金曜日の宴席では、少々飲みすぎました。昨日の土曜日は体調が悪く、床の中で本を読みながら回復を待ちました。今朝はお天気もまずまず、起きだして先週の日曜日に録画したN響アワー、エレーヌ・グリモーのピアノでバルトークのピアノ協奏曲第3番を聞きました。
第1楽章、出だしがたいへん印象的なアレグレット。音楽院でジャック・ルヴィエを追っかけていたエレーヌ・グリモーは、もうかつての少女ではないのですね。前妻と離婚したバルトークや、彼と結婚したピアノの教え子ディッタ夫人の立場も感情も充分にわかる年齢でしょう。
第2楽章、アダージョ・レリジオーソ。静謐な祈りの音楽。アシュケナージを見つめながらじっと出番を待つグリモーの表情を映し出します。このあたりは、ビデオの強みですね。
第3楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ。一転してバルトークらしい民俗的な要素を持った、明快で力強い音楽です。病床のバルトークが、こういう音楽を書いていたことが信じられないくらいです。
この曲は、すでに白血病の末期にあった1945年の春に作曲が始まり、ピアニストでもあるディッタ夫人の誕生日のプレゼントとして計画されていたといいます。オーケストレーションにあたっていた夏ごろには急速に健康が悪化し、最後の17小節は未完に終わったため、弟子のティボール・シェルイが補筆し完成したとのこと。初演はバルトークのピアノの弟子であったジェルジ・シャーンドル(Pf)と、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団によって、1946年2月に行われたとあります。
ところで、この曲を贈られるはずだった夫人は、1960年代になるまでこの曲を演奏しなかったそうですが、それはそうだろうなぁと思います。可能性としては、二つあります。一つは憎しみによる演奏の拒絶。もう一つは、愛する夫が病の中で苦闘していた遺作、しかもこうした祈りのような音楽の中に、大切な思い出や愛情がつまっているとなれば、公衆の前で演奏を披露する気持ちにはなれなかったのでしょう。年齢のはなれた夫婦の愛憎は余人にはうかがい知ることは困難ですが、たぶん後者だったのではないかと思います。その意味では、演奏家というのもある意味で因果な商売なのかもしれません。
第1楽章、出だしがたいへん印象的なアレグレット。音楽院でジャック・ルヴィエを追っかけていたエレーヌ・グリモーは、もうかつての少女ではないのですね。前妻と離婚したバルトークや、彼と結婚したピアノの教え子ディッタ夫人の立場も感情も充分にわかる年齢でしょう。
第2楽章、アダージョ・レリジオーソ。静謐な祈りの音楽。アシュケナージを見つめながらじっと出番を待つグリモーの表情を映し出します。このあたりは、ビデオの強みですね。
第3楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ。一転してバルトークらしい民俗的な要素を持った、明快で力強い音楽です。病床のバルトークが、こういう音楽を書いていたことが信じられないくらいです。
この曲は、すでに白血病の末期にあった1945年の春に作曲が始まり、ピアニストでもあるディッタ夫人の誕生日のプレゼントとして計画されていたといいます。オーケストレーションにあたっていた夏ごろには急速に健康が悪化し、最後の17小節は未完に終わったため、弟子のティボール・シェルイが補筆し完成したとのこと。初演はバルトークのピアノの弟子であったジェルジ・シャーンドル(Pf)と、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団によって、1946年2月に行われたとあります。
ところで、この曲を贈られるはずだった夫人は、1960年代になるまでこの曲を演奏しなかったそうですが、それはそうだろうなぁと思います。可能性としては、二つあります。一つは憎しみによる演奏の拒絶。もう一つは、愛する夫が病の中で苦闘していた遺作、しかもこうした祈りのような音楽の中に、大切な思い出や愛情がつまっているとなれば、公衆の前で演奏を披露する気持ちにはなれなかったのでしょう。年齢のはなれた夫婦の愛憎は余人にはうかがい知ることは困難ですが、たぶん後者だったのではないかと思います。その意味では、演奏家というのもある意味で因果な商売なのかもしれません。
でも、豪放で鳴らした某女流ピアニストも、若い頃からだいぶハチャメチャな行状だったそうですし、それは天才の常ということかも。私はこういう演奏家、わりと好きですよ、ルックス抜きで(^_^;)>
ご紹介のバルトークの3番をテレビで見ましたが、エレーヌ・グリモーといえばDGが売り出し中の美人ピアニストで、アシュケナージとはよく共演しているようですね。10月のアメリカ公演でも同じ曲で共演したとのこと。
まだCDも聴いたことはないのですが、この人のことはオオカミ関係からも知っておりました。すばらしくユニークな方のようです。この著作も読んではおりませんが、読売新聞の紹介記事を張らせてもらいました。
http://www.yomiuri.co.jp/book/author/20041129bk17.htm