厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2016年110冊目『深く、速く、考える。』

2016-06-18 22:48:32 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

この本のテーマは、深く速く考える思考法=「深速思考」です。

トヨタの社内には独特なツールが数多くありますが、その代表格ともいえるのが様々な報告や企画をA3サイズの資料1枚にまとめる「A3報告書」。ムダな記述を極限までそぎ落として本質を明らかにし、革新的なアイデアをシナリオ化するこのツールは、その分作成にも深い思考を要します。しかし、トヨタはこのツールを中心に据えることで、社内の問題解決力やナレッジマネジメント力を飛躍的に高めることに成功しています。

本書ではこのツールを参考に、日常的な問題を深く考えることを繰り返すことで、思考する力とそのスピードを鍛えることを目的としています。トヨタの思考法のキモのひとつでもある、「具体と抽象を自由に行き来できるようになる」こともポイントです。

常識の外側に出るためには、深く考えることが重要であり、毎日継続するためには、速く考える必要があります。常識の枠から大きく外に出るには、天才の直観力が必要ですが、少しだけ出るなら凡人でもトレーニングすればできるようになります。これらは深速思考のトレーニングのコンセプトでもあります。まず深く考えるために、因果関係を図にする「因果関係マップ」や、アイデアを遠くから借りるという「アナロジー思考」の基礎訓練をします。そして、トレーニングを効果的にするために、思考の壁のちょっと外に出ることが必要な問題を解きます。つまり、問題の難易度を徐々に上げていきます。(P.62~63)

「抽象化思考」(構造を取り出して本質を見抜く)、「アナロジー思考」(遠くからアイデアを借りてくる)、「因果関係マップ」(本質的な構造を見える化)の3つの思考ツールを使って、短時間で深く考え、素早く正解へのルートを見出しましょう。

AKBはなぜ成功できたのか?

徳川家康はなぜ江戸に幕府をつくったのか?

鳥貴族はなぜ儲かっているのか?

といった身近なネタ、取っつきやすいネタを例題として取り上げ、それらに関するクイズなども交えながら考えていきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年109冊目『進化系ビジネスホテルが予約がとれないほど人気なワケ』

2016-06-18 22:20:14 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

10年ほど前から、ビジネスホテルでは設計デザイン革命が大きく開花し、シティホテルと遜色ない客室インテリアや設備品質を持つ「進化系ビジネスホテル」が増えました。そうした進化の様子とホテル運営の近況を、つぶさにそして分かりやすく伝えた1冊です。

進化の理由は2つあり、1つはビジネスホテル市場への新規参入が進んだこと。「旧御三家」(ワシントンホテル、サンルートホテルチェーン、東急イン)から「新御三家」(ルートインホテルズ、アパホテル、東横イン)そして「新・新御三家」(スーパーホテル、ドーミーイン、リッチモンドホテルズ)へ主役が動いています。

もう1つが客層の変化です。ビジネスホテルで、ビジネス客よりもレジャー客のほうが多いというホテルも増えているのです。本来の客層だったビジネス客が、どこのホテルも満室で‘ホテル難民’となってインターネットの予約サイトをさまようことも最近では珍しくありません。

また、近年のホテル開発のトレンドは、(1)水まわり革命、(2)大浴場、(3)朝食で、それらの充実は実感されている方も多いのでは。

本書の最後では、ビジネスホテルの将来像を、いろいろなコラボレーションが考えられる「装置」として、次の3つのキーワードが提言されています。

1.メーカー、流通企業とのコラボレーション

2.ITによる客室エンターテインメントの高度化

3.健康・美容のマーケティングの深化

ビジネスパーソンにとって、ビジネスホテルはなくてはならないもの。ひとときのリラックスもホテルに求めながら賢く選択したいものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする