評価 (3点/5点満点)
成功に必要な、後天的な要素とは何でしょうか?多くの研究者によって、後天的な要素を左右するものとしては、「習慣」が最も有力とされています。
この本では、古今東西の天才たちが駆使してきたライフハック-習慣に焦点を当てます。また、習慣の内容だけではなく、それが彼らの業績にどのように影響したのか、科学的にどのような効果があったのかも、詳述しています。
「アイデアが湧いてくる」「仕事の生産性を上げる」「ストレスに打ち勝つ」「学び自らを高める」の5つの分類で、88個の習慣が紹介されています。
圧倒的な成功を生み世界を変えた彼らであっても、どれも実践するのは簡単な習慣ですので、うまく自分の生活や仕事に応用してみてください。
【my pick-up】
◎理念は自分が率先して取り入れる
イケアは、製造・運搬・管理すべてのコストを節約して低価格を実現しているわけだが、節約は創業者のカンプラード自身の習慣でもあった。彼は世界第7位にランキングされたほどの億万長者だったが、信じられないほど質素な生活をしていた。彼は、出勤と退勤に電車を利用する。イケアの家具の生産から販売まで、すべての業務に適用される原則も「節約」なのだ。創業者が死ぬまでこうした生活を送っていたのだから、社員たちもぜいたくに経費を使わないのは当然である。従業員たちから不満が出ないのは、会社のトップ自らが、そのような生活をしていたからである。組織や部下、家庭でなにかひとつの理念を浸透させたいと願うのであれば、まずは自分が、極端なまでにそれを実践し習慣化しなければいけないのだ。
◎相手を言い負かす技術を知っておく
ドイツの哲学者、ショーペンハウエルのメモが現存しているのだが、ポイントは論理的に正しいことばかりではなく、自分が追い詰められたときに詭弁で言い逃れる方法や、相手を困らせるためだけのテクニックなども書かれていることだ。「相手の意見を利用する」「相手の主張を拡大解釈する」「相手の主張をカテゴライズする」「論争の進行を邪魔して話題をそらす」「相手の主張ではなく人格を攻撃する」「理性ではなく権威にアピールする」論争の技術は論理学とは別の分野である。自分の正しい主張が無下にされないために知っておいて損はない。