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電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ベートーヴェン「合唱幻想曲」を聴く

2012年09月16日 06時09分00秒 | -オペラ・声楽
クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルによるベートーヴェンの録音シリーズから、「合唱幻想曲」ハ短調 Op.80 を聴きました。

Wikipedia によれば、この作品は1808年に作曲されたもののようで、作曲者ベートーヴェンは38歳。この曲は、独奏ピアノと管弦楽を含む合唱曲とされていますので、いちおう「オペラ・声楽」の区分に入れましたが、これも微妙なところです。

長距離通勤派にとっては、もう少し曲の長さがほしい(^o^;)ところですが、実際には交響曲第5番と第6番の後にこの曲が演奏されたそうですので、それはまた超重量級のプログラムです。アバド盤では、交響曲第6番「田園」の後にこの曲が収録されていますので、初演時の雰囲気を多少なりとも感じることができます。

I. Adagio :26小節のピアノ独奏部。
II. Allegro :主題が提示され、以下でピアノ協奏曲的な変奏曲となる。
III. Meno allegro
IV. Adagio ma non troppo
V. Marcia, assai vivace
VI. Allegretto, ma non troppo, (quasi Andante con moto) :ハ長調に転じ、変奏曲の主題が四重唱、そして合唱で歌われる。
VII. Presto. :コーダ


最初のピアノ独奏部の魅力的なこと!続くアレグロ楽章は、ピアノ協奏曲ふう。そして後の楽章は、オーケストラ伴奏付きのピアノによる幻想曲といった感じで、もう少し聴いていたいところです。そして声楽が入ってくるところは、どうしても「第九」を思い出してしまいます。それにしても、ずいぶんとまあ画期的、意欲的な作品です。

CDはグラモフォンの正規盤で、F32G-20206という型番のもの。このころ、アバドとウィーンフィルによるベートーヴェンの交響曲全集が逐次発売され、ずいぶん話題になっていたのでした。古楽スタイルの演奏の影響がまだ及ばないころで、「田園」もゆったりした心地よい演奏となっています。

(*):合唱幻想曲~Wikipediaの解説


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4 コメント

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ベートーヴェン (ジェイン)
2012-09-16 07:04:47
先ごろすみだトリフォニーホールで新日フィルマチネ『田園』を聴きました。とても懐かしくそれでいて新鮮な印象を与えるこの曲、素敵でした。思い起こせば~年前、私が初めて山形交響楽団を聴いたのも田園でした。あの頃は会場がたしか山形市民会館(地下に駐車場があったような・・)戴いた招待券を携えて私一人で運転して行き、その演奏が素晴らしくて”山響ってすごい!”と思ったのを覚えています。(田園地帯の)山形で聴くからかしら・・と、いやちがう山響さまの実力よ・・と思いました。そしてこの度の東京の田園は 庭園、邸園 のような様相で垢抜けしたものでした。もっともベートーヴェンの観たヨーロッパの田園とは色・空気・風景がちがうでしょうね・・・
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ジェイン さん、 (narkejp)
2012-09-16 19:29:26
コメントありがとうございます。ベートーヴェンの演奏スタイルは、時代によってずいぶん変わってきていると思いますが、アバドとウィーンフィルのスタイルは、20世紀後半のものでしょう。現代のスタイルは、古楽の影響の強いものだと言えましょうか。はつらつとした現代の演奏もいいものですし、たまにはこうしたゆったりした演奏も、当時を懐かしく思い出します。
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合唱幻想曲 (キャットウォーク)
2013-10-20 11:48:37
昨夜テレビでたまたま映画の最後のほうにこのメロディがでてきて、ちょっと検索。
pianoがポリーニのベートーベン協奏曲集CDがパソコンにはいっていてたぶん同じものでしょう。
原曲がこれらしい。
www.youtube.com/watch?v=j68JIwWcyJQ
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キャットウォーク さん、 (narkejp)
2013-10-20 18:28:27
コメントありがとうございます。「愛されない者の溜息と愛の答え」ですね。こんな歌曲が、ネット上ですぐ聴けるような時代になっているのですね。あらためて驚きます。
「フィデリオ」でも、たしか愛されない者~云々の箇所がありますし、第九でもありました。ベートーヴェンがくりかえし用いるという意味で、基調としたテーマなのかもしれません。
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