電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

佐伯一麦「Nさんの机で~ものをめぐる文学的自叙伝」より「オーディオ(4)」を読む

2016年11月29日 06時04分39秒 | Weblog
地元紙・山形新聞に連載され愛読している記事で、佐伯一麦「Nさんの机で~ものをめぐる文学的自叙伝」より「オーディオ(4)」を読みました。前回が自作スピーカーの話でしたので、今回は何だろうかと楽しみにしていたら、なんとLPレコードの水洗いや、ベルトドライブのレコードプレーヤーのベルトをパンツのゴムで代用した話でした(^o^)/

佐伯一麦さんが愛用しているレコードプレーヤーは、高校時代に新聞配達をして貯めたお金で購入したもので、ヤマハのYP-311という入門機だそうです。調べてみると、1975年ころの製品で、お値段は33,000円、カートリッジとしてシュアー社のM75BMというMM型を採用しているとのこと。アナログLPレコード全盛期の思い出深い製品というだけでなく、ある程度長く使っていると他の製品を考えることをしなくなる、という実例のようなケースでしょう。
ベルトドライブ・プレーヤーですから、当然のことながらゴムベルトは劣化して伸びてゆるんでしまいます。すると、スリップして回転ムラが発生しますので、定期的にゴムベルトを交換する必要があります。ところが、LPが急速にすたれていき、CD全盛の時代には、このゴムベルトの入手が難しくなってしまいました。ダイレクトドライブのプレーヤーを使っていた人は別として、交換用ベルトの入手を諦めてLPを手放した人が多かったのではないかと想像します。
佐伯一麦さんは、ターンテーブルを駆動するゴムベルトのかわりに、パンツのゴムを奥さんに縫い合わせてもらい、代用したというのですから愉快です。なるほど、その手があったか(^o^)/



そういえば、当地・山形県には、東根市にナガオカの工場があり、レコード針の生産をずっと続けています。各種カートリッジの交換針はたいていそろうみたいです。世界的に見ても貴重なこの会社と工場が、サクランボ果樹園地帯のど真ん中に存在する意外性は、パンツのゴムによるベルトドライブと同様のインパクトがあります(^o^)/

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