電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

NHKの大河ドラマ「八重の桜」はいよいよ戊辰戦争へ

2013年06月10日 06時04分41秒 | 映画TVドラマ
NHKの大河ドラマ「八重の桜」を楽しみに観ております。徳川慶喜は松平容保を連れて船で江戸へ戻り、主君に置いていかれた会津藩士は怒りの置き所がない。誰かが生贄になるしかないという悲劇の経過は、理解はできるものの、会津藩士の頑迷さもまた感じてしまいます。そして、徳川慶喜は江戸城を明け渡して水戸で謹慎、このときの台詞が「幕府の家臣はいたが、会津のような家臣はいなかった」でした。でも、逆にそれが会津の悲劇の源になったのかも。仙台藩、米沢藩など奥羽列藩は、会津藩へ穏便な処置を願う嘆願書を出しますが、一蹴されます。あまりにも行状のひどかった官軍参謀の世良修蔵は仙台藩士らによって殺されてしまい、ドラマはいよいよ奥羽越列藩同盟から戊辰戦争~鶴ヶ城攻防戦へと向かいます。

吉村昭『白い航跡』では、平潟から会津へ激しい攻防戦が描かれています。近代装備を備えた官軍側に対して、旧式の武器に頼らざるを得ず、刀と槍で死の突撃を敢行するしかない会津藩兵の姿は、昭和の太平洋戦争末期の日本の姿をも連想させます。



ところで、このドラマを見てきて、感じたことが一つありました。会津の掟の一つである「ならぬことはならぬものです」は、大人が子どもに服従を教える時には都合がよいけれど、大人どうしの場合、身分制の下ではたんに服従を要求することになります。上位の者が誤っているとき、とりわけトップが誤っているときには、これを正すことは困難になるのでは、と考えてしまいました。現代の制度下でも、職階制だけではトップの過ちを回避できないわけで、情報公開法というのが大事な役割を果たしているようです。

写真は、腰砕けになる奥羽越列藩同盟の中で、ほとんど唯一、勝ち戦を展開した庄内藩領・鶴岡に向かう途中で見た月山です。


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