厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

今年124冊目『35歳までに身につけておくべきプロの経理力』

2009-07-04 02:36:18 | おすすめビジネス書
35歳までに身につけておくべき プロの経理力 35歳までに身につけておくべき プロの経理力
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-06-23

評価  (4点/5点満点)

この本は、若手経理社員に向け、「仕事の効率をもっと上げて、少人数でできる体制にしてほしい」「経営の意思決定に役立つ情報をタイムリーに提供してもらいたい」という経営者の期待に応えるためのスキル、具体的には改善力・分析力・報告力・予測力を向上させることを目的に書かれています。

コンピュータやアウトソーシングではできない、考える仕事とコミュニケーションにもっと注力しなければなりません。

また、若手だけに限らず、経理社員全般に言えることは、正しく事務処理をこなしマジメなんだけどアピールも付加価値も足りないということ。本書はその点を鋭く指摘し、対処策も分かりやすくかつ実践的に教えてくれます。

【my pick-up】

◎貸借対照表で目に見えない信用度を見る

貸借対照表の右側(資金調達の原因-負債と蓄積)は目に見えないものなので、経理が注意して見なければ、誰も自分の会社の状態がわからなくなってしまう。

◎フィードバックは経理の重要な役割

経理社員が最も苦手なのが、「伝える」能力です。実はここが、キャリアアップできるかどうかの分かれ道になってきます。

◎会社がうまく回っているかを表わす3要素

利益の額のほかに、利益が企業規模に対して適正であるかを見る必要があります。

会社の経営状態を見るときに、最もよく使われるのが、総資本利益率(ROA)です。これは、会社が所有している財産をいかに効率よく使って利益を稼いだのか会社が調達した資本(負債と自己資本)をいかに効率よく運用したかを表わしています。

「売上高」と「利益」と「総資本(または総資産)」の3つのバランスを見れば、会社がきちんと機能しているかどうかがわかる。

◎経営者に見てもらうための工夫をする

経理に一番不足しているのが、見てもらうための努力です。なぜこれまで、経理が見てもらうための努力をしてこなかったかというと、会計のアウトプットの形式が制度的に決まっていたからです。

経営者にとって、わかりやすい経理資料を作るには、次のような工夫が必要です。

・表形式より、図を使う(できればカラーで)

・何ページにもわたる資料より、1枚にまとめる

・細かい数字より、記憶できる程度の丸めた数字を使う

貸借対照表と損益計算書が1枚の図になっていれば、売上高、利益、総資本(総資産)の大きさが、誰にでも一目でわかります。

◎フィードバックの基本は「鏡」になること

経営者や現場部門は、自分たちの活動が会社全体にどのような影響を与えているのかはわかりにくいものです。活動結果を反映して、さまざまな角度から本人にフィードバックできるのは経理だけなのです。特に本人からは見えにくい部分を見せてあげるのは、経理の重要な役割です。

◎「バネの法則」で予測する

先のことを考えるときには、一度同じ期間だけ遡って行動を振り返ってみると予測がつく。来年度の予算を組むときは、今期1年間のデータを参考にし、2~3年の中期予算を考えるときは、やはり2~3年分の過去データを基準にする。

◎左右の脳と、耳と口と、手と足を効果的に使う

経理社員の傾向としては、数字に強く計算能力が高いので、「分析力」と「予測力」が高い人が多いようです。このタイプの人は、プラスアルファのスキルとして「報告力」と「改善力」を身につけると、社内からの評価が驚くほど高まります。

◎今の仕事から脱皮して次のステップへ

約3年の周期で仕事を後進に譲って、自分は上のレベルの仕事へ移ってゆく。このときにやらなければならないのが、仕事の標準化です。これは、作業を単純化し、手順化し、ルール化していくことです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年123冊目『すごく「頭のいい人」の生活術』

2009-07-04 01:35:06 | おすすめビジネス書
すごく「頭のいい人」の生活術 (知的生きかた文庫) すごく「頭のいい人」の生活術 (知的生きかた文庫)
価格:¥ 600(税込)
発売日:2009-06

評価  (3点/5点満点)

著者は上智大学名誉教授の渡部昇一さん。

考える力をつけるヒントとして、読書術、時間活用、記憶力などの方法を紹介しています。

学者ならではの深い学識を感じつつも、学界以外にも幅広く接点を持っておられたので、ビジネスパーソンにも実用的な内容となっています。

【my pick-up】

◎人間をつくる”読書””会話””書くこと”

読書は充実した人間をつくり、会話は機転のきく人間をつくり、書くことは正確な人間をつくる。(イギリスの哲学者フランシス・ベーコン『勉学について』)

◎本をたくさん読む人ほど、話が面白い

一般的に本をたくさん読んでいる人は、話を聞いていても面白い。一つの話をするにしても語彙が豊富なばかりでなく、比喩表現が巧みで、聞いていて飽きないし、想像力を刺激してくれる。

◎1日5分でも10分でも「自分と向き合う」

仕事ができて仕事をたくさん抱えている人ほど、仕事を離れた孤独な時間を大切にすべきである。朝、家を出て会社に着くまでの「孤独な時間」に興味のある本に1行でも1ページでも目を通し、思考の素材を摂取するのもいい。

◎頭のいい人の読書術-本にどんどん書き込む

私のすすめる読書法は、読みたい本は必ず購入すること、感心した箇所に直接マークを書き込んでいくこと。印をつけながら読んだ本は、再読・三読の際には線を引いたり丸印をつけたりした箇所に重点的にアクセスすればいいわけであるから、知識の固定や活用に便利なのである。

◎とにかく思い切ってやり始める

一番の時間の浪費は先延ばしにある。(ヒルティ『幸福論』)

◎なぜ時間の流れ方に個人差があるのか?

同じ速さの川の流れであるにもかかわらず、起きたばかりで元気のいい時は、その川の流れが非常に遅く見える。ところが、昼過ぎから夕方になると身体も疲れ、結果として川の流れがとても速く見える。(フランスの医学者アレキシス・カレル『人間この未知なるもの』)

◎「情報の捨て方」に頭のよし悪しが

短期的な研究や調査などに関しては、その成果を一応自分の満足のいくようにまとめ上げれば、そこでピリオドを打つほうがよい。自分なりの解釈ができれば、資料など保存しておく必要はない。

◎目につくだけで、「思考の刺激」になるもの

自分の関心のあるものについては、やはり本や雑誌の切り抜きという目に見える形で手もとに置くというのがベスト。無限の資料の中から、何が自分の頭を刺激し、興味を抱かせるかといったことが大事なのである。

◎「夢を先取りする」生き方

小さな夢であれ、大きな夢であれ、それを達成するための努力や苦労といったものに大差はない。これが重要なポイントである。夢というのは、その大きさやむずかしさで考えるべきではない。そうではなく、本当に自分の望んでいることにターゲットを絞り込んだほうがよい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする