評価 (3点/5点満点)
ベストセラー『1分で話せ』の伊藤羊一さんが、リーダーシップとマネジメントのあり方から、現場における実践方法までを体系化したものです。
3つのリーダーシップ
「自分を導く(Lead the self)」
「他者を導く(Lead the people)」
「社会を導く(Lead the society)」
自分を導くとは「自らの意思で選び、決断する」生き方で、「自分に対してリーダーシップを発揮する」ことです。
またリーダーは、自分を導いて生きるのと同時に、チーム(組織)さらには社会へと目を向けていきます。
リーダーシップの根本にある3つの価値観
「FREE」常識から解放され、ひとりの人間として自由に生きる
「FLAT」一人ひとりが、異なる意思を持つリスペクトされるべき存在である
「FUN」一人ひとりが意思を決めて生きられれば、楽しく幸せな社会になる
すべてのはじまりは自分を導いて生きる、というリーダーシップの本質をつかむことができる1冊です。
【my pick-up】
◎コロナショックを機に私のワークスタイルは激変した
実際に私自身も、ほぼ100%リモート(オンライン)で仕事をしています。その結果、私の場合はとにかくアウトプット量が増えました。これは通勤をはじめ移動時間、出張の往復などがなくなったことが大きな要因です。自由に使える時間が1日2時間程度は確実に増えたのです。リモートワークのおかげでとにかく仕事に集中できるというのがいまの私の実感です。
◎リーダーは「Why(存在意義)」を伝えよ
いまリーダーの立場にある人の多くが「Why(存在意義・ゴールに向かう理由)」ではなく、「WhatやHow(手段)」ばかり考え、話しているのです。そうではなく、リーダーこそが、自分の「譲れない想い」を持ち、それを言葉の限り、伝えなければなりません。
◎FLATな組織は、一人ひとりが「自分ごと」として働ける
これは私のスタイルですが、Yahoo!アカデミアチームのメンバーはみな、私がなにも答えをいわない、方向性もあまりいわないことを知っているので、全員が自分ごととして自分の頭から湯気を出しながら考えています。だから、力強い覚悟を持った企画がつくられ、実行されていきます。いくらゴールを共有していても、一人ひとりが「自分でやっていくんだ!」という覚悟と責任感を引き受けなければ、チームの仕事のクオリティは絶対に上がらない。逆にいえば、FLATであることは、メンバーに「厳しさ」を求める態度なのかもしれません。
◎あなたは「成果」を出すしかない
「成果を出す」ことは、具体的にどんな意味があるのか?それはたとえば、これまで3時間かかっていた作業を2時間でできるようになれば、時間が1時間余るということです。成果を出すことには、そんな単純な意味があります。もし1時間でできるようになれば、余った2時間で別の力を蓄えられます。その2時間を使ってさらに成果を出していけば、発言力が増していきます。発言力が出てきたら、仕事の精度が上がります。精度が上がると、心と体が楽になっていきます。そうして続けているうちに、自分の「想い」へ向かって着々と近づいていけるのです。
「全然楽にならないんだけど?」という人は、努力が無駄になっているのかもしれないし、単に努力が足りないのもしれません。また「努力しても上司に評価されるとは限らないよ」という人もいますが、私は成果を出すことと上司からの評価は、ほぼ同義でいいのではないかと考えます。わかりやくいえば、「評価されるような成果」を出せばいい。自分が本当に好きな仕事をやるために、まず評価を得ればいいのです。