力者の皆様にはぜひ見ていただきたいです。 
 

クレー射撃ワールドカップ2009

2009-06-07 | ベラルーシ生活
 6月6日からクレー射撃ワールドカップ2009がミンスクのスポーティング・クラブで始まりました。
 37カ国が参加していますが、日本のチームは来なかったのが残念・・・。
 ショットガンの整備をしているS夫も毎日大忙しです。

 オープニング・セレモニーを見に行ってきました。画像はそのときの様子。と言ってもスポーツって感じが全くなくてすみません。完全に音楽のコンサート状態でした。
 エレキバイオリンを弾く3人組が登場して、ロックを演奏したのですが、(Y子は耳をふさいでいました・・・。)ステージ上で火は上がるわで、盛り上がりました。
 エレキバイオリンってすごいですね。初めて生で見た(聞いた)んですが、おもしろい! 中身が半分すかすかで、音に合わせて内臓ランプがピカピカ点滅。(@0@)
 2人のお姉さんは髪の毛を振り乱して演奏。お兄さんの演奏はすごかったですが、よく見たらベルトのバックルがどくろ(しかも大きくて何かかわいい)だったので、ちょっと笑いそうになりました。

昨年の「クレー射撃ワールドカップ・ファイナルがミンスクで開催」についてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/e2ff1b7a797dc9b88c6f7eb35afe9d30


 スポーティング・クラブの公式サイトはこちらです。(ロシア語・英語)

http://www.klub.by/


 「射撃クラブ スポーティング・クラブの紹介」についてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/8bb62e023a5761ccaa2fb95c950a586c

ベラルーシの幼稚園 最終回 「卒園証書」

2009-05-22 | ベラルーシ生活
 ベラルーシでは卒園の時期を、親が希望すれば1年遅らせることができます。Y子のグループでは2人の子どもが9月からまた年長組に入ることになりました。
 どうしてこんな判断を親がするのかは私には分かりません。
 しかしその2人の子どものことをY子は、
「お勉強ができていなかった。」「他の子どもをいつも叩いたり、女の子のスカートをめくったりしていた。」「突然大声を上げたりしていた。」「他の子どもの物やおもちゃを壊していた。」
と話しており、みんなから迷惑がられていたそうです。
 どこにでもいますよね、こういう子ども。 

 先生からもいつも叱られていて、罰として「教室の隅っこに立たされたり」「トイレに閉じ込められる」ということをされていたそうです。
 立たされるのはともかく、トイレに閉じ込める、というのは日本人の感覚からすると、
「ベラルーシの幼稚園の先生は厳しい・・・。」
ということにならないでしょうか?

 この2人の保護者は自分の子どもの性格を把握しており、これでは
「学校での集団生活は難しい。」
と判断して、もう1年幼稚園で様子を見よう・・・ということにしたようです。

 他にも病気がちで、学校で勉強できる体力がなさそう、あるいは体格が小さいので学校の体育の授業が大変だろう、もう少し大きくなってから入学させよう・・・という親が、学校の入学を1年延ばすようです。

 このように親の希望により小学校入学は1年延ばせますが、それ以上伸ばすことは許されていません。
 ちなみにベラルーシの幼稚園は義務教育ではありません。(学校は9年間が義務教育になっています。)
 幼稚園に全く通わない、という子どももいますが、非常に珍しいケースです。
 幼稚園に通っていない場合は「通っていません。」という証明書を診療所から発行してもらい、親はそれを職場に提出します。
 証明書、と言っても親が「通ってません。」という言葉をそのまま信じて医者が記入するだけなんですが・・・。
 1年に1回住宅管理局の職員が担当地域の家庭訪問をして
「お宅のお子さんは幼稚園に通っていますか? 通っている場合どこの幼稚園ですか?」
と質問し、書類を作っています。
 おそらくこれは親の虐待(育児放棄)がないかどうか調べるためだと思います。
 
 さらに日本では考えられないのは、小学校1年生は、学校ではなく幼稚園に通う、というシステムがベラルーシにはあることです。
 これは何かと言うと、まず各幼稚園ごとに担当している学校が決められています。
 Y子が通った幼稚園は一番近いところにある学校が担当していました。
 その学校に9月から入学することに決めると、入学式は学校でしますが、授業は幼稚園内で行われます。
 そして2年生から学校の校舎のほうに通学します。

