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「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる 価格:¥ 1,400(税込) 発売日:1998-11 |
評価
(3点/5点満点)
日本電産社長・永守重信さんの人生・経営哲学が凝縮された1冊。刊行は10年前ですが、今も売れ続けています。
昨年の「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)など、TV番組等でも度々登場され、M&Aによる傘下企業の再建に手腕を発揮されたことは有名ですが、その土台となる考え方・行動指針がこの本で熱く語られています。
【my pick-up】
◎わたしの健康法
週に4万5000歩歩くこと、食事の好き嫌いは一切しないこと、大きな声で話すこと、そして、仕事で徹夜をすることはあっても、夜遊びはせずに規則正しい生活を送ることである。
◎自分のポストを脅かす部下を育てろ!
現在のポストが係長なら、自分の部下を係長に育てる。課長であれば、係長を課長にする。係長を育てられる人は課長になる資格があるし、部下を課長にできる人は次長や部長になる力があるという証明なのである。
逆に言えば、部下を係長に育てることができなければ、自分がいつまでも係長をやらないといけない。また、係長を課長にできないような人間に、次長や部長の席を任せることなどできるはずがないのである。
◎「二番というのは一番の次ではない」-淘汰の時代の、この考え方
勝負を決するのは、スピードが50%、ハードワークが30%、トータル的能力が15%、学歴や経験が3%、社歴や知名度が2%だというのが、わたしの分析である。
◎相手のキャリアによって話の内容をアレンジする
相手に合わせて話の内容、表現方法、話すときの態度も変えていく必要がある。内容については、相手のキャリアに応じて次のようにアレンジする。
・一般社員には危機意識30%、夢やロマン70%
・主任クラスのリーダーには危機意識50%、夢やロマン50%
・部課長クラスの管理者には危機意識70%、夢やロマン30%
・役員クラスには危機意識90%、夢やロマン10%
◎夜遅くまで残業をする人よりも、朝30分早く出社する人を重視する
これは小さな心がけが思わぬ成果に結びついたり、逆に致命傷にもなりかねないことを身をもって体験してきたからだ。心がけという表現をしたが、正しくは「心の余裕、ゆとり」といった方がいいのかも知れない。
◎人に動かされるのがうまい人は、人を動かすのもうまい
人のために動くといってはいるが、実際は自分の考え方を通したいと思っている上昇志向の強い人物のことである。すなわち、上司から指示を受ければ、全面的にその指示に従わねばならない。だが、いわれる前にやれば、かなりの部分で自分の裁量が発揮できる。この自分の考えを通したいという気持ちが、上司、部下を問わず相手に対する説得力につながり、結果的に人が動くのである。
◎自分と部下の間に隠し事をしないというルールをつくれ
これができない、つまりプライベートな話になると口を閉ざしてしまうような社員を叱ると、次の日から会社に出てこなくなったり、かえって反抗的な態度をとるなど、結局は徒労に終わることが多い。
◎手塩にかけなければ人は育たない
一般論として多くの管理者に見受けられるのが、支える手を離すのが早すぎる。後押しの部分が少ない、努力の成果をきちんと評価していないという点だ。これらが不充分なことを棚にあげて、「部下の能力や努力が足りない」とか「部下が育ってこない」とグチをこぼすのは筋違いだし、部下を思うがままに動かせるはずもない。
◎全体の2割を味方につけろ!
もちろん、全員が反対するような改革では成功はおぼつかないが、リーダーに先見の明と強い意志があり、2割の社員の支持があれば改革は成功すると思う。
なぜ2割かというと、人間の視界は360度の8割、すなわち300度近い広がりがある。しかし、真後ろの60度ぐらいはどうしても目の届かない盲点ができる。2割の支持者にはこの盲点を補う目になってもらうのである。そうすれば、少なくとも真後ろからの闇討ちだけは受けることがない。
◎煙たがれるのを承知で下積みの苦労をさせろ!
よく、「彼はオレが育てた」と自慢げに話す管理者がいるが、こういっているうちは本物ではない。部下に心底「オレは○○部長に育ててもらった」といわしめて本物なのである。そのためには、自らのエネルギーのすべてを相手に注ぎ込むというぐらいの気持ちが必要となる。