厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
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2021年140冊目『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる!』は、AI時代に生き残るために、会社に頼らず個人の能力を高める行動戦略

2021-06-06 15:45:21 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

「これからは、一人でも食べていける人材にならないと生き残っていけません!」

 

・会社の平均寿命は23年。どんなに愛社精神があっても、会社がなくなれば転職するしか道はない。

・AI時代の突入で、現在の仕事の9割はなくなる。

・会社で「なんとなく働いているフリ」をしていた社員は、リモートワークによる成果主義の本格化によって、ごまかしがきかなくなってしまった。

 

こんな社会で生き残るためには、アイデアをカタチにするクリエイティブ能力、企画力、やり切る力、逆境を跳ね返す精神力、圧倒的行動力などが必要になります。

 

著者の石川和男さんから、本書に関して直筆で頂いたメッセージは

「生き残り戦略!!」

 

AIにはAIの仕事があり、人間には人間にしかできない仕事があります。会社に頼らず、個人の能力を高める行動を1日でも早くスタートしなければなりません。

 

【my pick-up】

◎すべての職種に必要な勉強とは?-会計

「会計はすべての職種において必要な知識」

人事は配置先の人件費、総務は社会保険の計算のために会計の知識が必要です。土木や建築などの現場担当者は原価計算のため、積算担当は入札金額を計算するために会計の知識が必要です。営業は、契約ではなく、お金を回収するまでが営業です。得意先の経営状況を知るためには、会計の知識が必要です。管理職になれば、担当部署の予算管理のために必要になります。

そして経営者のあなた!最低限知っておいて欲しいのは、経理担当者や税理士と話せる会計の基礎知識です。税理士の言う通りに申告したら、税務調査のときに追徴金を取られなかったので、喜んでいたら、税金を多く収めていただけだった。会計の知識がないため、利益も損失もわからない。資産と費用の区別もつかない。本業で儲かっていたのに、黒字倒産するケースもあります。

「GDPは日本中の複式簿記の結果出てきた数字。簿記3級が完璧にわかれば、経済全体がわかる」(竹中平蔵氏)。経理を担当するのでなければ、日商簿記3級の知識を得れば、会社の数字はわかるようになります。

◎資格取得によって、上司や先輩に質問する頻度も低くなる

経理担当者なら、日商簿記3級、2級、ファイナンシャルプランナー、最終的には税理士と極めていく。取得によって、上司や先輩に質問する頻度も低くなります。私も実際、建設業簿記4級、3級、2級と取得し続けたおかげで、徐々に先輩や上司に経理面で質問することがなくなり、1級を取得した頃には、逆に建設業法の話は先輩のみならず上司にも教える立場になっていました。

あなたも、自分の部署の仕事の専門性を高めることをすぐに習得してください。一度極めてしまえば、一生モノになり、仕事は一気に加速します。

◎人に任せること

以前の私は、任せることをしなかったので、自分だけは深夜23時まで残業しても、部下は定時で帰していました。しかし、あるとき、任せないと部下は成長しないし、部下のためにもならないと気がつき、以来、自分一人で抱え込まないで、積極的に部下に仕事を振るようになりました。その結果、いかに自分の時間が多くなるかを知ったのです。

部下にうまく仕事が振れるというのは、リーダーとしての資質の1つです。どんどん人に任せることによって、自分の時間を作り出し、残業しないで、その時間をAIに打ち勝つスキルを磨くことにつかうことができるのです。

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2021年139冊目『決算・監査コストの最適化マニュアル』は、「監査報酬が高い要因を企業自身が作り出していないか?」を考えさせられる良書

2021-06-06 15:33:02 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

この本では、

「内部統制が変われば、決算・監査対応は楽になる、コストは安くなる」

をコンセプトに、普段あまり企業の知るところでない、監査法人による監査手続決定のメカニズムを紹介するとともに、これを踏まえて、決算・監査に関連するコストを下げるために企業ができる唯一最大のコスト削減施策である、内部統制対応・決算手続のポイントについて紹介します。