 どうしてこんなことにしているかというと、1年生はまだ年齢が小さいため、ベラルーシでは「昼寝」「保護者の送迎」「1日3回の給食」が必要とされています。
 このうち昼寝用の寝室が学校にないため、幼稚園の施設を小学校1年生の教室と寝室として使用する、ということなのです。

 しかも、学区が一応定められているものの、現在は親が希望すれば、他の学区の学校に通うこともできます。
 それで、
「この幼稚園に通っていたわけではないけれど、9月からはこの幼稚園担当の学校に入学することになったので、1年生のうちはこの幼稚園に通う。」
という子どもも出てきます。

 逆に
「ずっとこの幼稚園に通ってきたけれど、この幼稚園が担当しているのではない学校に入学することになった。」
というケースもあります。
 そうすると入学希望する学校の担当幼稚園に1年生のうちだけ通うことになります。
 
 このように急に環境が変ることを避けるため、子どもがまだ小さいときに親がどこの学校に入学させるか決めておいて、自宅から少々遠くてもその学校の担当の幼稚園に通わせる、ということもあります。
 また最初は近所の幼稚園に通っていたけど、年長組に上がる前に希望する学校の担当幼稚園に移っていく園児もたくさんいます。
 そのためベラルーシの幼稚園では、グループの顔ぶれや人数がよく変ります。

 Y子のグループでは半分ぐらいがそのまま幼稚園に残り、(つまりその幼稚園担当の学校に入学した。)残りは、学区外の学校に進学することになって、幼稚園を変ったりしました。
 (Y子の場合は、家から遠い学校に入学したため、幼稚園が変るはずだったのですが、少々特殊なケースに当てはまり、もう幼稚園には通わず、そのまま学校の校舎に通うことになりました。 詳しくは「ベラルーシの学校」でご紹介します。)

 幼稚園内での小学1年生の授業は、学校が定めた時間割にそっています。そのため学校の先生も学校から幼稚園に通勤してきます。
 日本人の感覚からすると、変ってますよね。
 簡単に言えば、小学校1年生だけは、学校校舎内ではなく、幼稚園施設を「入れ物」として使う、ということです。
  
 さて、年長組を修了すると卒園となり、そのまま残る子や、別の学区に通う子どもやらで、ほとんどお友達みんなばらばらになってしまいます。
 それで卒園式をしますが、そのまま残る子どもは、
「小学生になった。」
という実感があまりわかないでしょうね。

 卒園証書の表紙には「さようなら、幼稚園!」とあります。(しかし1年生になっても幼稚園に通い続けるので、変な感じ・・・。)
 中を開くと、それぞれの子どもの大きい写真が入っています。しかも斜め45度・・・ではなく20度ぐらい外した角度で撮影しています。(^^;)
 次のページには3人の先生とグループ全員の顔写真と名前。幼稚園での様子の写真が入っています。そのバックは「戦勝記念日の勝利広場」と「独立広場」の写真・・・。
 最後に卒業証書がアルバムに貼り付けられています。

 そして、すごいと思ったのは表紙の裏。わが子の大きい写真の隣のページです。何やらロシア語でたくさん書いてあるので、読んでみると・・・
「私はあなたの子ども」とあり、続いて
「どんな私でも愛してください。幸せなときも悲しいときも、楽しいときも真剣なときも、小さいときも大きくなってからも。」
「大きくなったらあなたのようになると思わないで。私があなたにではなく、私自身になれるように手助けして。」
「あなたの機嫌の悪さで私の邪魔をしないで。」
「私が自分でできることには手を貸さないで。」
「守れない約束はしないで。」
「他人が見ているところで、私を評価しないで。」
「私には理解と支えがいることを忘れないで。」
「私の悩みから目をそらさないで。後から様子を見ることはしないで。」
「私が生まれたことが、あなたの人生のとても大事な出来事であることを覚えていて!」
 ・・・と親の心得10か条のようなものが、子どもの口から出た言葉として書いてあります。ひいー。(@0@;)
 最後に
「こんな小さい子どもといっしょに、こんな大きな喜びがやってくる。子どもが成長する家よりも、この世に幸福なものはなし。」
と締められています。

