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電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

プロコフィエフ「フルート・ソナタ」、「ヴァイオリンソナタ第2番」等を聴く

2019年05月17日 06時01分33秒 | -室内楽
先日のヤンネ舘野さんのヴァイオリン・リサイタルで聴いたプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番は、もともとはフルート・ソナタとして作曲されたものだそうです。1943年の夏に完成、1944年に第2番のヴァイオリン・ソナタに改作されていますので、1938年にスケッチが着手されているものの実際に完成したのが1946年となる第1番のヴァイオリン・ソナタよりも早い時期にできた作品ということになります。



私がこの曲に接したのは、1973年の6月、日本コロムビアのパルナス1000シリーズのLPを入手してのことでした。ヴァイオリン・ソナタ第1番のB面に収録されたフルート・ソナタは、ミシェル・デボスト(Fl)とクリスチャン・イヴァルディ(Pf)によるもので、フランスのムジディスク社原盤とされています。第1楽章:モデラート、ニ長調、3/4拍子、第2楽章:スケルツォ、プレスト、イ短調、3/4拍子、第3楽章:アンダンテ、ヘ長調、2/4拍子、第4楽章:アレグロ・コン・ブリオ、ニ長調、4/4拍子、という四つの楽章からなる、古典的な形式を保った曲です。まず何よりも、フルートという楽器の響きが、この曲の幻想的で透明な抒情性を浮かび上がらせます。

Flによる演奏は、例えばこんな感じです。第1楽章だけですが、YouTube より。
S. Prokofiev: Flute Sonata, op. 94. I. Moderato


これをヴァイオリンで演奏したいと考えたオイストラフは、プロコフィエフに「なんとかしてよ〜!」と頼んだのでしょうか。実に慧眼だと感じました。ヴァイオリンでの演奏は、先日のヤンネさんの演奏会で実感したように、フルートとはまた別な魅力を示すようになったのではないかと思います。

ヤンネさんの先生、Olga Parhomenko さんによるこの曲の演奏が YouTube にありました。
S. Prokofiev - Violin Sonata No.2 - Olga Parhomenko


もう一つ、フォーレの作品も。これも、貴重な記録でしょう。
Gabriel Fauré: Berceuse op.16 - Olga Parhomenko, violin

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ヤンネ舘野ヴァイオリン・リサイタルでR.コルサコフ、プロコフィエフ、チャイコフスキーを聴く

2019年05月06日 06時01分27秒 | -室内楽
ゴールデンウィークも終わりに近づいた5月5日の午後、文翔館議場ホールでヤンネ舘野ヴァイオリン・リサイタルを聴きました。今回は「ロシアより愛をこめて」と題して、ロシア音楽の特集です。プログラムは、

  1. リムスキー=コルサコフ ロシアの主題による幻想曲 Op.33 (編曲:クライスラー)
  2. プロコフィエフ ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.94bis
  3. チャイコフスキー なつかしい土地の思い出 Op.42
  4. チャイコフスキー バレエ組曲「白鳥の湖」Op.20より (編曲:マクダーモット他)
      Vn:ヤンネ舘野、Pf:白田佳子

というものです。



夏日のように日差しが熱い午後、駐車場の混雑を予想して早めにでかけたのが大正解。文翔館の無料駐車場は、ゴールデンウィークの観光客で大混雑でした。少し待って、帰るお客さんと入れ替わりに駐車することができました。すると、こんどはホールの開場前にも長い列。うーむ、皆さん、考えることは同じみたい(^o^)/





入場すると、ホールを横長に使い、中央にステージと反射板をセットして、ピアノとソリスト用の譜面台が設置されています。幸いに、ほぼ中央の席を確保することができました。
最初のリムスキー=コルサコフの「幻想曲」は、オーケストラと独奏ヴァイオリンのための協奏曲スタイルの音楽だったのを、クライスラーがピアノとの二重奏用に編曲したものだそうで、始まりはピアノだけで、これにヴァイオリンが入るところなどは、まさしく協奏曲の始まりをイメージします。けっこう技巧的なところもあり、おもしろく聴きました。

続いて、ひそかに楽しみにしていたプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番。ヤンネさん、演奏の前にマイクを手にして、ヘルシンキ音楽院時代の先生の思い出話をしました。ヤンネさんが師事した先生は、Olga Parhomenko さんといい、オイストラフの弟子で、厳しいけれど実力のある小柄な女性の先生(*1)だったそうです。あるとき、ベートーヴェンのソナタのレッスンの時に楽譜を忘れてしまい、図書館にあるクライスラー校訂の楽譜で演奏したら、先生は知らないはずなのに「クライスラーのにおいがする」と言われたとのこと。へ〜、わかるもんなのですね〜(^o^)/
で、プロコフィエフの第2番のソナタ。もとはフルートソナタだったのを、オイストラフが要望してFlのパートをVnに移し替えて、ヴァイオリンソナタに直してもらったらしい。第1楽章:田園風、叙情的なモデラート、第2楽章:軽快で楽しいプレスト、第3楽章:静かで優しい、瞑想的なアンダンテ、第4楽章:活発なアレグロ・コン・ブリオの4楽章構成です。ピアノがほんとにステキです。



15分の休憩後、こんどはチャイコフスキーです。
作品42の、「なつかしい土地の思い出」は、第1曲:瞑想曲。実は文翔館でピアノの音を聴く機会はあまりないのですが、ピアノがよく響きます。ヴァイオリンは憂愁の表情をたたえます。第2曲:スケルツォ。やはりピアノが活躍します。弦を速く動かして、運動性があり表情も豊かな、チャイコフスキーらしいスケルツォです。第3曲:メロディ。これは聴いたことがある音楽ですね〜。良かった。

