サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている (マイナビ新書) 価格:¥ 872(税込) 発売日:2012-03-23 |
評価 (2点/5点満点)
給料が上がらないとか、仕事がうまくいかないといった悩みのほんどは、少なくとも過去何十年にわたり、多くの国で多くの人を悩ませてきたものです。
〝理屈〟が本当に実社会に当てはまるのか、さらには当てはまるだけでなく役に立つのか、といった〝証拠〟にあたる成果を社会科学は示すことができるようになり、すでに皆さんの悩みの多くに一定の正解を出しているのです。
本書はそうした社会科学の出した正解を、もっと社会に普及させるために書かれています。
・なぜ、いくらがんばっても給料が上がらないのか?→「経済成長理論」
・なぜ、お金が貯まらないのか?→「行動経済学」
・どうすれば楽して出世できるのか?→「ポジティブ心理学」
・どうすれば職場の人間関係はうまくいくのか?→「組織行動論」
・どうすれば仕事はうまく回るのか?→「プロジェクトマネジメント」
・なぜ、いくら仕事をがんばっても家庭がうまくいかないのか?→「ポジティブサイコロジー」
ある人の悩み・課題のほとんどは、既に他の人が経験しているものだとよく言われます。その経験が学問や著書にまとめられているのであれば、それを使わない手はありませんよ。
【my pick-up】
◎最も可能性の高い所要時間
それぞれの作業やプロセスに必要な時間について3種類の見積もりを出して、次の計算を行った結果が「最も可能性の高い所要時間」となることが確率論的に示されています。
「最も可能性の高い所要時間の見積もり」=(楽観的見積もり+4×現実的見積もり+悲観的見積もり)÷6
楽観的見積もり、現実的見積もり、悲観的見積もりの三者が左右対称な関係、つまり、楽観的見積もりと悲観的見積もりのちょうど間の値が現実的見積もりであればこの計算結果は現実的見積もりと一致します。しかし実際には多くの場合、楽観的見積もりと現実的見積もりの差よりも、悲観的見積もりと現実的見積もりの差の方が大きくなります。そのためこの計算結果は現実的見積もりよりも少し長めの値となることでしょう。これも「平均的な見積もり」で締め切りが危うくなる1つの理由です。