 こんなすごい文章が卒園アルバムに載っているとは思ってもいませんでした。
 もっと無邪気なことが書いてあるのかと思っていたのに、心得10か条はほとんど全てロシア語の「HE」つまり「・・・しないで。」という言葉で始まっています。
 日本の幼稚園の卒園アルバムだと「いつまでも元気でね!」とかそういう明るい希望のようなものが書いてあると思うんですが、「・・・しないで! ・・・しないで!」と連呼されて、ベラルーシの卒園アルバムのほうは、読んでいて親としては落ち込みそうになりました・・・。(^^;)
(せめて「子どもとの約束は守りましょう。」という表現にしてほしいです。)
 
 うーん、何だか変な気分になってしまいましたが、これでベラルーシの幼稚園のご紹介を終わります。
 そのうちベラルーシの学校についてもご紹介します。気長にお待ちください。 
 
 

ベラルーシの幼稚園 その12 「お遊戯会」

2009-05-22 | ベラルーシ生活
 幼稚園で行われるお遊戯会についてです。
 まず9月1日に入園式や始業式が行われます。入園式はY子は参加していないのでよく分かりません。始業式は年齢ごとに、歌を歌ったりします。どちらかと言うと先生が寸劇(テーマは「幼稚園でお勉強をして頭のよい子になりましょう。」など)をしたり、楽器を演奏したりします。
 園児のほうは担任の先生にお花をプレゼントします。しかしあげたい人だけあげたらいい、というもので、全員必ずプレゼントするものではありません。
「ではただいまより花束贈呈!」
といった堅苦しいこもしません。

 秋には各グループごとに秋のお遊戯会。ふだん習っている歌やダンスを発表します。
 いつもの学習成果を保護者に発表する、という感じです。
 ベラルーシの幼稚園で感心するのは、毎回詩の暗唱をそれぞれの子どもが発表することです。
 
 年末にはお正月会。(しかしモミの木をホールの真ん中に立てたりするので、日本人からすると雰囲気はクリスマスです。「ベラルーシの幼稚園 その1」の画像を参照。)
 女の子はドレスを着ます。親は自分の子どもをクリスマスツリーと勘違いしているかのように、飾り立てます。
 男の子は仮装をします。仮装する衣装は昔は親の手作りがほとんどだったのですが、最近はおもちゃ屋でいろいろなデザインのものが売られています。
 例えば、Y子のグループには森の小人、海賊、スパイダーマンがいました。

 幼稚園にはピアノやバヤン(アコーディオンに似た楽器)を弾く先生がいます。楽器の演奏をしない先生は、ヤガー婆さん(魔法使い)やマローズじいさん(サンタクロースに似ています。)などの衣装を着て、劇をします。
 幼稚園の先生は100%と言ってもいいほど女性なので、男の役もします。宝塚みたい。(^^;)
 子どもたちはゲームをしたり歌を歌ったりしますが、年長組になると楽器の演奏もします。
 ダンスなどは、よくある子どもの歌に合わせて踊りますが、中にはディスコ音楽、ムーディーでスローなラブソングに合わせて、男女ペアで踊ったりします。
(あまり日本の幼稚園ではしないですよね・・・。)
 もっともY子は相手の男の子がダンスを間違えるたびに怒って、手を引っ張ったりしており、ムーディーな雰囲気とは程遠いものがありました。(^^;)

 幼稚園の先生が女性ばかりなので、見に来ていた保護者の父親が飛び入り参加させられて雪娘(マローズじいさんの孫)といっしょに踊らされたりします。
 最後には子どもたちにプレゼントのお菓子や果物が配られ大喜び。
 しかしこのプレゼントの経費は幼稚園が親からあらかじめ「徴収」しておいたお金で準備したものなのです。
 
 年が明けるとクリスマス会(ベラルーシではクリスマスは1月7日)があります。
 こちらはお正月会より民族色が強く、ベラルーシ民謡を歌ったり、伝統的な遊びをしていました。
 また簡単な民族舞踊などをする子どもたち(クラブ活動でダンスを習っている子ども)は、民族衣装を着て踊りを披露します。(画像参照。)
 このような民族衣装は幼稚園にそろえられています。
 Y子の幼稚園には衣裳部屋があって、そこに民族衣装(先生用のも)が保管されていました。
 この画像では女の先生が、男性の民族衣装を着て寸劇をしていました。(やっぱり宝塚みたい。)(^^;)

 画像中央で歌っているのはY子ですが、ベラルーシ人じゃないので、民族衣装はあまり似合わないかな?