プログラム最後は、バレエ組曲「白鳥の湖」からの5曲。ヤンネさんが演奏前にマイクを持ち、東京の某オーケストラでチャイコフスキーのバレエを上演した時の面白い発見を話してくれました。というのは、ダンサーがうまいと、曲のテンポが遅くなるのだそうです。というのは、うまいダンサーほど高く跳ぶ=滞空時間が長くなるので演奏のテンポを遅くしないといけない、ということだそうです。なるほど〜! ピアノ編曲はマクダーモット他となっていますが、第1曲:白鳥から第5曲:ロシアの踊りまで、編曲がいいなあと感じます。ピアノがオーケストラ部を担当しますが、これが勢いがあり、しかもロマンティックに表現していて、バレエ音楽らしい雰囲気が味わえました。

アンコールは、3曲。

  1. ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番、第2楽章から、クライスラー編曲
  2. プロコフィエフ 「三つのオレンジへの恋」より行進曲、ハイフェッツ編曲
  3. リムスキー=コルサコフ 「シェヘラザード」より「アラビアの歌」、クライスラー編曲

ヴァイオリンの流麗な旋律も見事だし、例えばラフマニノフで、ピアノに合わせてPizz.するところなども実に効果的、チャーミング。今年も良い演奏会を聴くことができて、良かった〜! ご苦労されたスタッフの皆様に、感謝を申し上げます。

(*1):Olga Parhomenko in memoriam 〜 YouTube より
Olga Parhomenko-In memoriam


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山形弦楽四重奏団第71回定期演奏会でモーツァルト、ベートーヴェンを聴く

2019年04月13日 06時16分48秒 | -室内楽
金曜の午後はよく晴れて、午前中に作成した資料を印刷し、買い物をし、野菜畑に苦土石灰を散布し耕耘し、と動いた後で、夕方から山形弦楽四重奏団の第71回定期演奏会を聴くために、山形市の文翔館に向かいました。あいにく通勤の車の渋滞に巻き込まれ、議場ホールに到着したのは開演直前の18時40分頃で、中島さんの話がちょうど終わるあたりでした。

お客様はいつもと変わらない人数で、ざっと60〜70人くらいでしょうか。年度初めでなにかと多忙な四月の平日、しかも花の金曜日という条件を考えれば、ありがたい入場者数かもしれません。少し間をおいてすぐに開演。ステージ上は向かって左からヴァイオリン:中島光之、ヴィオラ:倉田譲、チェロ:茂木明人の三人が並びます。先ごろ、2nd-Vnの今井さんが抜けてトリオになってしまいましたが、いそいでメンバーを補充することはせず、当面は三重奏+ゲストを加えた四重奏をやっていく予定だそうな。そんなわけで本日のプログラムは:

  1. W.A.モーツァルト(?) 6つの前奏曲とフーガ K.404a より第2番 ト短調
  2. W.A.モーツァルト(?) 6つの前奏曲とフーガ K.404a より第5番 変ホ長調
  3. L.V.ベートーヴェン 弦楽三重奏曲第1番 変ホ長調Op.3
  4. W.A.モーツァルト オーボエ四重奏曲 ヘ長調K.370 Ob:柴田祐太

となっています。

最初の二曲はモーツァルトの曲(?)ではありますが、まさにバッハ風。パンフレットに記載の中島光之さんによる解説によれば、J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集」等のフーガに自作の前奏曲を付け加えたものだそうで、Vn、Vla、Vcの3つの楽器がそれぞれ独立しながら有機的に動き、見事なフーガとなっています。おそらくは実演で聴くことができる機会はそう多くない曲だろうと思いますし、もちろん当方も初めての体験。いや、良い音楽を聴かせてもらいました。感謝です。

続いてベートーヴェンの弦楽三重奏曲。先輩モーツァルトのセレナードを踏まえながら、全6楽章の音楽に浸ります。いや〜、気持よくて、中間の楽章あたりでついうとうと……第5楽章、第6楽章あたりはしっかり聴きました。私の好きな若いベートーヴェンらしい、フレッシュで活力ある音楽でした。



ここで15分の休憩です。皆さん、思い思いに休憩をとりますが、実は議場ホールの二階を見学することができます。ホールを出て左手側、リノリウムの床を通り階段を登ると、二階からホール内を見ることができ、昔の議会関係者の部屋は、今は県政資料室になっています。

さて、モーツァルトのオーボエ四重奏曲。ステージ上は、向かって左からObの柴田祐太さん、Vn:中島さん、Vla:倉田さん、Vc:茂木さんがそれぞれ座ります。第1楽章:アレグロ、弦のアンサンブルに管楽器が一本加わるだけで、響きの変化が生まれ、楽しさが拡大しますが、それがObですから、明るさや活力がぱっと外に向けて放射されるようです。
第2楽章:アダージョ。弦から始まりますが、Obのロングトーンで雰囲気が一変。短い音楽ですが、メゾソプラノの令夫人の慎ましやかな嘆きのごとし。
第3楽章:ロンド、アレグロ。なるほど、VnとObの音域が重なる面があるために、Vnが二丁の弦楽四重奏+Obという編成ではなくて、Vnが一本の弦楽三重奏+Obという編成にすることで、Obの役割をくっきりと浮かび上がらせることにしたのかなあ。技巧的な華やかさもあり、明るい響きとハーモニーを満喫しました。良かった〜。

今回の進行役を務める中島さん、「前半が長いのに後半がずいぶん短いと思われたかもしれないので」との前振りで、アンコールは柴田さんのオーボエも加わって、オーボエ四重奏で童謡「春よ来い」でした。中高年には懐かしさもいっぱいの音楽で、これもまた、しみじみといいものですね〜!

