電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形交響楽団第257回定期演奏会でベートーヴェン、本多俊之、イベールを聴く

2016年11月21日 19時37分19秒 | -オーケストラ
最近、家内が具合が悪く、勤め人兼主夫をしていますので、今朝は更新できませんでした。したがって、今回はいつもと比べてごく簡単なレポートです。



11月20日(日)の午後3時から、山形テルサホールにて、山形交響楽団第257回定期演奏会を聴きました。開演前のロビーコンサートは、フランセ編:「九重奏曲」から第1楽章。モーツァルトの「ピアノと管楽のための五重奏曲 K.452」をもとに編曲したものだそうで、Vn(2)、Vla、Vc、Cb、Ob、Cl、Fg、Hrn という九人の編成です。管楽器の響きにふわっと弦が加わり、とても楽しい音楽になっています。




今回のプログラムは、

  1. ベートーヴェン 歌劇「フィデリオ」序曲
  2. 本多俊之 コンチェルト・デュ・ヴァン~風のコンチェルト
  3. イベール あると・サクソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲
  4. ベートーヴェン 交響曲第2番 ニ長調 Op.36
      飯森範親指揮 山形交響楽団、須川展也(Sax.)

というものです。
コンサートマスターは髙橋和貴さんで、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれた対向配置です。例によってホルンとトランペットは古典派時代のスタイルで作られたバルブの無いナチュラルタイプで、ティンパニもバロック・ティンパニです。作曲された時代によって楽器を使い分けるこのスタイルは、作曲家がねらった響きに近づくことができるという点で、すっかり山響の特徴になりました。実際、「フィデリオ」序曲では、オーケストラの力強い表現が、ベートーヴェンの音楽の性格をよく表していました。

白地に黒い幾何学模様のシャツを着てサクソフォンの須川展也さんが登場すると、ステージは一気に近現代の雰囲気に変化します。オーケストラの方も、バルブ付きの現代楽器に持ち替えており、本多俊之「風のコンチェルト」の方はトロンボーン(3)も加わってジャズ風のテーマをモチーフとした音楽、演奏です。これに対して、イベールの「室内小協奏曲」の方は、独奏Sax.とFl,Ob,Cl,Fg,Hrn,Tpに弦五部という編成。須川展也さんは、ほんとにハイテンション、乗り乗りの演奏で、サクソフォン独特の音色を楽しみました。
アンコールに演奏された、鬼才ファジル・サイの「組曲」第1楽章は、ピアノなしで無伴奏の演奏でしたが、実に独特の世界を表現しておりました。すごかった!

後半のベートーヴェンは、再びオリジナル楽器に持ち替えてベートーヴェンの音色を奏でます。飯森さんは指揮棒なしで、テンポはそれほど速くはなく、やや小編成ながら力強い、力感を持っての演奏です。踊るように回転するように、リズムにメリハリをつけての演奏は、ウィンナ・ワルツのようなスウィング感を持っていました。
交響曲第2番というと、今までは大オーケストラが奏するハ長調の交響曲第1番を聴いて、その斬新さは認めながら、正直に言って2番のほうは今イチな曲(^o^;)だな、という印象でした。でも、今回の演奏会で印象は一新されました。そうか、こんなにとんがった高揚感を持った曲だったのか!

そうそう、プレトークで飯森さんが言っていた、モーツァルト定期「アマデウスへの旅」の録音の編集が4分の3くらいまで進んでいるのだそうで、来年の山響45周年記念として全集を発売できる見通しになっているそうな。これは嬉しいニュースです。この録音を、飯森さんが20人位のお友達に聴かせたのだそうですが、誰も山響の録音だとは気づかなかったそうで、「ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス?」なんて言われて、内心で快哉を叫んでいたそうです(^o^)/



また、今回の演奏会では、さくらんぼTVがドキュメンタリー番組の撮影を行っていました。たぶん、近いうちに放送されるのではないかと思います。できれば地方局発で全国ネットで放送されるといいのだけれど(^o^)/

コメント (2)