僕たちは知恵を身につけるべきだと思う 価格:¥ 1,659(税込) 発売日:2012-09-13 |
評価 (3点/5点満点)
この本で登場する「知恵」というのは、「どんな世界に放り出されてもうまくやっていける能力」のことです。世界には計算だけでは計りきれない不確定要素が非常に多いため、知恵を身につけなくてはなりません。
・上に行けばいくほど、知識は役に立たない
・目先の結果よりも、人との関係を続けることの方が重要である
・合理性も大事だが、義理人情も同じくらい大事である
合理性と義理人情の両方が必要。最近ではビジネス書も含め前者偏重のきらいがありましたが、後者もそれと同じくらい大事だという点が、本書の特徴だと思います。より多角的な視点で物事を考える思考のプロセス、結果に対するアプローチの仕方、知識の応用の仕方。このような本当の実力を磨くうえで必要な要素です。
著者の森田正康さんがあらゆる視点で考える知恵が紹介されていますが、仕事さらには人生において役立つ知恵のエッセンスが詰め込まれている印象です。各章で取り上げられている先人等の賢者の言葉や知恵もためになります。
【my pick-up】
◎リーダーに必要な能力「忍耐力」
言いたいのは、「この人ならこのくらいできていればOKだよね」という人それぞれのラインがあるということです。
その人のできることや、できないこと、できるできないのレベルの差、経験の差、容姿などなど、すべては違いに過ぎません。それこそ、個性です。その個性を認め、現在ある駒の中で目標や戦略を打っていくのがリーダーの役目になります。
大変かもしれませんが(実際大変ですが)、個性を認めて我慢することが必要なのです。
◎「あなたは正しい」と言われる決定ができますか
リーダーの決断に求められることは、ただ一つです。それは、「『リーダーの決断は正しい』と部下たちに思ってもらえること」です。
正しいかどうかなんていうのは主観的な話ですから、結局、受け手の問題になってきます。「すべて自分のせいでいいから、進めてくれ」と、絶対的な自信を持って言えるかどうか。それを受けて、「リーダーがこう言ってるんだから、間違いないだろう」と部下に思ってもらえるかどうか。それが大切です。
自分が作ってきた実績から、日々の行動から、部下たちは見ています。何も決めずに、「それってこういう可能性もない?」とネガティブな否定ばかりしている上司の決断を部下は信頼するでしょうか?
人と仕事をするとは、そういうことだと思うのです。