 そして5月末に終業式や卒園式があります。そこで卒園証書が授与されます。それが終わっても6月と8月は希望者は幼稚園に通うので、
「さようなら、幼稚園・・・。(涙)」
という感じになりません。

(続きは「ベラルーシの幼稚園 最終回」をご覧ください。)


ベラルーシの幼稚園 その11 「衛生面について」

2009-05-20 | ベラルーシ生活
 今回はベラルーシの幼稚園の衛生面について。
 ベラルーシの幼稚園には1グループを3人の先生が担当している、とご紹介しました。
 そのうちの1人は衛生担当の先生です。この先生は白衣を着ています。
 給食を教室に1日3回運び、配膳をするのもこの先生です。食器はトイレとは別になっている部屋で洗い、保管しています。このような食器質が各教室に一つずつついています。
 食事は各教室でとっています。

 教室や寝室の掃除をするのもこの先生です。
 さらに子どもたちが外で遊んで帰ってくるたびに、床そうじをしています。1日に3回はモップをかけています。
 冬場ベラルーシは雪が積もるため、遊び場の雪や土が靴について、更衣室の床がすごく汚れてしまうからです。
 
 この先生のおかげで教室の衛生が保たれているわけです。
 画像はトイレの洗面所にあるタオル。こちらも子ども1人に1枚のタオルと決まっています。他の子どもと共有することはありません。
 
 ここでも一つ、ベラルーシの幼稚園が抱える問題があります。
 それはやはり予算が少ないこと。
 例えばY子の幼稚園は30年ぐらい前に建てられたのですが、教室や寝室のカーテンや壁紙などは新しいものに替えられています。
 しかし、予算がなくてトイレの内装は30年前と同じです。便座も外れてしまっているし、3つある個室のうち一つは故障していて掃除用具入れになっています。

 しかし、とうとう予算が下りてトイレの全面的修繕と改装が行われることになりました。
 でも喜んでいるのも束の間、Y子のグループは他の部屋に移されてしまいました。
 そこは衣裳部屋。つまりお遊戯会のときに子どもたちが着る衣装がしまってある部屋に机を運び、臨時の教室として使っていました。
 そしてやっとトイレがきれいになった頃、Y子は卒園したのです・・・。
(卒園の時期については子どもによって少しずつ違うのですが、詳しくは後ほどご紹介します。)

 また冬の隙間風対策は先生だけだと大変なので、保護者が参加します。
 これは何かと言うと、教室の窓と桟の隙間に綿や古新聞を詰めて、さらに紙テープでふさぐことです。
 ベラルーシの窓は二重窓になっているので、全部の窓枠に綿をつめるのはなかなか大変です。
 そこで保護者のうち希望者が手伝います。

 ベラルーシは冬は寒い上に、チェルノブイリ原発事故の影響らしく子どもの免疫力が以前と比べて低下しており、風邪やインフルエンザが必ず流行ります。
 そのほか風疹など他の子どもに感染する病気が流行ると、グループごとに学級閉鎖になります。
「風邪予防のために昼食のスープににんにくを入れます。各家庭からにんにく2、3個を持って来てください。」
というお知らせの紙が貼られ、にんにくを「徴収」したこともありました。
 次の日から毎日スープににんにくがたくさん浮いている状態のものが出たそうですが、努力の甲斐なく、インフルエンザにかかる子どもが大勢出ました。

 ちなみにベラルーシでは子どもが発熱を起こす病気になると、住所によって決められている診療所の医師に診察してもらいます。
 電話予約をすると医師が自宅まで往診に来てくれます。入院の必要がなければ処方箋を出してもらい、3日後に診察に行きます。そこで病気が治っていたら、健康証明書を発行してもらいます。
 その証明書がないと再び登園することができません。もし3日後に治っていないと、また3日後に診療所に行きます。つまり3日ごとに健康状態を調べます。
 仮に発病後4日目に治っていたとしても、6日間休まないといけません。

