評価 (5点/5点満点)
既存のいわゆる会計本は、有価証券報告書を中心としたPL・BS・CFを用いての分析にとどまっています。
本書のような広範囲の企業情報を総動員して行う企業分析のノウハウについて詳細に解説した本は、これまでに存在しないでしょう。
つまり本書の目的は「決算書を読めるようになる」ではなく「自ら分析できるようになる」ことです。
・将来のキャッシュフローを生み出す源泉は、売上高成長率とROICの2つ(P185)
・ROICはファイナンス的な視点を重視した指標(P254)
・ESGの取り組みによって割引率(資本コスト)が下がる(P276)
・非財務情報は言ってみればPBRの1を超えた部分(P293)
・PL・BSとステークホルダーの関係を知る(P373)
中期経営計画やESGといった非財務情報の活用方法、ファイナンス視点の身につけ方など、実際の企業の公表情報を使いながら解説しています。
決算書をただ眺めるだけでは決して到達できない、決算書の裏側に隠れているビジネスモデルを見つけ出すことが企業分析の本質ですね。
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