goo blog サービス終了のお知らせ 

電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

映画「PERFECT DAYS」を観る

2024年02月14日 06時00分40秒 | 映画TVドラマ
10日の土曜日、三連休の初日に、映画「PERFECT DAYS」を観てきました。なにやらカンヌ映画祭で賞をもらったとか役所広司が主演だとか、断片的な情報は息子を通じて得ていたのですが、どんな作品かは全く知らず、先入観なしの鑑賞となりました。



主人公・平山は、中年というより見た目では初老にさしかかったような様子のトイレ掃除人の男性です。画面は主人公の朝の目覚めから仕事に出かけ、様々な趣向の工夫された公衆トイレをていねいに掃除をし、帰ってから銭湯や飲み屋で息抜きをして眠る、その繰り返しを淡々とドキュメンタリー・タッチで描いていきます。でも単純な繰り返しではなく、若いチャランポランな相棒との関わりや休憩時に神社の境内で出会う人々や、趣味にしている写真や植物、あるいは古書店でのやり取りなどを挿入し、殺伐とした貧困生活ではない、精神的には落ち着いた生活であることが描かれます。このあたりが、映画のチラシにあった一言、

こんなふうに
  生きていけたら

に通じるのでしょう。もしかしたら、多くの人が若い頃に憧れたかもしれない清貧な生活です。



しかし、そんな繰り返しの生活の中に投げ込まれた小石は、彼の姪でした。厳しい母親と対立して家出をしてきたらしい高校生くらいの少女は、伯父さんである主人公の後を付いて歩き、公衆トイレの掃除を手伝い、なぜか突然2台になった自転車で、彼女の知る世界を広げていきます。どうやら平山は運転手付きの高級車を乗り付ける妹の状況から判断して、実はかなりの財閥の息子で、父親と対立する中で今の生活を自ら選び取ったらしい。いわば、自覚的な中高年ミニマリストのシンプルライフというわけです。

休日、珍しく腕時計をして出かける居酒屋で、心を寄せるおかみの歌「朝日のあたる家」が上手なのに驚きましたが、石川さゆりだったのですね。そしてギターは多分あがた森魚。

この後のネタバレは割愛して、監督の名前と経歴を見ていたら、ヴィム・ヴェンダースさんといい、どうやら以前観た「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の監督でした。あれも良かった。今回も、良い作品だったと思います。



ただし、では平山のストイックな生活に憧れるかというと、微妙です。自分の単身赴任の頃のアパート生活(*1,*2)は、ストイックという意味ではまさにあんな生活でしたが、最初はいいけれど数ヶ月で「潤いがない」と感じるようになりました。おかげで、MDミニコンポなどを購入して一息ついた(*3)ことを思い出します。主人公も、老年になってアパートの契約を断られるとか、病気をして居酒屋のおかみに厄介になるとか、様々な将来図が見えてきそうです。そういう意味では、「やや PERFECT に見えなくもない DAYS」なのかもしれません。

(*1): 単身赴任の住まい〜「電網郊外散歩道」2008年4月
(*2): 単身赴任先に運ぶ本とCD〜「電網郊外散歩道」2008年4月
(*3): 単身赴任用にONKYOのミニコンポを購入〜「電網郊外散歩道」2008年7月

コメント (2)

温泉に行き、お風呂と松花堂弁当を味わう

2024年02月13日 06時00分31秒 | 散歩外出ドライブ
農閑期なので、妻のプレ古希ほか色々とりまぜてプチお祝いをしようと、家族で東根温泉「ののか本郷館」でお風呂と松花堂弁当を楽しんできました。以前、亡母と孫たちと「雛膳弁当」を食べた記事(*1)を書いていますが、この旅館は東根温泉の中では老舗旅館になるのでしょうか、20年ほど前に改築してきれいな宿になっています。写真は、フロント前のロビーの様子。



大きな団体の宴会などには不向きですが、逆に言えばそうした酔客の混雑に出くわす確率はあまり高くない、地元の粋人の御用達のような宿(*2)です。




久しぶりに、板前さんの心尽くしをいただきました。鯛飯が美味しかったし、季節の味、例えばあさつきの酢味噌和えなども新鮮で美味しかった。お風呂にも入ってゆっくりして帰宅しましたが、我が家に着くなり、やんちゃ猫・李白に「どこに行ってたニャ〜」とまとわりつかれました(^o^)/

