厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2012年44冊目『経営分析のリアル・ノウハウ』

2012-04-04 21:45:04 | その他私が読んだ本

IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書) IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)
価格:¥ 861(税込)
発売日:2012-02-17

評価  (2点/5点満点)

冨山和彦さんを始めとする本書の筆者3人は、いずれも産業再生機構あるいは現在の経営共創基盤(IGPI)において、会社が生きるか死ぬかの修羅場や経営改革の現実の成果を出さねばならない状況で、真剣勝負の経営分析をやってきたプロフェッショナルです。

このような経営者、投資家、コンサルタントとしてのシビアな経験に基づいた、リアルな経営分析の方法論を共有するのが、本書の目的です。

「経営分析を究めていく最終的な目的は、その会社、事業の未来を構造的に見通すことにある。未来を生き残り、勝ち抜く可能性とその前提条件。それを実現するための課題、解決の方策。こうした事柄を、まずは数字にこだわり、ビジネスの業務実態にこだわり突き詰めていくこと。」

自分たちが判断を誤れば、多くの人々とその家族の人生を壊し、国民の皆さんの税金や金融資産を大きく毀損しかねない、真剣勝負の世界でさまざまな経営分析を数多くやってきた0---こうした経験を下敷きにした、真に実践的で、それゆえに真に本質的、基本的な経営分析の方法論、エッセンスを学ぶことができます。

また、リアルな経営分析においては、ガチンコの競争の中にある、個別具体的な会社、ナマの事業が、どんな実態にあるのかを明らかにしなくてはなりません。本書で紹介されている手法、チェックポイント、ものの考え方は、目に見えない会社や事業といった「無形物」を、できる限り有形化するための技法とも言えます。

「ジョブズのいないアップルの今後は?」「なぜセブンイレブンは四国に出店しないのか?」「ケータイが普及したあとの携帯会社の勝負は?」など、読み物としても面白いです。

【my pick-up】

◎簿記はすべての基本

PL、BSをきちんと理解するためには、ある程度、簿記の訓練をしておいたほうがいい。筆者はビジネススクールで仕訳をさんざんやらされた。機械的にひたすら仕訳して、それをPL、BSに持っていくような地味なトレーニングをやらされて、当時は、大学院まで来てなんでこんなことをしなければいけないんだと思ったけれども、今振り返れば、やっておいてよかったと心底思う。そこまでやって初めてPLとBSの意味が体感的にわかったからだ。

コメント
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