このところ、「第3番」という番号を持つ音楽を選んで聴いておりますが、そんなことでもなければ手に取らなかったであろう、シューベルトの交響曲第3番を、大いに楽しみました。1815年の5月に第1楽章が書き始められたといいますから、ちょうどその前年にはベートーヴェンの交響曲第8番が発表され、2曲のチェロソナタ(第4番と第5番)やカンタータ「静かな海と楽しい航海」が作曲された年にあたるとはいうものの、どちらかといえばベートーヴェンは流行の埒外にあります。この時期、シューベルトがウィーンで流行の先取りをしたのは、まさにロッシーニの音楽でした。1813年、21歳で「タンクレーディ」や「アルジェのイタリア女」を大ヒットさせ、ヨーロッパ中に名声が高まったロッシーニの音楽が、この頃のウィーンの聴衆を浮かれさせていたのでしょう。
第1楽章、アダージョ・マエストーソ~アレグロ・コン・ブリオ、4/4拍子、ニ長調。堂々としたトゥッティで始まります。オーボエとフルートの刻む和音とそれに続く部分が、後に続くイタリア風の音楽の序奏のような役割を果たしています。木管が奏でる軽快なリズムと旋律は、「ロッシーニの音楽だよ」と言われれば「へー、そうなんだ」と頷いてしまいそうな音楽です。響きはフレッシュで、屈託のないもの。
第2楽章、アレグレット、2/4拍子、ト長調。まるで舞曲のような、愛らしい音楽です。中間部のクラリネットによる主題も陽気でいかにも屈託がなく、若々しい活力を感じさせます。
第3楽章、メヌエット:ヴィヴァーチェ、3/4拍子、ニ長調。優美なメヌエットというよりは、むしろスケルツォ的な性格が強調されたものでしょう。トリオ部のオーボエとファゴットの掛け合いが、なんとものどかでいい気分です。
第4楽章、6/8拍子、ニ長調。プレスト・ヴィヴァーチェの指示にあるとおり、速いテンポでめまぐるしく動きまわる、明らかにイタリア風の音楽です。当時は、こういう沸き立つような音楽が流行し、好まれていたのでしょう。
確かに、響きはフレッシュで、本当に楽しい幸福な音楽です。休日の朝、腕まくりをして掃除をする元気が出てくるような、そんな音楽。その意味では、日常生活の中にしっくりとくる音楽だと言えましょう。ただし、シューベルトは必ずしもこれで満足はしなかったようです。脱ロッシーニ。次の課題だったのでしょうか、ベートーヴェンを意識し、「悲劇的」という副題をつけた交響曲第4番の登場はもうすぐです。
演奏は、オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ。1986年、東ベルリン(当時)のイエス・キリスト教会におけるデジタル録音も、たいへんに見事なものです。DENON COCQ-83990~4 という型番の紙箱全集から。
参考までに、演奏データを示します。
■スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ
I=9'18" II=4'20" III=4'09" IV=6'28" total=24'15"
写真は、先日、果樹園のサクランボに張ってもらった防鳥ネットの様子。早生種の「紅さやか」の収穫が始まりましたが、防鳥ネットの外にある露地ものは、すでに半分近くが野鳥の胃袋に収まっている模様(^o^;)>
第1楽章、アダージョ・マエストーソ~アレグロ・コン・ブリオ、4/4拍子、ニ長調。堂々としたトゥッティで始まります。オーボエとフルートの刻む和音とそれに続く部分が、後に続くイタリア風の音楽の序奏のような役割を果たしています。木管が奏でる軽快なリズムと旋律は、「ロッシーニの音楽だよ」と言われれば「へー、そうなんだ」と頷いてしまいそうな音楽です。響きはフレッシュで、屈託のないもの。
第2楽章、アレグレット、2/4拍子、ト長調。まるで舞曲のような、愛らしい音楽です。中間部のクラリネットによる主題も陽気でいかにも屈託がなく、若々しい活力を感じさせます。
第3楽章、メヌエット:ヴィヴァーチェ、3/4拍子、ニ長調。優美なメヌエットというよりは、むしろスケルツォ的な性格が強調されたものでしょう。トリオ部のオーボエとファゴットの掛け合いが、なんとものどかでいい気分です。
第4楽章、6/8拍子、ニ長調。プレスト・ヴィヴァーチェの指示にあるとおり、速いテンポでめまぐるしく動きまわる、明らかにイタリア風の音楽です。当時は、こういう沸き立つような音楽が流行し、好まれていたのでしょう。
確かに、響きはフレッシュで、本当に楽しい幸福な音楽です。休日の朝、腕まくりをして掃除をする元気が出てくるような、そんな音楽。その意味では、日常生活の中にしっくりとくる音楽だと言えましょう。ただし、シューベルトは必ずしもこれで満足はしなかったようです。脱ロッシーニ。次の課題だったのでしょうか、ベートーヴェンを意識し、「悲劇的」という副題をつけた交響曲第4番の登場はもうすぐです。
演奏は、オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ。1986年、東ベルリン(当時)のイエス・キリスト教会におけるデジタル録音も、たいへんに見事なものです。DENON COCQ-83990~4 という型番の紙箱全集から。
参考までに、演奏データを示します。
■スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ
I=9'18" II=4'20" III=4'09" IV=6'28" total=24'15"
写真は、先日、果樹園のサクランボに張ってもらった防鳥ネットの様子。早生種の「紅さやか」の収穫が始まりましたが、防鳥ネットの外にある露地ものは、すでに半分近くが野鳥の胃袋に収まっている模様(^o^;)>
イエス・キリスト教会での録音はシューマンで持っていますが、豊かな残響に癒されますね。
エントリーを拝見し、久々に聴きたくなって今楽しんでいます。クライバー/VPOの快活快速な演奏ですが、本当にロッシーニの雰囲気たっぷりの楽しい音楽ですね(^^