ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシの幼稚園 その9 「ベラルーシの幼稚園が抱える問題」

2009-05-19 | ベラルーシ生活
 ベラルーシの公立幼稚園についてご紹介していますが、ここまで読むといいことだらけですね。
 日本より長時間子どもを預かってもらえる。
 給食費は国から補助が出ていて、1日3食であるにもかかわらず安い。
 都会の場合、家の近所に幼稚園がたくさんあって選べる。
 待機児童の問題もない。(ロシア語グループに入れるのは少々難しいですが。) 勉強内容のレベルが高い。
 有料だがクラブ活動もできる。
 リネンの洗濯なども幼稚園側がしてくれる。

 ・・・などなど。
 しかしベラルーシの幼稚園にも問題がいろいろあります。
 例えば給食費などは安いのですが、それ以外の消耗品は親の負担となることです。
 トイレットペーパーは年度初めに1人2個を持参。なくなったら再び持参するよう先生から「お達し」が届きます。
 食事のときに使う紙ナプキンも親が現物支給。(画像参照。)

 さらには「生水を飲ませるとお腹を壊すかもしれない。かといって常にお茶やジュースを用意するのは難しい。そこでミネラルウオーターを常備」しています。
 そのミネラルウオーター代も親が負担。値段を子どもの頭数で割って、徴収します。子どもの数が少ないベラルーシグループは負担が大きくなります。
 ちなみに多子家庭などの場合は、これも50%の負担となります。

 さらに授業に絶対必要ではない、おもちゃの類も予算が削られてしまい、家庭からの提供に頼ったりしています。(積み木やブロック、人形など。)
 教室の画像にたくさんの大型おもちゃが置いてありましたが、それも家庭からの「徴収」により集めたお金で購入した物です。
 そのあたりの判断はグループの先生の判断によります。そのためグループによって置いてあるおもちゃが違ってきています。

 このように月謝以外で直接徴収されたお金は、1年に3、4回ある保護者会で何にいくら使ったかという明細が先生から保護者に報告されます。

 また記念写真撮影代、記念DVD代なども別に支払います。
 支払わなかった子どもはDVD用の撮影に参加できず、しかも映らないように他の部屋に行かされたりするので、ちょっとかわいそうです。
 
 ときどき幼稚園に人形劇などを見せにくることがあります。1人100円程度、と安いですが、これも親が支払います。 
 このように実際には月1000円では幼稚園に通うことができません。 
 
 またベラルーシの幼稚園で困ることは、夏休みがまるまる1ヶ月あることです。幼稚園ごとにちがっており、Y子の幼稚園では毎年7月と決まっていました。
 もっともベラルーシでは1ヶ月の休暇が取れるので、幼稚園の夏休みに合わせて親が自分の休暇も取るのが普通です。
 どうしても休暇の都合が合わず、仕事に行けなくなって困る、という場合は、近所にある8月が休みという幼稚園に、1ヶ月だけ通園することになります。
 急に1ヶ月だけよその幼稚園に通うことになるので、子どもが慣れないのではないかと心配し、実際にはこの方法を選ぶ親は少ないです。 

(続きはベラルーシの幼稚園 その10をご覧ください。)
 

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