(*1): 孫たちと温泉に行き、「雛膳弁当」を食べる〜「電網郊外散歩道」2016年3月
(*2): 個人的な選択でいうと、有名ホテル旅館は団体客を主たる対象としているところが多く、同窓会などの宴会を除けば利用は少ないかな。親戚友人知人から家族で瀟洒に泊まりたいという要望の場合には、天童温泉の湯元「松の湯」を紹介しています。ここは源泉だけあってお湯が豊富できれい。メゾネットの場合、たぶん満足感は高いですがお値段が少しお高いのと、なかなか予約がとれないのが難点。庶民的で静かな宿というとさくらんぼ東根温泉「ののか本郷館」、さらに庶民的な宿といえば、お風呂が少し小さめだけれど料理が美味しい同「さくら湯」あたりでしょうか。

コメント

山響第314回定期演奏会でパウルス、チャイコフスキー、メンデルスゾーンを聴く

2024年02月12日 06時00分52秒 | -オーケストラ
鼻づまり症状が出て寝不足な今日この頃、なんとか頑張って山響こと山形交響楽団第314回定期演奏会に出かけました。少し出遅れたせいもあって、駐車場はどこも満車、仕方なく霞城セントラルの屋内駐車場に車を入れて、会場の山形テルサホールに向かいましたら、この日は県民ホールの反田恭平&ジャパン・ナショナルオーケストラツアー2024というコンサートとぶつかっていたのですね。テルサホールの山響定期はチケット完売、満席だそうで、幸いでした。今回のプログラムは、

  1. スティーヴン・パウルス:スペクトラ
  2. チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調 Op.23 上原彩子(Pf)
  3. メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調「イタリア」Op.90
     キンボー・イシイ指揮、山形交響楽団

というものです。

開演前のプレトークが面白かった。指揮のキンボーさん、山形入りしてさっそく財布を無くしたんだそうで、周囲の人が一緒に探してくれて、まもなく無事に見つかったそうです。西濱事務局長も銀行のキャッシュカードを落として「これ誰のですか〜」と言われているのに気づいたことがあるのだそうで、うっかりなお二人というよりも、「山形あるある」かも(^o^)

さて、1曲め、「スペクトラ」という現代曲の楽器編成と配置は、左から順に第1ヴァイオリン(8)、第2ヴァイオリン(7)、チェロ(5)、ヴィオラ(5)と指揮者を囲み、右端にコントラバス(3)となります。正面奥の前列にフルート(1)とオーボエ(1)、後列にクラリネット(2)とファゴット(1)、木管の左にホルン(2)、右にトランペット(1)とトロンボーン(1)というやや縮小した編成で、再後列にパーカッションが陣取り、ティンパニ、シロフォン、タムタム、スネアドラム、サスペンド・シンバル、ドラ、ウッドブロック、ムチ、シンバルと多種多彩。見ているだけで面白そうです。
演奏が始まると、いわゆる現代音楽の難解さはなく、鮮烈で楽しいものでした。特に第2楽章の2本のホルンが弦楽合奏と協奏するところや、第3楽章のパーカッションが活躍するところなど、とても魅力的に感じました。常盤さんのティンパニの迫力、平下さんの目を見張るマレットさばき、三原さんのスネアドラム?が思い切りが良くてナイス!でした。

2曲めは、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番です。ステージ中央にピアノが引き出され、8-7-5-5-3 の弦楽5部に Fl(2)-Ob(2)-Cl(2)-Fg(2) の木管群、その左に Hrn(4)、右に Tp(2)-Tb(3)が並び、正面最奥部に Timp. という楽器配置です。上原彩子さんは鮮やかなピンクのドレスで登場、力強くダイナミックで、それでいて弱音部は限りなく優しく、もう素晴らしい演奏! 私もこの曲を聴くのはしばらくぶりでしたので、前日まで清水和音盤とかギレリス盤とかいろいろなCDを聴いて予習してきましたが、素晴らしい演奏を前にしてみんな吹っ飛びました。ブラヴォー!
そしてアンコールがまたため息ものでした。ラフマニノフの「幻想的小品集 メロディ Op.3-3 ホ長調」だそうですが、聴衆も息を呑む静けさの中に音楽が流れ、この時間がいつまでも続いてほしいと思うほど。



