電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

今年の果樹の凍霜害について〜サクランボとリンゴの現状

2023年04月30日 06時00分11秒 | 週末農業・定年農業
この春は寒暖の差が激しく、例年の三寒四温の域を超えたものと感じます。特に三月の暖かさは異常なほどで、その反面、4月になってからの冷え込みは厳しいものがありました。雪も降りましたし、霜の害もかなり影響している(*1)ようです。先日のJAおよび農業技術普及課等からの情報によれば、当地のいくつかの果樹園で調べた結果、グラフの横軸は雌しべの枯死率、縦軸は枯死率別にみてどのくらいの園地が影響を受けているかを表すとき、サクランボでは紅秀峰の開花期にあたり被害が大きかったようです。

一方で、4月25日の早朝の低温と降霜でリンゴやラフランスの雌しべがかなりやられているようです。果樹の大産地である東根市の3園地の調査では、リンゴの「ふじ」では被害の大きい園地で中心果被害が80%にのぼるとのこと、特に大規模専業農家にとっては一大事です。あまり大きくない規模の兼業農家の場合、ある年の不作は兼業の給与収入でカバーして翌年を目指すことができますが、大規模専業農家にとっては痛烈な痛手となるでしょう。

リンゴの場合、最も良好な実を付ける中心花が枯死しても、摘花の段階で別の花を残すことで対処するなど、技術的に対応することは可能ですが、品質はどうしても低下するのはやむを得ません。今年の果樹は、全体的に不作による品薄の傾向が強まるのではないかと予想しています。

我が家の場合、サクランボは二箇所ある園地のうち、自宅裏のほうは住宅地のためやや気温が高いせいか被害は少なく、もう一つの、少し離れたところにある園地ではかなり影響があるようです。当地では八十八夜を過ぎると霜の害もなくなると言われており、病虫害を少なくしてなんとかある程度の収量を確保したいものです。

(*1): サクランボの花芽の生育に雪や霜の影響は〜「電網郊外散歩道」2023年4月


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2 コメント

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Unknown (美恵子)
2023-04-30 07:05:06
昨日、プルーンの状態を見たらかなり霜害を受けていました。
梅も壊滅的かなー。
出荷している方は大変です。
自然の前にはなすすべがありません。
温暖化の影響大なのだと思うこの頃です。
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美恵子 さん、 (narkejp)
2023-04-30 09:37:43
コメントありがとうございます。当地はいまプルーンが花盛りです。梅はこちらもほとんど実りません。我が家で出荷しているのはサクランボと桃が主体ですので当面は様子見なのですが、全体的に見ると今年の果樹は特定の品目で品薄になりそうな気がします。
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