 

具体的には、限られた人的・時間的資源の中での決算・監査の完了を目指す「リスク・アプローチ」の理論を中心に、企業の決算・監査コストを最適化するための企業側の取り組み方について解説しています。

 

監査法人の担当者としては、入手し漏れがあると後々面倒なので、「とりあえず多めに依頼する」というのが常套手段です。その結果、企業担当者が汗水たらして準備し、提出した資料の半分以上捨てられている可能性もあります。

 

・見積科目に関する結論は可能な限り決算期末前に協議し結論をつける

・監査法人からの資料依頼リストは必ず事前に入手し、監査期間で手待ちが発生しないようにする

・監査法人から依頼された資料については、「なぜ必要なのか」趣旨を確認する

 

以上のようなちょっとした工夫・取組みだけで監査工数及び監査対応工数は減らすことが可能です。

 

著者の一人である武田雄治会計士も言われていますが、

「ベストセラーにはならないと思うがロングセラーになってほしい」

これからずっと書店の棚に置かれるような、他に類を見ない切り口の本に仕上がっています。

 

【my pick-up】

◎企業側に起因する監査コストの増加

監査法人等が監査報酬等を上げざるを得ない環境を、企業自身が作り出してしまっているケースが少なからずある。

・資料が予定どおりに提出されない

⇒手待ち・資料回収・再依頼の手間が発生

・資料の見方が分からない、データソースが不明瞭

⇒基礎データの信頼性を確認するための手間が発生(分析に資するデータなのか?)

・分析・検証の結果、数字の誤りが多い

⇒修正依頼の手間が発生、修正後の再検証の手間が発生

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2021年138冊目『ビジネスの本質』は、「部下を甘やかすことなく育てよ」など時代に流されない普遍的な仕事の価値観を提示する

2021-06-06 15:15:14 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

この本では、これからの人生においてどんなところでも戦える力になる基本の重要性を述べています。

〝今から基本なんて〟と馬鹿にせず、変革の時代だからこそ、きちんと足場を固めていくことが必要だと言います。

「あの人はプロだ」「あの人の活躍はすばらしい」と言われる人に共通していることは、情報に惑わされず自分の意志を持っていること。そして、それを貫き通す強さを持ち、物事の基本を知り、基本を学び基本を活用できていることです。

 

本書のキモは、第1章「君よ、部下を甘やかすことなく育てよ。」ではないかと思います。

本気で部下を鍛え、育てようと考えるのなら、リーダーはもっとビシッと指示・命令をしていい。褒めるよりも叱れ。強制することがあっても構わない。「自分で考えろ!」と突き放したって結構だ。「君の態度は〇〇の理由で、断固許すわけにはゆかない。だから、こう変えていくよ」と、部下の反発や抵抗なんぞ覚悟の上で厳しくしつけ、指導することが必要だ。それで嫌われても、いいではないか。「好き嫌いは自由。しかし、君は部下という立場だ。上司である私の話に耳を傾け、最終的には従う。それが君の義務である」と一喝すればいい。リーダーは大人である。下の者に対して、やらせるべき時はやらせる非寛容の精神を発揮するべき時もある。(P.13~14)

 

上司は、部下を公平に扱うという観点から、成果を出せる者と出せない者との接し方に差をつけて当たり前だ。成果を出せない者には期限を切って教育や訓練を施し、強引にレベルアップを図ることだ。(P.35)

 

一流のリーダーを志すなら、言いにくい人に、言いにくいことをズバリと言える人にならなくちゃいけない。(P.54)

 

「パワハラが怖くて部下指導ができるか!」。叱責や過大な要求ができないリーダーは、自分の役割を放棄しているにすぎない。(P.76)

 

以上のような内容は、時代遅れに見えて、実はそうではないのではないでしょうか。

時代を超えてビジネスパーソンにつきまとう普遍的な問題、課題に対する1つの答え、価値観を提示したものです。

 

【my pick-up】

◎「都合のいいおっさん/おばさん」になるな!

注意も叱責もせず、ただ愛想笑いをしているリーダーは、部下に好まれるかもしれないが、好かれることイコール信頼ではない。叱るリーダーシップを忘れたおっさん/おばさんになったら、一巻の終わりだ。そんなリーダーをありがたがる部下は成長しない。部下は叱られてこそ賢くなり、注意されてこそ成長してゆくからだ。

◎接触回数を増やすことは人間関係好転の黄金律

人間関係での振る舞いが上手な人と、下手な人の違いは、積極的に関係を持とうとするか、関係から逃げようとするかだけである。考えすぎて慎重になったり、神経質になったり、話すことを躊躇したり、関係を回避したりしていたら、人間関係は好転しない。会社では、苦手な人を避けて通るわけにはいかないのだから、逃げずに自分から働きかけることだ。そうすれば、相手も自然とこちらに顔を向けてくれるようになる。ただし、時間はかかるから、途中であきらめないことが肝心だ。

◎体をとことん鍛えろ

過酷な競争を勝ち残るには、頭だけ鍛えてもダメだ。頭と体を同時並行で磨いてこそ勝てる。キツイ時、「このへんにしておこう」とへこたれてしまう人と、「もう少しだけ頑張ろう」と頭ひとつ抜け出す人の差は、頭の差ではない!ビジネスは、結局は体力がものを言うのである。ネットサーフィンをしている時間に有酸素運動をせよ。ボーッとテレビを見ている暇に腹筋や腕立て伏せといった筋肉トレーニングをしろ。当然、体形がすっきりしてくる。男は引き締まった体があってこそ、「格好いい」と言われるオシャレができる。ありふれたスーツやジーンズであっても、バシッと似合うようになるのである。

◎仕事は最後は体力!

時間がないことを言い訳に体を動かさない人は、美意識も鈍感だ。腹ぽっこりメタボになっていいのかね。「男は腹を出さずに胸を出せ!」が男の美意識というものであり、モテる男のキーワードなのではなかろうか。体に対する危機意識を持つのは、早ければ早いほどいい。いつ海外勤務を命じられるかわからないグローバルな時代だ。諸外国のパワーエリートとつき合うには、TOEICで点数を取るだけではダメ。同時並行で体も鍛えないとね。ビジネスパーソンの実力競争とは、実のところ健康競争に他ならないのだ。

◎図太くいこう!

自分を変えていくなら、とがった生意気人間を目指せ。愛想のいいイエスマンになるな。これが私の持論だ。調和の取れた従順人間や、摩擦を避けて低い安定をよしとする人間、あるいは常識のみを尊ぶウスノロ人間になっては、差別化戦略や生き残り戦略に勝てるわけがないからだ。とがっているのは、自分の考えを持っていることである。生意気なのは、周囲の空気にフラフラ左右されないことだ。とがった生意気人間にチャンスあり、とリーダーは声を大にしてアピールすべきである。実力主義の時代は、自分の実績を自慢し、能力を誇張できるくらいの図太い神経を持つ生意気人間でないと生きていけない。「努力しています」「誠実にやっています」なんて説得力のない話をしているようでは、会社にいられなくなってしまいかねない。

◎仕事は少なく働いて稼ぐゲームでもある

30代、40代・・・となるにつれ、残業しないで定時に帰る日が増えたほうがいい。疲れも取れるし、家族がいる人は家族とのコミュニケーションも密になる。本も読めるし、趣味にも熱中できる。明日はまた仕事を頑張ろうという気になる。この理想を実現させるには、仕事を見直し、成果と関係ない仕事をやめることだ。「仕事はいかに少なく働いて多くのお金を稼げるかというゲームだ」と考えてみてはどうだろう。時間をかければいい仕事ができると思い込んでいる人は時間生産性の意識が低いだけだ。そういう意識の低さはキッパリと改めるべきである。

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