評価 (4点/5点満点)
「これからは、一人でも食べていける人材にならないと生き残っていけません!」
・会社の平均寿命は23年。どんなに愛社精神があっても、会社がなくなれば転職するしか道はない。
・AI時代の突入で、現在の仕事の9割はなくなる。
・会社で「なんとなく働いているフリ」をしていた社員は、リモートワークによる成果主義の本格化によって、ごまかしがきかなくなってしまった。
こんな社会で生き残るためには、アイデアをカタチにするクリエイティブ能力、企画力、やり切る力、逆境を跳ね返す精神力、圧倒的行動力などが必要になります。
著者の石川和男さんから、本書に関して直筆で頂いたメッセージは
「生き残り戦略!!」
AIにはAIの仕事があり、人間には人間にしかできない仕事があります。会社に頼らず、個人の能力を高める行動を1日でも早くスタートしなければなりません。
【my pick-up】
◎すべての職種に必要な勉強とは?-会計
「会計はすべての職種において必要な知識」
人事は配置先の人件費、総務は社会保険の計算のために会計の知識が必要です。土木や建築などの現場担当者は原価計算のため、積算担当は入札金額を計算するために会計の知識が必要です。営業は、契約ではなく、お金を回収するまでが営業です。得意先の経営状況を知るためには、会計の知識が必要です。管理職になれば、担当部署の予算管理のために必要になります。
そして経営者のあなた!最低限知っておいて欲しいのは、経理担当者や税理士と話せる会計の基礎知識です。税理士の言う通りに申告したら、税務調査のときに追徴金を取られなかったので、喜んでいたら、税金を多く収めていただけだった。会計の知識がないため、利益も損失もわからない。資産と費用の区別もつかない。本業で儲かっていたのに、黒字倒産するケースもあります。
「GDPは日本中の複式簿記の結果出てきた数字。簿記3級が完璧にわかれば、経済全体がわかる」(竹中平蔵氏)。経理を担当するのでなければ、日商簿記3級の知識を得れば、会社の数字はわかるようになります。
◎資格取得によって、上司や先輩に質問する頻度も低くなる
経理担当者なら、日商簿記3級、2級、ファイナンシャルプランナー、最終的には税理士と極めていく。取得によって、上司や先輩に質問する頻度も低くなります。私も実際、建設業簿記4級、3級、2級と取得し続けたおかげで、徐々に先輩や上司に経理面で質問することがなくなり、1級を取得した頃には、逆に建設業法の話は先輩のみならず上司にも教える立場になっていました。
あなたも、自分の部署の仕事の専門性を高めることをすぐに習得してください。一度極めてしまえば、一生モノになり、仕事は一気に加速します。
◎人に任せること
以前の私は、任せることをしなかったので、自分だけは深夜23時まで残業しても、部下は定時で帰していました。しかし、あるとき、任せないと部下は成長しないし、部下のためにもならないと気がつき、以来、自分一人で抱え込まないで、積極的に部下に仕事を振るようになりました。その結果、いかに自分の時間が多くなるかを知ったのです。
部下にうまく仕事が振れるというのは、リーダーとしての資質の1つです。どんどん人に任せることによって、自分の時間を作り出し、残業しないで、その時間をAIに打ち勝つスキルを磨くことにつかうことができるのです。