 また両親が子どもの病気のために仕事を休まないといけない場合は、最初に診察したときに、そのことを医師に伝えます。
 すると子どもの病気のための病欠証明書を作成してくれます。
 最初に診察を受けた日付と子どもの健康証明書を発行した日付が記入されます。 この病欠証明書を職場に提出します。そしてその日数分の日給が減らされた額が月給に反映されます。しかし、子どもの病欠を理由に、完全に日給が差し引かれることはありません。 

(続きは「ベラルーシの幼稚園 その12」をご覧ください。) 

ベラルーシの幼稚園 その10 「ベラルーシの幼稚園への不満」

2009-05-20 | ベラルーシ生活
 私自身はベラルーシの幼稚園にとても満足しています。
 消耗品にお金が別にかかる、と言ってもそんなに大きな金額でもないです。
 しかし、唯一ベラルーシの幼稚園に不満なことがあります!
 それは歯磨きをしないことです! 1日に3回食事をしていますが、食後に1回も歯磨きをしていないのです。
 もちろん歯磨きのために必要な歯ブラシや歯磨き粉などを、持って来るように言われたことは一度もありません。
 ベラルーシには虫歯の人が多いのですが、幼稚園のときから歯磨きの習慣を身につけさせてないからでは・・・と思ってしまいます。
 うちの子も卒園時に歯が1本虫歯になってしまいました。

 各グループごとに洗面所、トイレがあるという環境なのに、歯磨きをしないのはおかしいですよね。
 そのわりに、洗面所に櫛やヘアブラシが置いてあるんです。(画像参照。)
 各ポケットに番号がふってあって、その上に「1番は○○ちゃんの櫛。2番は△△君の櫛・・・」という表が貼ってあります。
 他の子どもの櫛は使ってはいけない、ということです。

 虫歯予防より、髪型優先のベラルーシの幼稚園。変だと思うのは私だけでしょうか?

(続きは「ベラルーシの幼稚園 その11」をご覧ください。)
 

ベラルーシの幼稚園 その9 「ベラルーシの幼稚園が抱える問題」

2009-05-19 | ベラルーシ生活
 ベラルーシの公立幼稚園についてご紹介していますが、ここまで読むといいことだらけですね。
 日本より長時間子どもを預かってもらえる。
 給食費は国から補助が出ていて、1日3食であるにもかかわらず安い。
 都会の場合、家の近所に幼稚園がたくさんあって選べる。
 待機児童の問題もない。(ロシア語グループに入れるのは少々難しいですが。) 勉強内容のレベルが高い。
 有料だがクラブ活動もできる。
 リネンの洗濯なども幼稚園側がしてくれる。

 ・・・などなど。
 しかしベラルーシの幼稚園にも問題がいろいろあります。
 例えば給食費などは安いのですが、それ以外の消耗品は親の負担となることです。
 トイレットペーパーは年度初めに1人2個を持参。なくなったら再び持参するよう先生から「お達し」が届きます。
 食事のときに使う紙ナプキンも親が現物支給。(画像参照。)

 さらには「生水を飲ませるとお腹を壊すかもしれない。かといって常にお茶やジュースを用意するのは難しい。そこでミネラルウオーターを常備」しています。
 そのミネラルウオーター代も親が負担。値段を子どもの頭数で割って、徴収します。子どもの数が少ないベラルーシグループは負担が大きくなります。
 ちなみに多子家庭などの場合は、これも50%の負担となります。

 さらに授業に絶対必要ではない、おもちゃの類も予算が削られてしまい、家庭からの提供に頼ったりしています。(積み木やブロック、人形など。)
 教室の画像にたくさんの大型おもちゃが置いてありましたが、それも家庭からの「徴収」により集めたお金で購入した物です。
 そのあたりの判断はグループの先生の判断によります。そのためグループによって置いてあるおもちゃが違ってきています。

 このように月謝以外で直接徴収されたお金は、1年に3、4回ある保護者会で何にいくら使ったかという明細が先生から保護者に報告されます。

 また記念写真撮影代、記念DVD代なども別に支払います。
 支払わなかった子どもはDVD用の撮影に参加できず、しかも映らないように他の部屋に行かされたりするので、ちょっとかわいそうです。
 
 ときどき幼稚園に人形劇などを見せにくることがあります。1人100円程度、と安いですが、これも親が支払います。 
 このように実際には月1000円では幼稚園に通うことができません。 
 
 またベラルーシの幼稚園で困ることは、夏休みがまるまる1ヶ月あることです。幼稚園ごとにちがっており、Y子の幼稚園では毎年7月と決まっていました。
 もっともベラルーシでは1ヶ月の休暇が取れるので、幼稚園の夏休みに合わせて親が自分の休暇も取るのが普通です。
 どうしても休暇の都合が合わず、仕事に行けなくなって困る、という場合は、近所にある8月が休みという幼稚園に、1ヶ月だけ通園することになります。
 急に1ヶ月だけよその幼稚園に通うことになるので、子どもが慣れないのではないかと心配し、実際にはこの方法を選ぶ親は少ないです。 

(続きはベラルーシの幼稚園 その10をご覧ください。)
 

ベラルーシの幼稚園 その8 「寝室」

2009-05-19 | ベラルーシ生活
 教室に併設した形で寝室があります。他のグループの子どもと同じ寝室ではなく、グループごとに寝室がつくられています。ただ、寝室の奥にあるドアを開けると、隣のグループの寝室に行けるようになっています。

 寝るベッドも子どもごとに決まっています。
 シーツや枕カバーなどは、幼稚園内にあるリネン室で洗濯、アイロンがけがされており、定期的に交換されていました。
 家庭からはおねしょ対策のため、シーツの下にひくビニールシートを1人1枚持ってくるように言われただけでした。

 寝室には机が置いてあり、女の子の髪の毛を結ぶゴムなどを外して、上に置いておきます。お昼寝の後は先生が女の子の髪の毛を結び直してくれます。
 先生はすごく髪の毛を結ぶのが早いです。さすがですね。

 基本的にはパジャマに着替えるのではなく、下着姿で寝ます。
 そのほうが簡単ですからね。
 しかしY子のグループでは冬にある親が「冷えるのではないか。」と子どもにパジャマを持たせたのをきっかけに他の子どもが
「こっちのほうがかわいい。私もパジャマが着たい。」
と言い出し、突然のパジャマブームとなりました。
 
 (続きは「ベラルーシの幼稚園 その9」をご覧ください。)
 

ベラルーシの幼稚園 その7 「園児数とベラルーシ語との関連性」

2009-05-18 | ベラルーシ生活
 教室にはこのようなミニポスターも貼られています。Y子のグループはベラルーシ語のグループだったので、ベラルーシ文学者の肖像画が飾ってありました。
 クリスマスの飾りでよく見えませんが(^^;)作家のヤンカ・クパーラとヤコプ・コーラスの2人です。
 日本人でたとえると、幼稚園の壁に夏目漱石と森鴎外の肖像画が貼ってある感じでしょうか・・・。
 他にもベラルーシの地図や、ミンスクの市の紋章などが掲示されています。
 
 幼少の頃からベラルーシ語に親しみを持ち、愛国心を持ちましょう、ということなのでしょう。
 こういうことを紹介すると
「ベラルーシは独裁国家。園児を洗脳しようとしている。」
みたいな反応をされる方もいるかとは思います。
 でも、これが現状ですし、先生方はことさらそのような教育はしていません。(相手がまだ小さいし・・・。)
 一般常識として「みなさんが住んでいる国はベラルーシ。国には旗や歌がありますよ。」といった話をしているだけです。
 5月9日の戦勝記念日には、近所にある無名戦士の栄誉を称える記念碑にみんなで花束を捧げに行ったりしていました。
 このような平和教育も行っています。(戦死者が多かったベラルーシでは避けて通れないテーマです。)

 さて、園児数とベラルーシ語との関連性についてです。
 ベラルーシではベラルーシ語とロシア語が公用語です。そのため幼稚園内でもベラルーシ語グループとロシア語グループがあります。
 ベラルーシ語グループでは、ベラルーシ語を勉強し、ロシア語は勉強しません。そして先生も子どもたちに話しかけるときは、ベラルーシ語です。
 でも保護者にはロシア語で話す場合があります。(私にはいつもロシア語で話しかけていました。)(^^;)
 ダンスなどのクラブ活動は他のグループの子どもといっしょになりますので、ロシア語で教えていました。

