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2025年2冊目 『覚悟の論理』は、石丸伸二氏が実行する冷静な思考と合理的な選択

2024-08-01 14:58:30 | 日記

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評価 (4点/5点満点)

石丸伸二さんが2024年5月に刊行したもの。

安芸高田市長時代の内容が中心で、東京都知事選には一切触れていません。

 

本書のテーマは「覚悟が決まる仕組み」です。

・リスクとリターンを分析し、「やったほうが得だ」と判断したことをする。

・自分はどうありたいか、何に自分という存在を使うか。その目的に向かって戦略を立てる。

 

極めて冷静に、醒めた状態で思考した結果、おのずと決まっていくもの。それが「覚悟」です。

 

政治の世界に限らず、日本全国さまざまな場所に同調圧力やしがらみは存在します。

これまでの当たり前が通用しなくなる中で、合理的な選択をしていかなければいけないですね。

 

【my pick-up】

◎自分が無理なくできる範囲で考えていい

親をどれだけ大切に思うからといって、親のために自分の時間をすべて捧げることはできません。私の場合、今もし親から「同居してずっと自分たちの面倒を見てほしい」という役割を期待されたとしたら、私にはそこまでのことはできないと答えます。資金援助をしたり、ときどき一緒に話す時間をつくったりする。自分が無理なくできる範囲でやれることを考える。

◎前例を踏襲してしまうのは、自分ごとになっていないから

前例踏襲は、みんなにとって「他人ごと」だから起きます。前のやり方を続けることは、自分にとって特に深刻な問題ではない。しかも、前のやり方から変えようと熱心に取り組んでも、公務員なので特に成果報酬のようなものはなく、自分の給料は上がらない。だったらこれまで通りを続けていたほうが、仕事は楽だし、心も痛まない。できるだけサボっていよう。このような思考回路になるのは当然のことです。

◎新しい挑戦には、損失と利得の分析が必要

出たとこ勝負はしない。運には任せない。勝算があると見込めたことを、戦略的に進めていく。組織も個人も、同じように考えます。もし新しい挑戦をする覚悟が決まらない、勇気が出ないというのなら、それは損失と利得の分析がまだできていないということ。だったらやらないほうがいい。

◎自分の責任を果たしていれば、気に病む必要はない

どこまでが自分の問題で、どこからが相手の問題か、明確に線を引いている。その結果、極端に言えば、相手の問題は「どうなっても私は知りませんよ」と割り切れる。だからメンタルが強く見えるのでしょう。市長としての自分の役割は、市民にとって良いもの、意味があるものを提案すること、さらに「どうして良いのか」を議会でしっかり説明すること。そこまでできれば、成功です。その提案を通すか、通さないかを判断するのは議会の役割であり、決定の責任は議会にあります。提案し終えた時点で責任は私ではなく、議会のほうにバトンタッチされている。その先でどのような結論に至ったとしても、私が落ち込む必要はありません。決定の責任は議会にある。その議会の議員たちを選んだのは市民である。だからしょうがない。かなりクリアに割り切っているのです。

◎正論はどんどんぶつけるべき

自分の抱く理想に共感してほしい、理解して動いてほしいと部下に対して思うなら、そのための一番効果的なツールは論理です。論理に勝るものはありません。無意識に前提としていることや、論理の過程をすっ飛ばして結論だけを伝えても相手は動きません。だから、長く時間を共有しているわけではない相手に対しては、自分にとって当たり前のことでも一つひとつ言語化し、丁寧に伝えていく必要があります。正論をぶつけられて「マウントをとられたみたいでいやな気持ちだ」と堂々と言う人もいますが、自分の論理展開が甘いからマウントをとられた。そのことのほうに問題があると考えるべきです。

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