電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

NHK-FM「20世紀の名演奏」~ホルスト・シュタイン追悼特集を聴く

2008年08月18日 05時30分15秒 | -オーケストラ
8月17日の朝9時から、黒田恭一さんの案内で、「20世紀の名演奏」という番組が、NHK-FMで放送されました。先日亡くなられた、ホルスト・シュタインさんの追悼特集です。

最初はN響との「ジークフリートの葬送行進曲」から。ワーグナーの深い呼吸をいっぱいに披露する演奏です。来日してN響とワーグナーの名演を聴かせた記憶は鮮明でしたが、実際に今、録音として演奏を聴くと、また格別です。1986年の、バンベルク交響楽団とのシューベルト「交響曲第5番」の演奏が、今回唯一の「ワーグナー以外」の曲目で、これもいい演奏でした。この後の、「リエンツィ」序曲、「タンホイザー」序曲とヴェヌスベルクの音楽、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、「ローエングリーン」第3幕への前奏曲、「さまよえるオランダ人」より「水夫の合唱」と、バンベルク響やN響との演奏が選ばれておりました。

ホルスト・シュタインといえばやっぱりワーグナー、という印象が強いだけに、納得の選曲ではあります。ワーグナー以外にはシューベルトが1曲だけ、というのも寂しい気もしますが、過去にN響アワーでも何度か登場しており、本ブログでも、リストの「レーナウの『ファウスト』による二つのエピソード」より「村の居酒屋の踊り」などの記載があります。時々、昔の録画を見るのもいいものです。

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2 コメント

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ホルスト・シュタインの演奏 (安倍禮爾)
2008-08-19 22:56:46
narkejpさん

 昔、ミュンヘンでホルスト・シュタイン指揮、バンベルグ交響楽団で、ベートーヴェンの第8、第9、そしてブルックナーのロマンティックを聴きました。表現がむずかしいですが、「田舎の音」を持つオーケストラ、指揮者という印象が強く残っています。ロマンティックでのあの渋い音は、別の機会に聴いた、朝比奈・大フィルの演奏に似た、骨太の演奏というイメージです。ウィーンフィルやベルリンフィルの音とは全く違う、何だか懐かしい音ですね。CDで出ている彼らの同曲の演奏もそうですね。これは、CDケースではムーティ・ベルリンフィルの横に置いてあるので、まさに対照的です。
 バイロイトでも活躍していて、まだドイツのオペラがペーター・コンヴィチュニーあたりに壊される前の時代の指揮者ですから、年齢とはいえ、逝去は残念なことです。やはり時間というのは、経つものですね。
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安倍禮爾 さん、 (narkejp)
2008-08-20 19:31:20
コメントありがとうございます。ホルスト・シュタインの実演を聴くことができて、よかったですね~。あの偉大なるおでこをゆらしながら、ゆったりしたテンポの、深い呼吸の音楽を作る指揮者だったなぁ、という感想を持っています。カーステレオ用に、グルダとウィーン・フィルと共演したベートーヴェンの4番と5番のピアノ協奏曲のCDを用意して、聴いています。
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