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2023年187冊目 『テレワークかそれとも出社か?』は、最近の出社回帰の動きに疑問を呈する

2023-07-28 15:59:20 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

世界的に見て生産性が低いと言われている日本のオフィスワークにおいて、生産性を高め、より快適な労働環境を確保するため、テレワークは日本に残された「最後の切り札」であると本書では主張します。

 

<テレワークに向いていない人>

・「仕事とは会社に出勤してやるものだ」という古い労働スタイルの感性が体にしみついている人

・パソコンを使って一人でオンライン会議ができない人

・「打合せとは対面でやるものだ」という思い込みを持った年配者

・人の監視の目がないと、ついつい怠けてしまう人

 

一方、テレワークに向いている人は「自分で自分の時間の管理ができる人」です。

 

コロナのおかげで日本全体で大規模な実証実験と呼べるようなテレワークを体験したので、今後はテレワークの欠点を補いながら、時間をかけて丁寧にテレワークで働く環境をつくり上げていくことが必要でしょう。

 

日本企業はまだ、テレワークを生産性向上に結び付けられていません。

コロナの影響が落ち着きつつある今、テレワークから通常勤務に移行し、コロナ前の勤務へと回帰する動きは、世界とは異なる状況だと思います。

 

【my pick-up】

◎精神的に集中できるVS精神的なストレスを感じる(雑談ができない)

いわゆる仕事ができる人は、社内での雑談など望んでいない。雑談しようと声をかけられることで仕事が中断し、集中力がとだえてしまう方が嫌なのだ。だが仕事でできない人は、会社でおしゃべりや雑談をしたい。なかには、おしゃべりを楽しみに出勤している人もいる。そういう人は会社には本気で仕事をするために出勤していないのだろう。なんとなく言われたことだけをして給料をもらっていればいいのだ。こういう人はテレワークに向いていない人と言える。

◎管理職の意識改革

本来、管理職が管理すべきは、人間ではない、業務内容である。すなわち、目の前に部下がいようがいまいが関係ない。部下に業務を指示し、その進捗を報告させ、そして助言を与え、期日までに仕事を完成させることであるはずだ。仕事の内容がしっかりと管理されていれば、目の前に部下がいようといまいと関係がないし、部下が頑張っているふうな姿をしていようがいまいが関係ない。テレワークをうまく機能させるためには、管理職が意識を変え、仕事の内容で部下を評価しなければならない。

◎非正規労働者の拡大で、世界のデジタル化の潮流に乗り遅れた

日本企業のDX導入の遅れは「失われた30年」と無縁ではない。日本企業には、「人に係る投資」の削減の結果、単純な繰り返し業務を行う非正規労働者及び一般職を大量に抱えることとなった。その人々は、米国では、情報機器が導入され、機械が速いスピードで処理している業務を「人海戦術」により、米国よりもぐっと遅いスピードで人間が処理している。企業経営者からすれば、高いコストをかけて、DX投資を行うより、安い賃金で、単純作業を行う大量の労働者がいるのだから、そのまま維持する方が合理的と判断している可能性が高い。だが、今後一旦、非正規労働者の賃金よりも、DX投資の方がコストが安い時代になれば、企業経営者は一気に非正規を解雇し、DX導入が進む可能性がある。

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