1兆円を稼いだ男の仕事術 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2009-07-02 |
評価 (3点/5点満点)
著者の夏野剛さんが、主にドコモ時代に何を心がけ、どのように仕事に臨んできたのかについて、83の成功のキーワードとしてまとめた1冊。
この本のタイトルは、「iモード」や「おサイフケータイ」、「FOMA」などを手がけた夏野さんがドコモにもたらした利益は1兆円をくだらないというところから来ているそうです。
ちなみに、夏野さんは2008年6月にドコモを退社し、現在はドワンゴ取締役、慶應大学特別招聘教授、及び数社の社外取締役に就かれています。
単なるテクニック的な仕事術としてでなく、様々な人たちとの縁、関わりなどのエピソードも盛り込まれており、ビジネス全般に対する思考・戦略のあり方を学ぶことができます。
【my pick-up】
◎やるべき仕事がなくなったら次に進む
ドコモ時代、私はさまざまなサービスの開発に携わり、それにより社会にも会社にも貢献することができました。そんななか、2008年6月にドコモを退社したのは、「ドコモでやるべきことは、すべてやり尽くした」と感じたからでした。
そこには確かに達成感はありましたが、その一方で、あの頃のドコモでは「もはや社会に影響を与える仕事ができない」という思いもありました。これから携帯電話業界が進もうとしている方向が、私の信条とは合致しなかったのです。
私が退社を考えるようになったのは、2007年12月にドコモが販売形態を変更し、企業にとってリスクの少ない販売システムを導入したあたりからでした。発端は、それまでのインセンティブ制度を見直せと、総務省からお達しが出たことにあります。
この制度は、今ではもっぱら悪者扱いされていますが、私は今後も有効なビジネスモデルだと考えています。
新規の契約希望者も、他社からの乗り換えを考えている人たちも二の足を踏んでおり、業界全体にかつての活気がなくなった感があります。