次回は7月17日(火)、18:45〜、文翔館議場ホール、ベートーヴェンの「セレナードニ長調Op.8」、クーラウ「フルート五重奏曲イ長調Op.51-3」他の予定。ゲストは、Fl:小松﨑恭子さん、Vla:田中知子さん。手帳にしっかりメモしました。

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J.S.バッハ「チェロとハープシコードのためのソナタ第2番」を聴く

2019年02月25日 06時04分39秒 | -室内楽
このところ、通勤の音楽としてずっと聴いてきたのは、J.S.バッハの「チェロとハープシコードのためのソナタ集」(DENON COCO-70745)です。ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)とズザナ・ルージッチコヴァ(Hrpsc)によるアナログ録音で、DENON とスプラフォンとの共同制作です。1977年に同世代の二人の名手がプラハで初共演し、シュタルケル側の希望で、同年秋に「芸術家の家」で収録されたものだそうです。もともとは OX-1024 というLPレコードで発売されていたようですが、クレスト1000シリーズに加えられて初CD化されたのだそうな。



収録された三曲のうち、今回は第2番ニ長調BWV1028が特に心に残りました。緩ー急ー緩ー急の四楽章。

第1楽章:アダージョ、4分の3拍子。例えばチェンバロの右手をチェロが模倣し、左手は独立した声部を奏するというように、「二人でトリオ・ソナタ」ふうな音楽です。次の楽章の前奏のように、ふっと終わります。
第2楽章:アレグロ、4分の2拍子。いきいきとした活発なリズムで、ここは運転も楽しくなる音楽です。
第3楽章:アンダンテ、8分の12拍子、ロ短調。美しく繊細な音楽。どうしても、こういう音楽に心が惹かれてしまうのです。
第4楽章:アレグロ、8分の6拍子。ここも、実に聴き応えのある音楽です。モダン・チェロとモダン・チェンバロではありますが、往年の名手二人が気合充分に室内楽の妙味を聴かせてくれます。

もともとは、ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのために書かれた曲らしく、樋口隆一著『バッハ』(新潮文庫)によれば、ケーテン時代、留守中に奥さんを失う悲劇に見舞われた1720年頃の作品らしい。



ネットにも様々な動画が投稿されていました。例えば第2楽章をチェロとピアノで。

Bach: Viola da Gamba Sonata in D Major, BWV 1028 Allegro | Dale Henderson & William Chapman Nyaho


第3楽章アンダンテをVn、Vc、Cbの弦楽三重奏で。
J. S. Bach: Sonata in D major BWV 1028 - Andante


冬場の通勤の音楽には、ロードノイズに紛れがちなため、繊細なチェンバロの音は不向きです。それでも、不足する音は脳みそで補完し、バッハの音楽は楽しむことができます。週末には自室のステレオ装置でしみじみ聴く、という具合です。



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山形弦楽四重奏団第70回定期演奏会でホフシュテッター、バルトーク、ウェーバーを聴く

2019年01月29日 20時15分18秒 | -室内楽
平日28日の夜、山形市の文翔館議場ホールで、山形弦楽四重奏団の第70回定期演奏会を聴きました。今回のプログラムは、

  1. ホフシュテッター 弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.3-5「セレナード」
  2. バルトーク 弦楽四重奏曲第4番 Sz91
  3. ウェーバー クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.34 Cl:川上一道

というものです。今回は、仕事上のイベント出張の関係で時間ギリギリの到着となり、当日券で滑りこみセーフ。チェロの茂木さんのプレトークがちょうど終わる頃合いでした。



さっそく第1曲:ホフシュテッターの弦楽四重奏曲。しばしば(伝ハイドン)という付記があるように、ハイドンの作品と思われていた時代があったのだとか。
第1楽章:プレスト。たしかにハイドン風ではあるけれど、ハイドンほどの自在な境地とは少し違っているような…それは事情を知っているから言えるだけなのかもしれません(^o^)/
第2楽章:アンダンテ・カンタービレ。他の三人がピツィカートする中で、弱音器を付けた?1st-Vnがセレナーデを奏でます。これが曲の愛称の由来でしょう。第3楽章:メヌエット。途中でヴィオラの倉田さんがお休みのところがあり、こんなとき演奏家は何を思うのだろうか。第4楽章:フィナーレ、スケルツァンド。楽しい音楽です。

2曲めはバルトークの第4番。うーむ。この曲は高校生の頃に「バルトークの弦楽四重奏曲中の最高傑作」という評判を聴いて果敢に挑戦したけれど、なにせカラヤン/BPOの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲にうっとりするような当時の感性では不協和音と強烈なリズムに太刀打ち出来ず、あえなく敗退したという印象の記憶が強いです。通勤の音楽で聴き慣れたとはいえ、初の実演になんだか構えて聴いてしまいます。
第1楽章:アレグロ、なんだか落ち着きません。第2楽章:プレスティッシモ、コン・ソルディノ、弱音器を付けて。Vnが気難しくぶつくさ言っているような感じ。第3楽章:ノン・トロッポ・レント。茂木さんのチェロが力強さ、静謐さを感じさせる面も。第4楽章:アレグレット・ピツィカート。これがいわゆるバルトーク・ピツィカートの由来でしょうか。第5楽章:アレグロ・モルト。ハンガリーの民謡風の要素が濃厚ですが、同時にぶつかり合う要素もあり。
うーむ、何と言いましょうか、バルトーク。「管弦楽のための協奏曲」のように、従来の調性とは違うでしょうが、広い意味での調和というか、対比やシンメトリーのような面白さを表現しきるのは、難しいのだろうなあと思いました。



休憩の後は、ウェーバーのクラリネット五重奏曲です。ステージ左から、1st-Vn、2nd-Vn、Vla、Vc、Clという楽器配置です。演奏が始まると、水を得たようなと形容するしかない、そんな第一印象を持ちました。第1楽章:アレグロ、第2楽章:ファンタジア、アダージョ・マ・ノン・トロッポ。いい音楽を聴いたなあという実感があります。第3楽章:メヌエット、カプリッチョ・プレスト。めまぐるしく動きまわるメヌエットです。第4楽章:ロンド、アレグロ・ジョコーソ。クラリネットが、戯れるように低音から高音へ駆け上がり、また駆け下りる。名技性をふんだんに示して、ほんとにスカッとする音楽です。

今回の定期で団を卒業するセカンド・ヴァイオリンの今井東子さんに、小学生の女の子から花束が贈られて、アンコールはホフマイスターのクラリネット四重奏曲。左から、1st-Vnが今井さん、Vla:倉田さん、Vcが茂木さん、Clが川上さん。そういえば、今井さんが加わってから何年になるのだろう?ずいぶん多くの演奏会を楽しんだ記憶があります。



