評価 (4点/5点満点)
「組織が、組織全体の目標を達成するために、そこで働く人々を動機づけ、まとめあげていくための仕組みやプロセス」をマネジメントコントロールと呼び、本書ではマネジメントコントロールにおける管理会計システム(会計数値を主たる業績指標に用いた成果コントロールの仕組み)の役割について論じています。
ただし、マネジメントコントロールは、管理会計の枠を超えた、様々な経営の分野にまたがる学際的な領域であり、以下のようにも述べています。
「優れたマネジメントコントロールを実施するためには、戦略論や組織論、人材マネジメントに関する知見も欠かせない。経営者は、マネジメントコントロールを会計特有の問題ではなく、経営全般に関わる問題と捉えて、真剣に取り組む必要がある。」
優れたマネジメントコントロールの実践例として、JALの部門別採算制度とオムロンのROIC経営を取り上げており、最近注目のFP&A組織・人材には大いに参考となるでしょう。
【my pick-up】
◎オムロンのROIC翻訳式
ROIC≒(わたしたちのお客様への価値)/(必要な経営資源)+(滞留している経営資源)
・ROICと自分たちの仕事を結びつける。
・利益に貢献していない(ムダになっている)経営資源や、古い設備など、ムリに使用することで品質のムラをもたらす経営資源を削減し、できるだけ多くの資金を投資に回す。
・投下資本の削減ばかりが強調されると、必要な投資まで行われなくなる。価値創造に向けた投資を行うには経営資源の節約が必要。
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