 おかげで最初は先生の言っていることがよく分かっていなかったY子も、すぐにベラルーシ語ができるようになりました。

 さて、そのY子のベラルーシ語グループですが、入園したときは園児が23人で、そのうち男の子は6人だけでした。つまり女の子は17人です。
 それが、卒園時には19人に減っていました。男の子が7人、女の子が12人です。
 幼稚園は小学校入学前の準備コースという考え方があるため、親が選んだ幼稚園に行かせます。
 そんな親の中にはベラルーシ語を敬遠する動きがあります。

 どうしてかと言うと、ベラルーシ語ができても、将来の進学、そして就職に不利になることがあるからです。
 例えば、子どもが将来医者になりたいと思ったとき、ベラルーシの医大ではロシア語で授業を行っています。なぜならベラルーシよりロシアのほうが医学の水準が高いため、新しい技術などはロシアから学ぶことが多いからです。そのためロシアでの学会、論文など、ロシア語がよく理解できないといけません。

 またベラルーシの軍隊内でもロシア語を使っています。それはロシア軍とベラルーシ軍が密接な協力関係にあるからです。
 そのためロシア語ができないと職業軍人になるのは不利、ということになってしまいます。
 その結果、子どもに医者や軍人といったロシア語が必要とされる職業に就いてほしいと希望する親は、幼稚園のときからロシア語グループに子どもを入れようとします。
 またベラルーシ語グループに入っていても、ロシア語グループに空きが出た場合、そちらに移る子どももたくさんいます。
 その結果ロシア語グループはいつも定員いっぱいですが、ベラルーシ語グループは空きが常にある、あるいは今たくさんいても、卒園時には人数が減っている・・・ということになっています。

 そして、将来の進学や就職についてはやはり男の子を持っている親のほうが心配する場合が多く(日本も同じですね。)男の子の親の間に、特にベラルーシ語グループを敬遠する傾向が見られます。
 そのため、ベラルーシ語グループは女の子のほうが2倍ぐらい多くなっています。
 お遊戯会などでペアになってダンスをするときも、女の子同士でペアになっていました。
 また人気のある(顔がよくて、性格も優しい)男の子には、女の子の人気が台集中します。(^^;)
 それでもって、その男の子が他の幼稚園のロシア語グループに移ったりしていなくなると、悲劇です。(^^;)

 私としては子どもの数が少ないほうが、きめ細かく先生が見てくれるから、いいと思います。
 ちなみに1グループごとに3人の先生がついています。
 1人が主任、1人が補佐、1人が衛星担当です。
 主任の先生と補佐の先生が連携して授業をしたり、事務連絡に行ったりしていました。
 衛星担当の先生は、給食の配膳、食器洗い、掃除などをしていました。

(続きは「ベラルーシの幼稚園 その8」をご覧ください。) 


ベラルーシの幼稚園 その6 「1日の時間割」

2009-05-16 | ベラルーシ生活
 ベラルーシの幼稚園での1日の生活はどうなっているのでしょうか?
 年齢によって微妙に違いがありますが、大体このような時間割になっていました。
 
7:30-8:30 登園、体操
8:30-8:55 朝食
8:55-9:10 お片づけ、授業の準備
9:10-10:30 授業
10:30-10:45 着替え、トイレ
10:45-12:20 休み時間、戸外での遊び
12:20-12:30 着替え、手を洗う
12:30-13:00 昼食
13:00-15:10 昼寝
15:10-15:30 着替え、空気の入れ替え
15:30-16:38 クラブ活動
16:38-17:00 おやつ
17:00-18:00 お迎え、帰宅 


 このうち、「クラブ活動」についてです。 
 幼稚園ですから学校のクラブ活動とは同じではありません。
 しかも有料となっています。
 Y子の幼稚園では、「ダンス」「論理(知恵遊び)」「ベラルーシ語 読み方」「お絵かき」の4種類がありました。お絵かきは無料でしたが、他のクラブ活動は、月に800円ぐらいでした。(こちらの支払いは別の用紙を使ってやはり銀行振り込みでした。)
 クラブ活動の内容は幼稚園によって違いがあり、英語や演劇を教えている幼稚園もあります。
 
