厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
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2022年129冊目『早期退職時代のサバイバル術』は、「働かないおじさん」など中高年問題の真因である社会環境や人事制度に迫る

2022-05-12 13:16:54 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

会社からは「いらない」と言われ、国からは「働き続けてくれ」と言われる。この板挟みのような状況で働き続けるのが、今の中高年の労働者です。

この本では、中高年が抱える4つの問題、「働かない」「帰らない」「話さない」「変われない」に沿って、中高年問題を解剖してきます。

 

「働かない」

「働かない」問題の核心は「モチベーションがない」ことではなく、「モチベーションのエンジンが組織内出世に偏ってきた」ことによる「代替性のなさ」のほうにある。

「帰らない」

「職場」と「家庭」に分離されて、それが男性/女性という性別に偏り続けていること、そして職場と家庭「以外」の第3の場所が欠落していることが、「帰らない」男性問題の根底にはある。

「話さない」

交流からも対話からも遠ざかり、話したとしても自己開示しないという「量と質」の面でのコミュニケーションの希薄化は、自己を明確化し、セルフ・アウェアネスを向上させる機会を奪う。

「変われない」

中高年の組織内でのパフォーマンスを左右するのは「会社への愛着」や「出世できる見込み」といった組織に対する思いではなく、「変化適応力」である。

 

本書を読むと、働く中高年の様々な問題が、多くの社会的環境によって作られていることが分かります。

特に、「働かないおじさん」問題がなぜ繰り返されるのかという問題の背景には、「変えられない人材マネジメント」の現実が大きく横たわっているのですね。

 

【my pick-up】

◎企業はどうすればいいかー対話型ジョブ・マッチング機能の構築

マッチングのシステム全体が最終的に目指すところは、「動き続ける」ということを社内の「当たり前」に、「動かない」ということを従業員の「選択」にすることです。

「長くて平等な出世レース」から降りることができず、そのプライドから人に「自己開示をしなくなり」、結果的に「自らの興味を閉じてしまう」というスパイラルが変化適応力を下げます。

◎仕事の向き合い方を変えることは転職への備えになる

「目の前の仕事」に対して、工夫などの作業の面、関係する人の面、やりがいといった認知の面から、自ら領域を広げていくことは、中高年にこそ必要です。

◎私たちはどう転職すればよいか

転職後には、転職者自身が「即戦力」になりたいと思うほど周囲からのサポートを受けていない。そうした気負いを解除し、転職後には積極的な学習棄却(アンラーニング)によってそれまでの仕事習慣を変えていくことが必要になります。

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2022年128冊目『STRESS FREE』は、意識や行動を変えることで9つのネガティブな感情に対処する

2022-05-12 13:07:52 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

本書のサブタイトルは「ネガティブな感情を力に変える ケンブリッジ大学の研究者が明かす 科学的に正しいシンプルな63のメソッド」。著者はカナダ出身のメンタルヘルスの専門家です。

 

人が本来の力を発揮するのを妨げている思考パターンや心の状態(=ネガティブな感情)を9つのタイプに分けて、科学的に正しい問題解決法を提示します。

 

スパッと決められずに悩んでしまう

やる気がなかなか出ない

目の前の誘惑につい負けがち

ストレスをため込みすぎてぐったり

心がいっぱいいっぱいでパンクしそう

不安や心配ごとが頭から離れない

どうしても寂しさを感じてしまう

別れのダメージから立ち直れない

どうしようもなく気分が落ち込む

 

これらのネガティブな感情を克服して、人生の主導権を自分の手に取り戻す効果的な方法を、科学的背景をもとに「即効メソッド」「本格メソッド」としてまとめています。

 

自分の力だけではどうにもならないと思える状況でも、ほんの少し意識の焦点を変えれば世界の見え方が変わり、行動を変えればメンタルの状態が大きく上向くことを、この本は数多くの研究成果を引きながら教えてくれます。

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2022年127冊目『「超」戦略的に聴く技術』は、相手と良好な関係を築くための〝聴く〟テクニックが満載

2022-05-12 12:52:45 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

時にはとことん相手を喜ばせ、時にはあざとく相手の懐に入り、時にはしたたかに相手の本音を引き出す。

そんな「戦略的に聴くスキル」を身につけるのが本書の目的です。

 

○「推進あいづち」で会話を盛り上げる

さすがですね!/すごいですね!/そういうことですか!/しらなかったです!/センスがいいですね!

○相手の感情に合わせて「盛って聴く」

相手が楽しそうなら楽しそうに聴く/相手が悲しそうなら悲しそうに聴く/相手が痛そうなら痛そうに聴く

○困った場面で使える「前向きマジックワード」

面白い考え方ですね/ユニークな意見ですね/そういう考え方もありますね

○相手の課題を理解する質問

「いま、やってみたいことはありますか?/なんで、それをやりたいのですか?」「10点満点でいうと何点ですか?/10点ではない理由はなんでしょうか?/あと2点プラスするためには何が必要ですか?」「続けていきたいことと、変えたいことはなんですか?/なぜ変えたいのですか?/どう変えたいのですか?」「いま注目されている会社はありますか?/なぜその会社に注目しているのですか?」

 

以上のような、今すぐにでも使えるテクニックが満載です。

 

【my pick-up】

◎「そうだんだ」-この一言で共感を示すテクニック

〝そうなんだ〟を量産すればいい。相手の感情に合わせて「そうなんだ」。それをロボットのように繰り返す。大事なのは、相手の感情に合わせること。悲しそうなときには悲しそうな「そうなんだ・・・」。うれしそうなときはうれしそうな、オクターブ上の「そうなんだ!」。

相手の心の中にあるものをいったん全部吐き出させるようにしてあげる。そうすれば、相手は自分自身で答えを見つけていくのです。

◎議論を活性化させる、問いかけの技術

「何か意見はないか?」とはいいません。「何か訊きたいことはあるかな?」と投げかけます。「意見」といわれると「ちゃんとしたことをいわないと・・・」と緊張してしまうものですが、「訊きたいこと」といわれると一気にハードルが下がります。

そして若手メンバーからの質問に対しては、必ずこういいます。「とてもいい質問だね」。自分が疑問に思っていることはそこまで的外れじゃないんだな、と思えるようになり、不安が取りのぞかれます。

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