願わくは、山形弦楽四重奏団がそう遅くない時期に、また四人で開始できますように。またステキな弦楽四重奏曲をたくさん聴くことができますように。

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山形弦楽四重奏団の第70回定期演奏会が近づく

2019年01月23日 06時04分08秒 | -室内楽
いつも楽しみにしている山形弦楽四重奏団の第70回定期演奏会が近づきました。今回は平日28日(月)の夜に開催ということで、当日午後から仕事関連のイベントがあるため、ぎりぎり間に合うかどうかというタイミングです。ゆっくり夕食を食べる時間はとれそうにありません。実は、チケットもまだ入手していませんので、なんとか早めに某楽器店に足を伸ばしたいところです。

いつものように文翔館議場ホールにて、ゲストにクラリネットの川上一道さんを迎えての演奏会。今回のプログラムは、

  • C.M.v.ウェーバー クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.34
  • B.バルトーク 弦楽四重奏曲第4番 Sz91
  • R.ホフシュテッター(伝ハイドン) 弦楽四重奏曲 ヘ長調 Op.3-5「セレナード」

というものです。まずはウェーバーのクラリネット五重奏曲が楽しみですし、バルトークの弦楽四重奏曲の中でも最高傑作という評価もあるらしいハードな第4番を、さてどんなふうに料理するのかも興味深いところ。実は、今週の通勤の音楽として、バルトークの弦楽四重奏曲が鳴っております(^o^)/

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ブラームス「ヴァイオリンソナタ第3番」を聴く

2018年10月22日 06時03分18秒 | -室内楽
しばらく通勤の音楽として楽しんだブラームスのヴァイオリンソナタ集のうち、近ごろ心に残ったのが第3番、ニ短調Op.108 でした。少々ほっとする時間がありましたので、自室のステレオ装置で聴きました。あいにく、ミニコンポのCDドライブは開閉が不調ですので、DVD プレイヤーで再生。CD再生も、とくに問題はなし。

この曲は、1886年から1888年にかけて作曲されたそうです。明治で言えば18年から21年にかけて、ヴェルディが「オテロ」を初演し、初代ドイツ皇帝ヴィルヘルムI世の死去に続いて二代目のフリードリヒIII世も死去するという世情不安定な時期。ブラームスは53歳から55歳、親しい人たちが亡くなり、自分自身も老いを自覚する頃でしょうか、没年まであと10年ほどしか残されていない時期の作品です。でも、3つの楽章からなりどちらかといえばチャーミングな他の二曲とは異なり、4つの楽章からなる堂々たるソナタと感じます。

第1楽章:アレグロ、ニ短調、4分の4拍子、ソナタ形式。
第2楽章:アダージョ、ニ長調、8分の3拍子、三部形式。
第3楽章:ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センティメント、嬰ヘ短調、4分の3拍子、三部形式。
第4楽章:プレスト・アジタート、ニ短調、8分の6拍子、ロンド・ソナタ形式。



CDは、イツァーク・パールマン(Vn)とウラディミール・アシュケナージ(Pf)による1983年のデジタル録音で、これはすっかりお馴染みの演奏です。加えて、ネットから入手(*1)したパブリック・ドメイン音源で、ヘンリック・シェリング(Vn)とアルトゥール・ルービンシュタイン(Pf)による録音も聴いています。後者では、第1番や第2番はいささか無愛想に感じてしまうのですが、この曲ではむしろ渋みやほろ苦さとなって好ましく感じられるようです。

とりわけ、第2楽章の魅力! 思わずセンチメンタルな心情に突入してしまう、しみじみとした音楽です。ブラームスはいいなあ!

■パールマン盤 (EMI CC33-3517)
I=7'58" II=4'47" III=2'49" IV=5'42" total=21'16"
■シェリング盤 (RhythmBoxで再生、無音部を省く)
I=7'42" II=4'39" III=2'56" IV=5'50" total=21'07"

(*1):クラシック音楽へのおさそい〜Blue Sky Label〜
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山形弦楽四重奏団第69回定期演奏会でモーツァルト、プッチーニ、ブリッジを聴く

2018年10月08日 06時45分34秒 | -室内楽
三連休の初日はご近所親族の四十九日の法事があり、美味しい冷酒をいただいて午睡も夕方まで延長となりました。連休中日は体調を整えて、いざ山形テルサへ。山形弦楽四重奏団の第69回定期演奏会です。いつもは雰囲気のある文翔館議場ホールでの定期演奏会ですが、今回はプログラムにあるとおり、ピアノ等の設営の都合もあって、山形テルサ三階アプローズでの実施となりました。

  1. W.A.モーツァルト ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K.478
  2. G.プッチーニ 「菊」
  3. F.ブリッジ 「ロンドンデリーの歌」
  4. W.A.モーツァルト ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 K.493
      ピアノ:小林 路子

開演前に、山形大学の学生さんによるプレコンサートがありました。急遽決まったらしく、プログラムには記載がありませんでしたが、たびたび出演している平山燎(Vla)さんともう1人の女性のコントラバスのデュオで、グリエール?の「ヴィオラとコントラバスのための組曲」から3曲を演奏しました。3年生の平山さんはたぶん冬以来しばらくぶりで、進歩を感じました。2年生のCbもなかなかの熱演。特に2曲めは、弱音器を付けた効果がはっきりわかり、他の2曲との音色の対比が面白かった。

さて、開演となります。ステージ上には正面奥にピアノが配置され、その前に左からヴァイオリン(中島)、ヴィオラ(倉田)、チェロ(茂木)という形です。ピアノの小林路子さんは、ふわふわのピンクのドレスで登場、黒系の弦楽の男性三人の中にあって、まことに紅一点。

モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番は、第1楽章の暗く劇的な始まりで、アレグロの音楽はいかにもモーツァルトのト短調といった感じ。中間部はモーツァルト的軽快さを見せます。第2楽章、アンダンテ。弦楽三重奏だけのところにピアノが入ってきたり、ピアノにチェロだけがそっと寄り添ったり、ピアノの右手は弦と一緒に動きながら左手は独立した低音進行の場面もあり。多彩で優美な音楽です。第3楽章はロンド、アレグロ・モデラート。ピアノと弦楽の自在なからみ合いが堪能できる、チャーミングで溌剌とした音楽です。時折、現代ピアノらしい響きと迫力を感じさせながら、モーツァルトの軽快な疾走感を味わいます。うーん、いいなあ。

第2曲めは、プッチーニの「菊」。これはれっきとした弦楽四重奏曲ですので、第2ヴァイオリンに今井東子さんが焦げ茶のノースリーブで加わります。ステージ左から、1st-Vn、2nd-Vn、Vla、Vc という配置。Vcに続いて始まる音楽は、歌劇作家プッチーニらしく、ひたすら旋律と響きを重視した短い音楽です。弦楽四重奏曲の世界の中では、ちょいと演歌っぽい音楽かも(^o^)/

休憩の後、3曲めはブリッジの「ロンドンデリーの歌」。ブリッジはブリテンの先生で前衛的な音楽を書いた人らしいのですが、この曲はずいぶん親しみやすい音楽です。始めはひそやかにヴィオラに、後には四人にずいぶんはっきりとアイルランド民謡「ロンドンデリーの歌」または「ダニーボーイ」の旋律が出てくると、あ〜、なるほどと思います。ちょっとセンチメンタルな気分になります。

最後は、再びモーツァルトのピアノ四重奏曲で、第2番変ホ長調、K.493です。明るく活発な第1楽章:アレグロ、第2楽章:ラルゲットはピアノから始まる緩徐楽章、やはりピアノから始まる第3楽章:アレグレット。第1番とはいささか異なり、明るく伸びやかな風情が全体を支配します。ピアノ四重奏曲という新しいジャンルを作り、楽譜をたくさん売ろうとしたけれど、第1番は難しすぎると不評で、出版社から契約を打ち切られたのだそうな。別の出版社に依頼した第2番のほうは、少しは対策を考えたのかも知れません。でも内容的にはあまり易しくはなっていないみたい(^o^)/

アンコールは、モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番の第3楽章を。やっぱりいい曲ですね〜。ピンクが大好きでピンクの衣装で登場した小林さん、山形Qの男性諸氏にもピンクのハンカチをお願いしたのだそうで、ああ、なるほど、それで硬派の中島さんまで珍しくピンクのハンカチを使っていたのですね! 

さて、次回は第70回定期演奏会となります。期日は2019年1月28日(月)、平日の18:45から、文翔館議場ホールにて、ウェーバーのクラリネット五重奏曲(Cl:川上一道さん)、バルトークの弦楽四重奏曲第4番、伝ハイドン:弦楽四重奏曲「セレナード」というプログラムだそうです。これは楽しみ! さっそく新しい手帳に記入しました。

【追記】
カメラに記録した画像を整理していたら、ちょいと気づいてしまいました。ホールの人も不慣れなのかな。現場のスタッフというよりも担当は事務屋さんなのでしょうけど(^o^)/

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ブラームスのヴァイオリンソナタ集を通勤の音楽にして

2018年10月04日 06時03分27秒 | -室内楽
風邪でしばらく休んだ後の通勤の音楽は、大編成オーケストラで大音量の演奏を選ぶ気力がありませんでした。で、選んだのがブラームスのヴァイオリン・ソナタ集。イツァーク・パールマン(Vn)とウラディミール・アシュケナージ(Pf)により、ロンドンのEMI-アビーロードスタジオで収録された、1983年のデジタル録音です。

CDで繰り返し聴くとき、心に残る曲はその時々の状況〜早朝か夕方か、往路か復路かなどによって違ってくるものですが、今回はなぜか第3番の、重く厚い晩年の作風の中に垣間見える、ため息をつくような音楽が心にしみます。このあたりは、もしかすると年齢的な近さが共感を呼ぶ面もあるのかもしれません。

CDは、CC33-3517という型番のレギュラープライス盤。1987年当時、CDは1枚で3,300円もしたのですね。写真で見るパールマンもアシュケナージも、この頃は実に若かった。やっぱり、思わずため息が出ます。

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アフィニス音楽祭で室内楽演奏会(1)を聴く

2018年08月23日 05時48分40秒 | -室内楽
平日の夜、仕事帰りに夕食を済ませ、文翔館議場ホールに向かいました。開場は18時30分でしたが、のんびり食事をしていたせいか、危うく開演に間に合わなくなるところでした。いつものシューボックススタイルの座席配置ですが、さすがに席の数が多く、ほぼぎっしり埋まっています。また、音楽祭の参加者の方々も混じっているのでしょうか、お客様の顔ぶれが随分と国際的です。

当日のプログラムは、

  1. ドヴォルザーク ピアノ五重奏曲 イ短調 Op.81
  2. モーツァルト  ディヴェルティメント第9番 変ロ長調 K.240
  3. シューベルト  八重奏曲ヘ長調 Op.166

というものです。

第1曲:ドヴォルザークのピアノ五重奏曲は、
 第1ヴァイオリン:川崎洋介(音楽監督、オタワ・ナショナルアーツセンターorchコンサートマスター)
 第2ヴァイロイン:高和雅(広島交響楽団)
 ヴィオラ:太田玲奈(群馬交響楽団)
 チェロ:石原まり(九州交響楽団)
 ピアノ:居福健太郎(東京芸術大学非常勤講師)
というメンバーです。フィナーレで、しだいにテンポが速くなるような、舞曲のような要素も感じました。

