![]() |
人とお金をどんどん引きつける35歳からのルール 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2012-09-25 |
評価
(3点/5点満点)
35歳を転機にビジネスセミナー講師として独立し、45歳となった著者・松尾昭仁さんからの、35歳の読者に向けたメッセージです。
・人生を本気で変えようと思うなら、35歳はギリギリのライン
・35歳はいろいろな意味で、人生選択の最後のリミット
こう聞くと少しゾッとするかもしれませんが、逆に捉えると、35歳でこの現実に気づき、変わることができれば、残りの人生は仕事もプライベートも十分謳歌できるのです。
この本は、タイトルのとおり、35歳から人とお金を引きつけるルール、もっと言えば、35歳から人生を変える法則が紹介されています。
一言で「人」といっても、「仲間」や「異性」、「お客さま・取引先」、「年上・上司」、「年下・部下」など、周りには様々な関係が存在しますが、本書では各章でそれぞれの人を引きつけるルールをしっかり押さえることができます。その根底にあるのは、自分のためだけでなく、人のためにも努力することだと思います。
35歳というのは、仕事・プライベートともに、自分の今後の行く末を決断すると同時に、人生の選択肢をなるべく減らさないように、努力の方向性を変える時期ではないでしょうか。
【my pick-up】
◎礼儀正しさに加えて、小生意気さをアピール
経営幹部を初めとしたトップクラスの人に対しては、礼儀正しさに加えて、「小生意気な部分」まで演出することが必要な場面もあります。
今の35歳前後の世代は、仕事は効率的にこなすものの、どこかクールで熱いハートに欠ける部分があります。少なくとも年長の成功者は、そのように感じています。あなたたちを「おとなしい世代」と思い込んでいるのです。それだけに、ちょっととがった若者がいると、その人をかわいく思うのです。「昔の自分に似ている」と・・・。
ただし、相手の年齢には気をつけてください。まだ40代くらいだと、年下の生意気な言動を、額面通りに受け取りかねません。小生意気な面を見せる相手は、50代以上のトップクラスの人に限定しましょう。
また、小生意気なことを言ったら、必ず結果を出す。やるべき仕事はしっかりやる。これが最低限のルールです。
◎できる部下を「ひいき」するのも、上司の役目
より多くの利益を出せる人材が、会社組織で重宝されるのは自然なこと。できる人をひいきするのは当たり前なのです。部下を横一線で考えている限り、チームの業績はさして伸びないでしょう。
結果を出していない部下が、「上司が一部の人をひいきしている。おかしい」などと不満を訴えてきても、あなたが動じる必要はありません。社内でも競争原理は働いているということを、はっきりとていねいに伝えてあげましょう。
「会社は、社員に対して給料を払っている。だから、成果を出した人が優遇されるのは当然。ひいきされていないと思うなら、それは自分自身に理由がある。される側の人間になるように努力するしかない」
少々厳しい言い方かもしれませんが、現実を説明してあげないと、いつまでも部下の考えは変わりません。その部下は今後も損をし続けることになりますし、上司であるあなたの評価も下がります。
ひいきされるということは、周りの人になんらかのメリットを与えている証拠だからです。役に立つ人がビジネスでも社会でも、優遇されるのは自然なことです。
誰でも平等に扱う上司は、一見、部下に好かれそうですが、それではチームは立ち行かなくなります。最終的に好かれるのは、部下の能力や得手不得手を鋭く見抜き、「正当な評価」ができる上司なのです。