休憩の後は、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」です。ピアノが後方に退き、楽器配置は 8-7-5-5-3 の弦楽5部に Fl(2), Ob(2), Cl(2), Fg(2), Hrn(2), Tp(2) に Timp. という編成。違うのは、ホルンとトランペットがバルブなしのナチュラル・タイプであることと、ティンパニもバロック・ティンパニを用いることです。このあたりは、作曲当時の楽器や奏法に準じることで、作曲家が思い描いた当時の音に近づけるという山響の特徴でもあります。
演奏が始まると、指揮のキンボーさん、中〜低音をしっかりと響かせて、その上で歌うように意図しているようで、例えば第2楽章ではチェロやコントラバスの持続する動きがよくわかります。第3楽章で突出しないナチュラル・ホルンが破綻なくバランス良く鳴らされると、ヴィヴラートを最小限に抑えたヴァイオリン群が入ってくるときのキラキラした輝かしさは例えようがない魅力です。終楽章、沸騰するようなサルタレロ。変なたとえですが、小さなミルクパンの沸騰ではなくて、中低音の土台の上に乗って、大鍋の沸騰みたいな迫力がありました(^o^)/



ああ、良かった。今回も良い演奏会でした。次回3月9日・10日の第315回定期は、世界の巨匠オッコ・カムさんが再び登場、これも特別な楽しみです。山響がある限り、私の楽しみはまだまだ続きそうです。



ところで、いただいたチラシの中で、遅筆堂文庫山形館のトークイベントで山形交響楽協会専務理事の西濱英樹さんの図書館トークの案内がありました。2月18日の日曜日の14時から東ソーアリーナにて。面白そう、行ってみたいと思ったら、ナンタルチヤ! 同日同時刻にサクランボの剪定講習会が入っているではないですか! すでに申し込み済で、うーむ、残念無念。遅筆堂文庫さん、何かの機会に、ぜひ皆さんに公開してくださいな。お願いしま〜す(^o^)/

コメント (2)

年齢相応に生活を見直す〜クレジットカードの限度額など

2024年02月11日 06時00分34秒 | Weblog
先日、思い立ってクレジットカードの契約時の設定を再確認してみました。若い頃、まだ30代での渡米時に作ったカードは、米国での突然の医療費の支払いなども想定に入れたためかなり高額の利用限度額になっており、退職して週末農家から専業農家になった今となってはそこまでは不要です。また、悪魔の契約とも言われるリボ払い枠やキャッシング枠などは今後とも使う見込みはありません。そんなわけで、年齢相応に生活を見直す一環として、クレジットカードの限度額を思い切り下げ、他の付帯項目は全く使わない形に変更しました。インターネット接続のプロバイダへの支払いなど、なければ困るのだけれど、かと言ってあまり積極的に使おうとも思いません。地元のお店では購入できないもののために、たまに某密林で使うくらいかな。

コメント

佐藤厚志『荒地の家族』を読む

2024年02月10日 06時01分45秒 | 読書
新潮社刊の単行本で、佐藤厚志著『荒地の家族』を読みました。2023年、第168回芥川賞受賞作品です。どちらかと言えば直木賞受賞作品に興味を示し、芥川賞のほうは敬遠気味なのですが、東日本大震災を背景とした作品(*1)の一つということで図書館で予約していたのが、ようやく順番が回ってきたという次第。

主人公・坂井祐治は植木職人で、独立したばかりのところで津波にみな流されてしまったという背景を持つ、いわゆる一人親方です。まず、この植木屋という職業設定がいい。植木職人であれば、工場勤務などとは異なり、地域の様々な人々の家に入って仕事をすることになりますので、震災復興の背後にある荒廃や様々な悲しみに向き合うこととなります。しかも、植木屋の職人気質は、どちらかといえば対人関係は不器用で無口で、家族の様々な不幸にじっと耐える姿を描くことができます。実際に主人公は、息子を授かりひたすら働くうちに最初の奥さんを病気で亡くします。6年後に再婚しますが、奥さんはできた子どもが体内で成長を止め、死産という結果になってしまいます。本当は一緒に悲しんでほしかったのでしょうが、仕事の再建を目指す職人気質はそれができない。そんな夫を拒み、妻は家族の食器をみな金槌で叩き割って家を出ていき、離婚届を送りつけますが、祐治は諦めきれない。六郎や明夫など周囲の人々も、みなそれぞれに痛手を負っています。震災を取り上げた様々な作品の中で、庶民の日常の姿を描きながら、いまだに癒えない傷と荒廃をリアルに描いたものと言えましょう。

