電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

NHKプラスで「プロフェッショナル・仕事の流儀〜馬場正尊」を観る

2024年07月11日 06時00分20秒 | 映画TVドラマ
   ※見出し画像は、天童市立図書館の正面玄関、Wikipedia より。

最近、LINE で流れてきた情報の中に、NHK の「プロフェッショナル・仕事の流儀〜馬場正尊」という番組が良かった、というものがありました。山形市にある東北芸術工科大学の建築・環境デザイン学科でリノベーション等を担当する馬場正尊(まさたか)先生取り上げた回だそうです。「見えない未来を見つめる勇気」という副題の内容がどんなものか、ふだんはニュースと天気予報以外はほとんどテレビを見ない生活ですが、複数の人の話題になっていることから興味を持ちました。

で、まずはNHKプラスに登録です。我が家はちゃんとNHKと契約していますので、メールアドレス等を入力することで登録は完了。すぐにNHKプラスの利用が可能となり、Ubuntu Linux のデスクトップPCを通じて同番組を観ることができました。

若い馬場さんによる都市博プランニングと挫折は、その建築は意味があるのか、という問いを生んだのでしょうし、米国で古いビルのリノベーションの動きを実際に目の当たりにして、日本での古建築に対するスクラップ・アンド・ビルドのあり方に疑問も持ったことでしょう。実際に見聞きできる山形県内の例を引くならば、例えば山形市立第一小学校のケースです。昭和初期に鉄筋コンクリート造で改築された山形第一小学校の校舎(*1、*2)は、建築史的にも有形文化財としても「古くなったから壊して建て直す」というやり方にはそぐわない。しかも、ただ単に古いままに残すのではなく、今に生きる形で活用されながら残すことが望まれます。馬場さんのプラン(*4)は、現在の「Q1」(*5)という施設として生きています。その他、全国レベルで様々な例が紹介されていますが、最後に紹介された天童市立図書館の改修工事のプランは、興味深いものです。従来型の公共図書館のように、ただ単に静けさを要求するだけではない、若い高校生や育児真っ最中の若いお母さんのニーズにも応えるものとなっているようで、完成が楽しみです。

馬場正尊さんの、緑内障で視野がごく狭くなり、身障1級に相当するという目の病気を抱えながらの仕事ぶりは見事というしかありません。わが祖母が同じ緑内障で30歳ころに失明し困難な生活を送ったことを身近に知っているだけに他人事とは思えず、共感するところが大でした。良い番組でした。

(*1): 山形市立第一小学校校舎〜山形県ホームページ・近代化を進めた建築物
(*2): 佐野利器と復興小学校、そして山形一小へ〜「電網郊外散歩道」2023年9月
(*3): 小学校に理科実験室ができ始めた時期〜「電網郊外散歩道」2017年10月
(*4): 山形市中心市街地の小学校旧校舎を地域のクリエイティブ拠点に。「Q1」プロジェクトが進行中。〜公共R不動産
(*5): やまがたクリエイティブシティセンターQ1



コメント    この記事についてブログを書く
« J.S.バッハのリュート組曲を聴く | トップ | 雨の晴れ間に畑を見に行く »

コメントを投稿

映画TVドラマ」カテゴリの最新記事