第2曲のモーツァルトは、プログラムには
 オーボエ1:マーテン・デッカース (ケルンWDR放送響首席)
 オーボエ2:佐竹真登 (日本フィル)
 ホルン1:高橋将純 (大阪フィル)
 ホルン2:岡本和也 (山響)
 ファゴット1:ハンノ・デネヴェーク (シュトゥットガルト放送響首席)
 ファゴット2:皆神陽太 (東京シティフィル)
の6人しか書いてありませんでしたが、実際はコントラバスが加わっていました。たぶん、講師の一人、
 コントラバス:イェルク・リノヴィツキ (リューベック音楽大学教授)
でしょう。モーツァルトらしく楽しい音楽。オーボエとファゴットというのは、どことなくひょうきんなものを感じます。

第3曲、シューベルトの八重奏曲。
 Vn1:四方恭子 (音楽監督、兵庫県立芸文センター管コンサートマスター)
 Vn2:宮崎美里 (広島響)
 Vla:福田幸子 (ザ・カレッジオペラハウス管)
 Vc:原悠一  (中部フィルハーモニー響)
 Cb:本山耀佑 (都響)
 Cl:川上一道 (山響)
 Hrn:パウル・ファン・ツェルム (ケルンWDR放送響首席)
 Fg:大内秀介 (日本フィル)
久々のナマ八重奏曲です。2010年4月にパストラーレ室内合奏団で聴いて以来8年ぶりです。CDでは持っていないし、古いLP、パスカル弦楽四重奏団にジャック・ランスロとポール・オンニュらが加わった、1961年の録音で聴くしかないものですから、こうして生で聴けるのは嬉しいものです。

19時に開演して終演は21時20分ころだったでしょうか。田舎の我が家への帰路は車の通りもぐっと少なくなり、ようやく30度を下回った気温が多少涼しく感じられた夜でした。

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ボッケリーニの「弦楽五重奏曲ホ長調(G275)」を聴く

2018年08月03日 06時02分32秒 | -室内楽
こう暑くなると、暑苦しい音楽よりもスッキリ・サッパリな音楽が好ましい。現在の通勤の音楽は、昨年冬に某書店のワゴンセールで入手(*1)したCDの中から、ボッケリーニの「ギター五重奏曲・弦楽五重奏曲集」(ナクソス)を聴いております。実際はCDを車内に持ち込んでいるのではなく、Linux-PCでOgg-forbis形式のファイルに取り込み、USBメモリーにて再生しているのですが。今回は、弦楽五重奏曲のほうを取り上げます。

当方の小規模のCD/LP等のライブラリにはボッケリーニの他の弦楽五重奏曲作品がなく、ボッケリーニという作曲家についても多くを知りませんが、この作品は1771年に作曲されたのだそうで、作曲者28歳の頃らしいです。1771年と言えば、ハイドンはまだ39歳で、エステルハージ侯爵家で40番台前半の交響曲、20番台の弦楽四重奏曲を書いているところですし、モーツァルトはまだ15歳、イタリア旅行の頃でしょうか。

この弦楽五重奏曲は、通常の弦楽四重奏にチェロが加わった形の Vn(2)-Vla-Vc(2) という編成で、自身が優れたチェリストだったボッケリーニらしく、古典派風のエレガントな曲調の中にも、チェロパートの充実が感じられる作品です。

第1楽章:アンダンティーノ・モッソ、動きのあるアンダンティーノ。活発な速めのアンダンテ、というような理解でよいのでしょうか。愛情に満ちて、いかにも優雅な、でも活気のある音楽です。
第2楽章:アレグロ・コン・スピリト。元気よく速く、というような意味か。実際、快活に演奏される音楽です。
第3楽章:メヌエット。いわゆる「ボッケリーニのメヌエット」(*2)です。たしか、ずっと昔にNHK-FMの何かの番組でテーマ音楽に使われていたと記憶しているのですが、残念、何の番組だったのか思い出せません。
第4楽章:ロンド。輪舞曲の名のとおり、何度も繰り返される旋律が優雅です。「まあ、ロンドですわ」などと言って、貴族のご婦人たちがそわそわしそうです(^o^)/

演奏は、ダニュビウス・カルテットとエーデル(チェロ)。ブダペストのユニタリアン教会で、1992年に収録されたデジタル録音です。冒頭の肖像画は、チェロを奏するボッケリーニだそうな。

■NAXOS:8.550731
I=3'48" II=5'20" III=3'28" IV=7'04" total=19'40"

(*1):某日、音楽CDのワゴンセールに遭遇〜「電網郊外散歩道」2017年2月
(*2):ボッケリーニのメヌエット、こういう音楽です。YouTube より。
Luigi Boccherini - Minuet - String Quintet


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アストル・ピアソラ「ブエノスアイレスの四季」を様々な編成で聴く

2018年07月27日 06時03分52秒 | -室内楽
先日の文翔館での「ピアソラ&ヴィヴァルディの四季」に触発されて、いつも聴いているイタリア合奏団の演奏(*1)以外のものを探してみました。YouTube には実に様々な編成、様々な編曲による演奏がありました。いくつか印象に残ったものをご紹介。

まず、オーケストラにピアノとヴァイオリンのソロというバージョン。
A. Piazzolla. The Four Seasons of Buenos Aires


こちらは計11人の弦楽アンサンブルで、曲の中にヴィヴァルディの「四季」を部分的に引用、演奏の順序も「夏、秋、冬、春」というもの。なかなかおもしろい。
PIAZZOLLA Four Seasons of Buenos Aires


ヴァイオリン、チェロ、ピアノという編成での演奏。
Astor Piazzolla - The Four Seasons of Buenos Aires


バンドネオンが入ると、ぐっとラテン色が強くなります。Part.1 は「春」と「夏」のみですが、Part.2 もあるようです。
Astor Piazzolla (part 1) Four Seasons for Violin, Bandoneon and Strings


それにしても、いい曲ですね〜!ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」!

