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2012年50冊目『脱会議』

2012-04-19 13:50:31 | おすすめビジネス書

脱会議 今日からできる! 仕事革命 脱会議 今日からできる! 仕事革命
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2012-04-05

評価  (3点/5点満点)

世の中には、会議中毒の経営者やマネジャーがいます。彼らは、会議をして移動し、また会議をして移動する、というのを繰り返しています。新幹線や飛行機に乗って、会議のために出張することが仕事なのです。また、会議のために資料を作り、会議のために打合せをして、会議のために根回しをします。

会議が問題なのであれば、会議の「やり方」を変えればいいのではないか。そう考える人もいるかもしれません。しかし、会議を改善するだけでは、もはや間に合わないのではないか、というのが本書の著者の考えです。日本企業が直面している、グローバル化をはじめとするさまざまな問題に対処するためには、会議を大胆に減らし、意思決定のスピードを上げ、脱会議で浮いたリソースを問題解決のために振り分ける。これこそが、今、求められていることではないでしょうか。

本書で提唱されている「脱会議」とは、会議の「数」と「時間」と「参加者」を2分の1に削減し、「会議コスト」を90%削減することです。会議のやり方を変えるのではなく、会議をただ手順通りに、そして大胆に削減します。

人は、新しいやり方を知ると、従来のやり方にその新しいやり方を「足して」しまいます。組織においても、何でも増やそうとします。しかし、これからは「足し算」ではなく、「引き算」へとシフトチェンジしなければなりません。

〝会議〟は永遠のテーマですが、ゆえに大胆な発想をしないとなかなか現状から変わらないものです。この1冊が従来の考えを見直す良いきっかけになるかもしれません。

【my pick-up】

◎若手が減って会社が会議漬けに

「役職ごとの参加比率が変わらないため、参加者が増える」というのを、簡単な計算で示してみましょう。ここでは、次のように人口構成が変わったとします。

課長(20人)、係長(50人)、担当(100人)→課長(40人)、係長(70人)、担当(60人)

ある会議に、それぞれ課長が3割、係長が2割、担当の1割が参加するとしましょう。参加人数はこうなります。

課長の参加者(6人)、係長の参加者(10人)、担当の参加者(10人)→課長の参加者(12人)、係長の参加者(14人)、担当の参加者(6人)

合計の参加者は、26人から32人へと、23%も増えてしまいます。このように、人口構成比が変わることで、会議参加者が増え、「総労働時間に占める会議占有率」が増えるのは、会社にとって望ましいことではありません。

◎最も重要な「カイゼン」会議

最も重要な会議は、PDCAサイクルの「A」、つまり改善です。

年に2回のプランニング「P」で行動計画を策定したら、具体的に社員それぞれの実行「D」をロックし、シンプルな会議資料で検証「C」して、定期的な会議で改善「A」を話し合う。脱会議後の基本的な流れはこうなります。

ですから、どの会社でも、この改善「A」については、定期的に会議を持ちます。くどいようですが、この会議で検証「C」はやりません。進捗確認や報告事項は、会議の前に資料などで終わらせておいてください。「A」の会議には、ポイントが2つあります。

・会議の前に成果とのギャップをチェックする

・ギャップを埋めるための改善案を事前に提出しておく

コメント
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