うーむ。若い時代ならばもう少し純文学として受け止めることができたかもしれませんが、70歳を越え、様々な不幸も実感として理解できる今の年齢で読むにはいささか切なく苦しいものがあります。とりわけ能登半島地震の報道を見聞きしながらですので、思わずため息をついてしまいます。

(*1): 熊谷達也『潮の音、空の青、海の詩』を読む〜「電網郊外散歩道」2016年10月

コメント (2)

「スローガン」のこわさ

2024年02月09日 06時00分15秒 | Weblog
物事が「イケイケドンドン」で順調に進んでいる時は、共通のスローガンを掲げてあまり深く考えずに突き進んでも、一定の成果をあげることができるものです。ところが、状況が変わってしまっても同じスローガンを自らの(自社の、自組織の)強みととらえ、それが独り歩きし、本質を考えることをしなくなってしまったら、怖いことになります。

例えば、バブル期以前にはプロセスの合理的な改善を追求することを「乾いたタオルを絞る」ようにすることととらえ、そうした経営の手法を評価する記事や本が多かったように思います。しかし、よく考えれば、すでに乾いてしまったタオルはいくら絞ってももう水分は出ない。組織が硬直していてそれを認めることが難しい時、ではどうするかと言えば、いかにも水分が出たように装うしかなくなるのではなかろうか。

これは、一企業に限った問題ではないように思えてなりません。「選択と集中」、「民間活力の導入」、「自己責任」などの「スローガン」に表されるような単線的な考え方が自己の(自社の、自組織の)伝統や強みとして定着してしまうと、それは本質を考えないで済ますという別の弊害を生み出しかねない面があるように思います。

コメント (2)

「椿姫〜ラ・トラヴィアータ」のアリアを聴く

2024年02月08日 06時00分26秒 | -オペラ・声楽
昨日は、先日の「椿姫」公演を思い出しながら手持ちのLDやCDを当たり、またネット上の動画を探していたら、すっかり「椿姫〜ラ・トラヴィアータ」の音楽にはまり込んでしまいました。気の向くままに、YouTube で検索した結果から有名どころのアリアをいくつか選んでみると、次のようになります。

プラシド・ドミンゴとイレアナ・コトルバスのコンビで、1981年のメトロポリタン歌劇場での公演から、第1幕の「乾杯の歌」。
【イタリア語】椿姫 - 乾杯の歌 (Libiamo ne' lieti calici) (日本語字幕)


森谷真理さんのソプラノで「椿姫」第1幕より「ああ、そはかの人か〜花から花へ」
Mari Moriya "E strano... Ah, fors'è lui... Sempre libera" La Traviata


第2幕、パヴァロッティが歌う「燃える心を」、1980年。
Verdi: La traviata / Act 2 - "Lunge da lei" - "De' miei bollenti spiriti" (Live)


同じく第2幕、父ジェルモンの歌う「プロヴァンスの海と陸」、2019年、ヴェローナ野外劇場にて。
La Traviata - Di Provenza il mar, il suol - Arena di Verona 2019


第3幕、ヴィオレッタの悲嘆「過ぎし日よ、さようなら」をマリア・カラスの歌で。1953年の録音。
MARIA CALLAS La Traviata, Addio del passato 1953 (audio) e 1958 (foto)


結核で明日をもしれぬ命の女性がこんなスゴイ歌を歌えるのか、という問題はありますが(^o^)、まあそこを問わないのがオペラのお約束ということで、ヴェルディの音楽と素晴らしい歌唱を堪能することができました。我が家のやんちゃ猫・李白も、すっかりファンになったようです(^o^)/

コメント (4)

地元紙の値上げと電子版を利用開始したこと

2024年02月07日 06時00分04秒 | コンピュータ
しばらく前に、地元紙・山形新聞の値上げが発表され、それまでたしか1ヶ月3,700円だったのが一気に500円の値上げとなり、4,200円になりました。ずいぶん上がるんだなあと驚きましたが、某全国紙などは「当社は値上げいたしません」と宣伝して購読者勧誘に歩いているようで、このあたりの動向がどんな結果となってくるのか、興味がもたれます。

実は、山形新聞の月ぎめ購読者には特典があり、山新IDとしてメールアドレスを登録することで、紙の新聞が届く他に、パソコンやタブレット、スマートフォンなどで山新電子版を自由に閲覧することができることを知り、先日ようやく登録を済ませました。これで、朝、妻が新聞の訃報欄を眺めている傍らで、リビングのパソコンで私が地域記事を読むということができるようになりました。また、過去の記事を検索して調べることができるだけでなく、見出しで興味を持った記事を画面上で拡大縮小して大きな文字で読むこともできます。同居世帯で5人までは家族利用として同一IDを共用することができるそうで、これはなかなか便利です。

同じ料金で、紙の新聞はいらない、情報だけあればよい、という契約もできるようなのですが、実は果樹農家にとっては「新聞紙」という紙素材が様々に使われる場面があり(*1)、単純に情報だけあれば良いというわけにはいかない面もあります。ですから、3,700円→値上げして3,900円+電子版300円くらいの感覚で受け取っていれば、まあ納得できるのかなあと思っています。

(*1): せっかくの土曜休日は朝から雨降り〜「電網郊外散歩道」2016年8月〜新聞紙が収穫した桃の運搬に重要な役割

コメント

今年初のインク補充〜記録から見る最近の傾向

2024年02月06日 06時00分39秒 | 手帳文具書斎
先日、宮本常一著『山と日本人』を読みながら抜書していたことを記事にしましたが、そのときに使った万年筆、パイロットのグランディの中字のインクがなくなりましたので、同社のブルーブラックを補充しました。昨年までは同社の「紺碧」やパーカーの Quink を使ったりして揺れ動いていましたが、割り切って同社のブルーブラックに変えました。なにせA5判のノート5頁を一気に書きましたので、おのずと書き慣れていて書きやすいものを選ぶことになります。細字よりは中字、できるだけインクフローの良いものというと、私の手元にあるものではこれかTWSBIのダイヤモンド580ALラヴァーか、あるいはプラチナ社の PROCYON か、ということになります。




そういえば、今回が今年最初のインク補充かも。



記録によれば、一昨年はのべ25回、昨年は23回、インクを補充しました。顔ぶれを見ると、一年間休ませていたカスタム・グランディが復帰したために LIGHTIVE とプレラ青軸を休ませることにしたのと、モンブランのマイスターシュテュック149 も休ませることにしたので、使用中の本数が減っています。昨年のインク補充回数をもとにした順位としては、

  1. プラチナ #3776ブルゴーニュ(F) プラチナ 古典ブルーブラック 5回
  2. パイロット カスタム・グランディ(M) パーカー Quink 4回
  3. TWSBI ダイヤモンド580ALラヴァー(M) モンブラン ロイヤルブルー 及び プラチナ PROCYON(M) プラチナ 古典ブルーブラック 3回

となっています。さて、今年はどんな結果になるのだろう。1月中の補充がなかったことから見て、さらに回数が減るのかな?

コメント

ホームセンターで猫砂等を購入、猫がハタキに大興奮

2024年02月05日 06時00分15秒 | アホ猫やんちゃ猫
猫のトイレに入れる猫砂が残り少なくなり、購入してきました。ついでに掃除用具コーナーでハタキを購入しましたが、布団たたきは売っていないようです。お店の人に尋ねたら、隣の百均で売っているとのこと。



猫砂は大喜びでほじくり返し、ウンコやおしっこをしていましたが、掃除中にハタキに興奮して飛びかかってじゃれるのには参りました。今どき、なぜハタキなどを使うのか。それは、ハウスダストアレルギー対策で最も良い方法は掃除をすることだそうで、床や寝具等を掃除するだけでなく、壁紙についているホコリも除去する必要があるのだとか。晴天の日を選んで窓を開け放ち、パタパタとハタキをかけると、なるほど、ホコリが付いているのがわかります。



コメント

宮本常一『山と日本人』を読む

2024年02月04日 06時00分22秒 | -ノンフィクション
近年、エサ不足でクマが里に降りてきて大騒ぎになったり、山近くの畑や果樹園では猿や鹿など野生動物の被害が多くなってきています。背景には温暖化の影響のほかにも、里山近くの集落の急速な衰退があるのではないかと懸念していますが、そういえば明治以前の日本では里と野生動物との関わりはどうなっていたのだろうと、妙な関心を持っていました。たまたま図書館で手にしたのが2013年に八坂書房から刊行された単行本で、宮本常一著『山と日本人』です。パラパラと読んでみたら、実に面白そうです。さっそく借り出して読んでみました。



本書の構成は、次のようになっています。順序立てて論を進めるタイプの本ではなく、様々な機会に書かれた論考をテーマにそって編集したもののようです。

修験の峯々
魔の谷・入らず
消えゆく山民
狩猟
陥穴
木地屋の漂泊
山村を追われる人々
山と人間
身を寄せ合う暮らし
豊松逍遥
信濃路
山の神楽
山村の地域文化保存について

あまりに面白いので、ところどころ抜書したり大要をまとめたりしながら読みました。



特に面白かったのが「狩猟」や「陥穴」で、具体的な記述が興味深く、オオカミの脅威をどのように防いでいたかなどは先人の知恵を感じます。例えば、引用と言うよりは大要ですが、

宮城県川崎町ではイノシシの陥穴ではなくオオカミの陥穴がもとはたくさんあったという。この地方は、旧藩時代には馬の牧がたくさんあって、そこに馬を放牧していたが、その馬をオオカミが襲って食い殺すことが多かった。そこで牧場のまわりにオオカミの陥穴を掘って侵入を防いでいたと言う。その穴は、直径2m、深さ2mくらいのもの。オオカミも通り道がほぼ決まっていて、そこに穴を掘った。(p.96)

あるいは、

岩手県九戸郡山形村では、猿、鹿、イノシシ、カモシカ、オオカミなどの野生の獣がいた。このうち、村人が一番恐れ、また困らされたのがオオカミで、よく牛を襲って殺した。明治の頃まではオオカミの被害が多く、山中の一軒家には住むことができなかったという。どの家でも槍を持っていて、それで獣を防いだ。また、家畜を守るために犬を飼っていた。(p.97)

などなど、興味深いところです。現代ではニホンオオカミは絶滅しており、むしろクマやイノシシ、シカ、サルなどの問題がクローズアップされていますが、根本的には里山が都市近郊に対する緩衝地帯としての役割を果たしてきたけれど、その里山近くの集落が衰退していったら、多分、野生動物が都市を徘徊する「事件」は日常的に頻発するようになるのではなかろうか。

コメント

ボールペンの替芯にも環境の風〜『Bun2』2024年2月号を読む

2024年02月03日 06時00分50秒 | 手帳文具書斎
一昨日、お出かけのついでに行きつけの文具店に寄り、愛用の三菱のスタイラスペンの替芯を購入してきました。このペンは、本来Jetstreamの0.5mm芯が使われているのですが、老眼対策で黒は1.0mm、青と赤は0.7mm芯に交換しています。今回は黒と青を補充したいということで、黒の1.0mmと青の0.7mm芯を3本ずつ購入。黒の1.0mmのほうは需要がそれほど多くないのか、従来と同じポリ袋タイプの包装です。これに対して青の0.7mmのほうは需要が多く更新が早いのでしょう、すでに紙袋タイプの包装になっていました。なるほど、こうやって化石燃料から木材資源の有効利用のほうへ、少しずつ移行しているのだな。ボールペンの替え芯にも環境の風が吹いていることを実感した出来事でした。



また、同店でステーショナリー・フリーマガジン『Bun2』2024年2月号を入手してきました。今号の特集は、

2024年のトレンド文具を探る!
 〜若年層をターゲットにした個性派ボールペンや色にこだわった文具シリーズなど

というものだそうで、

  • 大学生世代に向けた「フリクションWaai」〜パイロット
  • 絵の具のような発色「MATTEHOP」〜ぺんてる
  • 先端を引いて芯を出す「トプル」〜サンスター文具
  • 色にこだわった文具「あの・とき・いろ」〜ナカバヤシ
  • 替え芯まで環境対応「バイオチューブ搭載ジムノック」〜ゼブラ