(*1):ヴィヴァルディとピアソラ〜二つの「四季」〜「電網郊外散歩道」2007年1月
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文翔館でピアソラ&ヴィヴァルディの「四季」を聴く

2018年07月23日 06時03分15秒 | -室内楽
猛暑の日曜日、比較的涼しい早朝から、まだ施肥が終わっていなかったもうひとつのサクランボ果樹園で収穫後の肥料散布と草刈りに従事し、汗びっしょりで戻りました。朝食後は、寺の役員会の欠席者に諸連絡、その後はぐんぐん上昇する気温を考慮し、ブログ巡回と読書三昧となりました。高校野球県大会のラジオ放送が聞こえる中、妻と二人で文翔館議場ホールに向かいます。お目当ては、ピアソラ&ヴィヴァルディの「四季」の演奏会。



アストル・ピアソラはアルゼンチンの作曲家・バンドネオン奏者で、タンゴの伝統を基盤に持つ人(*1)のようです。ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」は、イタリア合奏団のCDで楽しんでおりますが、ヴィラ・ロボスと同様に、私にとってはあまり馴染みの深い作曲家とは言えません。今回の演奏会は、どんな切り口で二人の作曲家の作品を表現するのか、楽しみです。



いつもの議場ホールに入ると、議長席を正面に見る縦長の配置ではなく、議長席を左に見る横長の座席配置です。楽器配置は、左からヴァイオリンI-(ヤンネ舘野)、ヴァイオリンII&尺八(亀井庸州)、チェンバロとピアノ(P.エスカンデ)、バンドネオン(北村聡)、チェロ(E.ジラール)、コントラバス(長谷川順子)、ヴィオラ(中田美穂)となっています。クラシック音楽風に言えば、弦楽五重奏にピアノやチェンバロ、それにバンドネオンが加わった編成です。



プログラムは、

  1. ヴィヴァルディ 「四季」より「春」
  2. ピアソラ ブエノスアイレスの四季より「春」
  3. ヴィヴァルディ 「四季」より「夏」
  4. ピアソラ ブエノスアイレスの四季より「夏」
        〜休憩〜
  5. ヴィヴァルディ 「四季」より「秋」
  6. ピアソラ ブエノスアイレスの四季より「秋」
  7. ヴィヴァルディ 「四季」より「冬」
  8. ピアソラ ブエノスアイレスの四季より「冬」

となっています。

うーむ、おもしろい! ヴィヴァルディではチェンバロが通奏低音を担当し、ピアソラのほうはピアノと弦楽五重奏にバンドネオンが加わるという編成。一部、尺八のソロが入るというのは様式的に違和感がありますが、ご愛嬌の範囲でしょうか(^o^)/
Vivaldi の音楽は、孤児院の少女たちのために女学校の音楽部顧問のような赤毛の司祭が作曲していたものですので、まあ、どちらかといえば健全なスタイル(^o^)/
これに対してピアソラの音楽は、大都会の場末の物憂さ、気だるさといった雰囲気が時折顔を出すのが特徴的です。ヴィヴァルディでは若干眠気を感じる人も、ピアソラの方ではなぜかぱっちりと目を覚ますという不思議さがあります。このあたりは、たぶん20世紀の同時代性というものかもしれません。



雑多な感想になりますが、ヤンネさんはじめ皆さんの、とても楽しんだ演奏の中でも、ヴィオラの中田美穂さんの溌剌とした表情に共感しました。例えばヴィオラが同じ音をずっと奏していても、同じ音なのに実に表情豊かで情感があります。こういう発見は、実演ならではのものでしょう。ヴィヴァルディでときどきバックに加わるバンドネオンがいい味です。編曲に当たったエスカンデさんの、ピアソラのピアノが実に良いなあ。休憩後、後半の奏者入場で、長谷川さんが弓を忘れたのにはちょっと親近感を感じた(^o^)/

アンコールは、ピアソラの「忘却」(*2)とシベリウス「悲しいワルツ」。来年、2019年の5月19日、こんどはフィンランドの音楽を取り上げるそうな。これも楽しみです。プログラムの解説は、頭文字から判断して、時折コメントをいただくダイカツさんでしょうか?

(*1):アストル・ピアソラ〜Wikipediaの解説
(*2):YouTube より「忘却 Oblivion」
Oblivion-Astor piazzolla-RNE


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室内楽と山形弦楽四重奏団と私

2018年07月18日 06時04分44秒 | -室内楽
私がまだ若い頃、昭和40年代の後半の金曜の夜、NHK-FMでは大宮真琴氏や海老沢敏氏らによる解説で、室内楽を特集しておりました。当時は、オーケストラの大音量が大好物で、室内楽は「たまに聴くのはいいが、飽きてしまう」音楽のジャンルでした。もちろん、モーツァルトの「クラリネット五重奏曲」やシューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女」、あるいはドヴォルザークの「アメリカ」など有名どころの室内楽作品は大好きでしたが、室内楽全般、とりわけハイドンの弦楽四重奏曲の魅力を知ったのはずっと遅く、40代末〜50代前半で単身赴任で夜間勤務をしている頃でした。お気に入りは作品64で、ずいぶん聴きました。



山形弦楽四重奏団の定期を初めて聴いたのは、たぶん2007年の第23回定期演奏会あたりで、ハイドンのOp.103「遺作」、佐藤敏直「弦楽四重奏のためのモルト・アダージョ」、ベートーヴェンの「ラズモフスキー第2番」というプログラムでした。故佐藤敏直さんの奥様が出席しておられ、演奏の後に紹介されたのが記憶に残っています。このころから、いろいろな事情で行きたいと願いながら行けなかった時期を脱し、いろいろな演奏会に出かけられるようになって、喜んだものでした。

その意味では、全部で68回のうち、何回か事情で欠席せざるを得なかった数回を含めて25回くらいは除くとしても、43回くらいは出席していることになります。当方の室内楽愛好のかなりの部分は、山形弦楽四重奏団とともに形成されてきたようなものでしょう。当ブログの音楽関係カテゴリーの中でも、山響定期を含む「オーケストラ」と山Q定期を含む「室内楽」の記事数が顕著に多いのは、たぶん、そのせいでしょう。ほんとにありがたいことだと思います。願わくは、山形弦楽四重奏団メンバーの皆さんが今後とも健康で、引き続き様々な室内楽作品を演奏し続けてくださいますように!

