TOブックス刊の単行本で、香月美夜著『本好きの下剋上』第三部「領主の養女II」を読みました。悪役である神殿長を排し、領主の養女として神殿長に就任したローゼマインは、当然のことながらその役目を果たさなければなりません。例えば収穫祭です。手はじめに赴いたハッセの町で、前神殿長に取り入りやりたい放題だった町長に対抗し、虐待され売られようとしていた孤児たちを小神殿に保護します。町長派は農民たちを唆し、小神殿を襲撃させますが、守りの魔法が効いていたために襲撃は失敗、逆に領主への叛逆の罪に問われることになります。
城の中では、領主の長男でわがままに育ったウィルフリートと一日だけ役割を交代することで、結果的にはウィルフリートとその側近たちの自覚と反省を促し、廃嫡の危機を救い、養母である領主の妻フロレンツィアに感謝されます。
それにしてもローゼマインの虚弱さは何とかしなければいけないと、神官長フェルディナンドが考えたのが魔力の固化を溶かす薬ユレーヴェの素材収集です。このサポートに加わったのが、エックハルトとユストクス。満月が紫色に光るシュツェーリアの夜に、リュエルの実を収穫しようとして失敗。ローゼマインの強大な魔力は、時に危険であるという神官長の指摘を実感することになります。
孤児の人身売買や反逆者への対応など、この世界の常識と前世の記憶との食い違いに悩みながら、ローゼマインは次第に影響力を強めていきます。その武器になったのが料理であったりカルタやトランプなどの玩具、あるいは聖典絵本であったりするところが、実に興味深いものがあります。登場人物も、城内の人間がだいぶ増えました。神官長を「坊ちゃま」扱いできるリヒャルダの登場は印象的でしたが、今回は間違いなく奇人変人のユストクスが面白い。これが親子だという想定も愉快です。面白いです。
城の中では、領主の長男でわがままに育ったウィルフリートと一日だけ役割を交代することで、結果的にはウィルフリートとその側近たちの自覚と反省を促し、廃嫡の危機を救い、養母である領主の妻フロレンツィアに感謝されます。
それにしてもローゼマインの虚弱さは何とかしなければいけないと、神官長フェルディナンドが考えたのが魔力の固化を溶かす薬ユレーヴェの素材収集です。このサポートに加わったのが、エックハルトとユストクス。満月が紫色に光るシュツェーリアの夜に、リュエルの実を収穫しようとして失敗。ローゼマインの強大な魔力は、時に危険であるという神官長の指摘を実感することになります。
孤児の人身売買や反逆者への対応など、この世界の常識と前世の記憶との食い違いに悩みながら、ローゼマインは次第に影響力を強めていきます。その武器になったのが料理であったりカルタやトランプなどの玩具、あるいは聖典絵本であったりするところが、実に興味深いものがあります。登場人物も、城内の人間がだいぶ増えました。神官長を「坊ちゃま」扱いできるリヒャルダの登場は印象的でしたが、今回は間違いなく奇人変人のユストクスが面白い。これが親子だという想定も愉快です。面白いです。