などが紹介されています。中高年世代と言うよりも万年筆愛用中の爺さんには縁がうすそうな方向性ですが、多彩な筆記具が選択できるのはありがたいことで、まずは歓迎すべきところでしょうか。

むしろ興味深かったのは、

万年筆で楽しむ「もこ字」の世界

という記事。私の筆跡も、実はペン習字のお手本のような美文字からは遠く、どちらかというと丸っこい・四角い字ですので、もこもことした「もこ字」には思わず親近感を感じます。思わずじっくり眺めてしまいました(^o^)/

コメント

ちょうどいい手頃なノートバンドになっている

2024年02月02日 06時00分27秒 | 手帳文具書斎
昨年の初冬の時期に、足元の防寒対策として購入したワークマンのルームシューズ(*1)でしたが、お店の商品陳列時に左右がばらばらにならないように留めていた「FieldCore」というロゴ入りのバンド、ふと廃物利用を思いついて、ダイアリーや備忘録ノート用の専用バンドとして使ってみました。そうしたら、これが実にぴったんこで、すっかり定着し愛用しております。何よりもB6判とA5判のサイズにぴったりなのが嬉しい。どちらがどちらだったか忘れてしまいましたが、たぶんB6判のダイアリーにちょうどいい方が普通のルームシューズの方で、A5判の備忘録ノートに使っている方がコサック風のくるぶしまで隠れるタイプのルームシューズを固定していたバンドだったように思います。



ノートやダイアリーにちょっとしたメモ紙や連絡はがき等をはさんでおくと、バッグの中で落として肝心のときに見つからなくなる恐れがありますが、こういうノートバンドで固定しておけばそういう事故は防げます。今まで使っていた髪ゴムも便利でしたが、案外すぐに伸びてしまって、耐久性に関して難点がありました。こんどの「ワークマン・バンド」のほうはどうでしょうか。どのくらいの期間、実用的に使えるのか、興味深いところです。



(*1): 「ルームシューズで足元を暖かく」計画〜「電網郊外散歩道」2023年12月

コメント

自宅裏の果樹園でサクランボの剪定を開始する

2024年02月01日 06時00分40秒 | 週末農業・定年農業
一昨日に続き昨日も雲ひとつない晴天となりましたので、自宅裏のサクランボ果樹園の剪定作業を開始しました。ほとんど雪のない冬ですので、脚立を運ぶのも楽勝です。昨年1年間で伸びた枝を間引いて整理するだけでなく、全体的に光が充分に当たるように、冬場に見ればスカスカに感じる程度に剪定していきます。



例えばこの状態では、樹の中心部に向かって分れて伸びている枝がたくさんありますが、これはやがて重なり合い、光を遮るだけになってしまいます。樹の中心部の方向は明るく光が届くように分岐する枝をごく少なく、逆に主枝が伸びる方向には成長枝を確保しつつ、しっかりした花芽が多くついている短果枝は残すように剪定していきます。



ここまで剪定すると、まずまずかな。お天気がいいので、ラジオを聴きながらの作業も楽しくできます。1人だけの作業ですと、午前中に1本の半分くらいの進み具合です。脚立の上でバランスを維持するには、脚部の筋力はもちろんですが、けっこう腹筋と背筋を使います。作業の始まりの時期には、体を慣らす意味で適度に休みながらとは思っていますが、やっぱり1人で畑に出てしまうと3時間立ちっぱなしというのが起こってしまいます。この時期は、飽きたら中断、くたびれたら休憩、というのが大切なようです。



ところで、例年、1月末の今ごろの時期は、好天に恵まれるような印象があります。晴天で積雪の表面が融ける→放射冷却で夜は氷点下に下がる→表面が凍った「かた雪」となり子どもが上がっても沈まない雪面になる→小学校まで道路を通らず田んぼの中をまっすぐ突っ切って登校できた記憶があります。あれはこの時期だったのではなかろうか。そして「節分寒波」と呼ばれる2月の寒波が来ていたような気がしますが、寒暖の波を何度か繰り返しながら、間違いなく春がやってくるのでした。今回の寒波はこの節分寒波に相当するのでしょうか、地震の被災地の方々にはまだまだ辛い冬でしょうが、少しずつ昼は長く夜は短くなっていますので、なんとか乗り切っていただきたいものだと願っています。

コメント