 Y子はダンスとお絵かきを習っていました。
 ダンスって言っても幼稚園だから、簡単なことをしているのだろう、と思っていたら大間違い。バレエのポジション(第1ポジション、と言うあれです。)などを習っていました。
 論理(知恵遊び)とは何かと言うと、先生が言ったとおりに
「右に2ます、それから下に5ます。」
と方眼紙に線を引くと図形ができたり、動物の形になったりする・・・といった遊びをすることが多いようです。(Y子が通っていなかったので、よく分からないです。)
 そのほか簡単な計算をしていました。
「ベラルーシ語」は絵本を読んで、簡単なお話が読めるようにしていました。

(続きはベラルーシの幼稚園 その7をご覧ください。画像は教室のようす。おもちゃがいっぱい。)

ベラルーシの幼稚園 その5 「お勉強」

2009-05-15 | ベラルーシ生活
 このまま幼稚園でのお勉強についてご紹介します。
 幼稚園ですが、学校のように黒板が取り付けられ、子どもが座る席も劇場のように全部前を向いています。
 ちなみにベラルーシでは茶色の黒板が多いです。

 時間割はこのようになっています。
 年中組の場合。

月 世界(自然や交通ルールなど) 図工(粘土遊びあるいは切り絵細工) 体育(戸外)
火 音楽(歌) お絵かき 体育(戸外)
水 算数(数字)あるいは立体工作(積み木遊びのこと) 体育(体操場)
木 国語(文字) 体育(体操場)
金 国語(物語) 音楽(歌)

 こうして見ると、体育がほとんど毎日ですね。戸外の体育というのは、幼稚園の敷地内で10メートル走をしたり、鬼ごっこのようなゲームをします。
 体操場の体育ではボールを使ったり、平均台やマット、ろく木などを使った授業になります。
 「世界」の授業では、動物や植物の名前、季節の順番、交通ルール、特に横断歩道の渡り方などを勉強します。
 そのために幼稚園の敷地内に横断歩道の絵が描いてあります。
 Y子の幼稚園にはありませんでしたが、電気式の小さい信号機を取り付けている幼稚園もあります。

 年長組の時間割はこうなっています。
月 世界(自然や交通ルールなど)お絵かき 体育(戸外)
火 国語(文法)音楽(歌と簡単な楽器演奏) 図工(粘土作品) 体育(体操場)
水 算数(計算)お絵かき 論理(知恵遊び) 体育(体操場)
木 世界(自然や交通ルールなど) 図工(切り絵細工かデザイン) 音楽(歌と簡単な楽器演奏) 体育(戸外)
金 国語(話す力)立体工作(積み木遊びのこと) 体育(体操場)

 論理(知恵遊び)というのは迷路を解いたり、クイズを解いたりします。
 楽器演奏は、打楽器(たいこやタンバリン、トライアングル、鈴など)や笛を使っていました。
 粘土細工の作品は氏名をつけて更衣室の棚の上に飾られ、保護者が見ることができるようにしていました。
 また世界の授業では、ベラルーシのことを勉強するようになります。ベラルーシの国旗や、ミンスクが首都であること、ミンスク市の紋章などです。
 教室の黒板の上にベラルーシの国旗と国歌の歌詞が印刷されたミニポスターが貼られています。もっとも国歌の歌の練習などはしません。

 幼稚園の年長組を修了する頃には、ベラルーシ語のアルファベットの活字体が読めるようになっています。
 算数はもっとレベルが高く、10までの数字の足し算と引き算ができるようになり、0の概念も学びます。
 また虫食い算もできるようになります。(例 6-□=1 □に入るのは何でしょう? といった問題です。)

 ベラルーシでは幼稚園に限らず全般的に理系科目に力を入れています。でも幼稚園からこのレベルなので、すごいと思いました。

 ちなみに幼稚園では学校のような教科書は使いません。
 それからこの授業は9月から翌5月まで行われます。
 6月と8月は勉強はせず、ほとんど1日中外で遊んでいます。(Y子の幼稚園は7月は休園していました。)
 もっとも夏になると親が1か月の休暇を取るため、さらにおじいちゃんやおばあちゃんが子守りもする場合、3ヶ月まるまる登園しない子どももいました。
 そんなわけで夏の間は勉強もないし、子どもの数も減ってしまい、他のグループと「統合」されてしまうこともありました。
 給食の予算を組まないといけないので、夏にあると先生から
「6月は登園しますか? 8月は?」
と確認されました。もちろん登園しない月の月謝は支払いません。

(続きは「ベラルーシの幼稚園 その6」をご覧ください。)