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山形弦楽四重奏団第68回定期演奏会でハイドン3曲を聴く〜全曲を完奏

2018年07月17日 06時05分30秒 | -室内楽
海の日で祝日となった月曜日、早朝からサクランボ果樹園の褐色穿孔病対策の防除を実施し、くたびれて午前中〜昼過ぎまで爆睡、午後からハイドンの弦楽四重奏曲をいくつか聴いて予習し、演奏会に出かけました。山形弦楽四重奏団の第68回定期演奏会、ハイドンの弦楽四重奏曲全曲演奏を目標に活動してきたカルテットが、いよいよ全68曲を完奏するという記念の演奏会です。



会場となる文翔館に到着すると、議場ホール入り口にはすでに開場を待つ人たちの行列ができていました。開演前のプレコンサートは、学生さんたちを主体とする若い人の演奏で、今回は山形大卒業生の三浦奈々(Vla)と学生の佐々木杜洋(Vc)の2人による、L.V.ベートーヴェンの二重奏曲から。

続いてプレコンサート・トークは中島光之さん。初っ端から「ハイドンを全曲演奏しても今回が終わりではありません」と笑いを取ります。長男が生まれ、慣れないだっこをしているうちに腰を痛めてしまい、コルセットをして臨んだ第一回の演奏会からすでに18年、その長男もこの春に大学生になったとの感懐。今回のプログラムは「文翔館議場ホール〜ハイドン全68曲完奏記念オールハイドン〜」というもので、曲目は次のとおり。

  1. F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.20-4「ヴェネツィアの競艇」
  2. F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 嬰ヘ短調 Op.50-4
  3. F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 ハ長調 Op.76-3「皇帝」

これについては、(1)作品20-4は教会音楽とジプシー音楽を組み合わせ、教会の音楽、あるいはバロック音楽から離れていったOp.20の4曲めで、ハイドンの初期の作品、(2)モーツァルトの「ハイドン・セット」から逆に影響を受けたOp.50の4曲めで、ハイドン中期の作品、この二曲がまだ演奏していなかったので、これらに後期のOp.76-3「皇帝」を加えて三曲のプログラムとした、とのこと。前期・中期・後期の三曲にハイドンの人生の歩みを、また山形Qの18年の歩みを重ねあわせてお楽しみくださいとまとめました。うーむ、近年まれに見る、いや、聞く、出色のトークではなかろうか(^o^)/

ステージ上は、例によって左から1st-Vnの中島光之さん、2nd-Vnの今井東子さん、Vlaの倉田譲さん、Vcの茂木明人さんが並びます。今井さんのエメラルドのような青緑色のドレスが目を引くほかは、男性三人とも黒のシャツで、中島さんは腕まくりをして意気込みを示します。もしかしたら単に暑さ対策? いやいや、意気込みの現れとみました。

第1曲、ニ長調のOp.20-4。第1楽章:アレグロ・ディ・モルト。充実したハイドンの響き。第2楽章:ウン・ポコ・アダージョ・アフェットゥオーソ。短調の印象的な曲。チェロが実にいい味を出している変奏曲。第3楽章:メヌエット、アレグレット・アラ・ツィンガレーゼ(ジプシー風に)。付点リズムが特徴的な短い楽章。第4楽章:プレスト・エ・スケルツァンド。なるほど、たしかにジプシー風。しだいに速くなるところなど、チャールダーシュみたい(^o^)/
ウルブリヒ弦楽四重奏団のCDで予習をしていった影響もあると思いますが、実にいい曲を知ったなあと感じます。

続いて第2曲め:嬰ヘ短調のOp.50-4です。冷房がガンガン効く中で、第1楽章:アレグロ・スピリトーソが始まります。ハイドンにしては珍しい調性ではないかと思いますが、実際に独特の響きです。第2楽章:アンダンテ。変奏曲を奏でるチェロが、とても即応性に富んでいると感じます。第3楽章:メヌエット、ポコ・アレグレット。第4楽章:フィナーレはチェロから始まるフーガで、アレグロ・モルトの指示があります。

ここで15分の休憩です。はるばる関西から遠征して来た某さんと会い、少しだけ立ち話をしました。文翔館には何度も足を運んでおり、議場ホールもおなじみになっているようです。美味しい食べ物や温泉、音楽など、すっかり山形ファンになっていただいているようで、ありがたい限りです。知事に代わって御礼を申し上げねば(^o^)/

第3曲め:ハ長調、Op.76-3、知名度の高い名曲、「皇帝」です。実際、私もハイドンの弦楽四重奏曲をどれか一つと言われたら、「ひばり」か「皇帝」かと考えるでしょう。記憶している限りでも、山形Qの定期で1回、プレシャスQで1回、今度で三回目のナマ「皇帝」です。安定感のある4人のアンサンブルで、有名な第2楽章 Poco adagio Cantabile の、ゆったりとして伸びやかな音楽もブラヴォ!ですし、フィナーレの、ハイドン晩年の到達点にふさわしい斬新な響きにも強い印象を受けました。

実にたくさんのお客さんが入った議場ホールで、拍手に応えるアンコールは、「もう一回奏でたい曲」として選んだという、Op.76-1から「メヌエット」を。たしかに、「もう一回聴きたい曲」にも入るかもしれません。



今回は、個人的に Op.20-4 に心惹かれました。楽師ハイドンは、この曲をどんなときに作曲し、演奏したのだろう? 慶事が続く時にこの曲を選んだら、エステルハージ候から「お前、オレに何か恨みでもあるのか?」と言われかねない(^o^)/
おそらくは、エステルハージ候の周辺で何か悲しむべき事態が起こった時に、こうした音楽をさりげなく演奏したのではなかろうか? そして、候自身も、表面的には取り繕いながら、嬉しく思う面があったのでしょう。それは忖度でもゴマすりでもなくて、ハイドン自身が共感できるものだったからではなかろうか。エステルハージ侯と楽師ハイドンの関係は、ハイドンの忍耐強さはもちろんですが、両者に共感するものがあったために、長く続いた面があったのかもしれないと思えてなりません。

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